【学びの時間】興味ある分野で、知らなかったことを知り、考えるための読書

 

【学びの時間】どうして勉強しないといけないのですか? - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)

先日このブログを書きました。

学校でやる勉強については、かなり否定的なことを書きました。

しかし、これはある一面でしかありません。

学校に行けるということが、どれだけ幸せなことか、

この本に書かれている、いくつかのエピソードを読むと、

そう感じざるを得ません。

高齢者になるまで、文字も書けなかった人が、

「宿題」が出るということに、喜びを感じているシーンもあります。

 

『月明かりの校舎から』(埼玉に夜間中学をつくる会 2016年発行)

の冒頭に、会の発足の「宣言文」(1985年4月)が載っています。

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県内(埼玉県)に1万人以上の義務教育三修了者がいることや、

毎年小・中学生の1%におよぶ数の長欠児童が

産み出されていることも知りました。

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私達は埼玉県に住み、今なお「読み書き」ができないことや

「掛け算の九九」ができないことで、

苦しみを抱いて生きている人たちのことを忘れません。

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これは、いまから37年も前のことなので、

さすがにいまは、読み書きができない(ひらがなすら書けない)、

九九ができないという人は、ほとんどいなくなっているでしょう。

 

2016年発行の『全国夜間中学ガイド』(学びリンク)を見ると、

  • 公立の夜間中学は、全国で8都道府県25市区に30校余りしかない
  • その大半が東京都と大阪府にある
  • 民間自主夜間中学は、全国に約300校ある
  • 公立夜間中学在籍の生徒は、1849名(2014年5月)、そのうち外国籍の生徒が、1498名と全体の8割を占める
  • 日本国籍の生徒は、学齢期に義務教育を修了できなかった人がほとんど、日本国籍を有しながら海外で育ったために日本語を母国語としていない人、中国帰国者二世で日本に帰化した人など
  • 男性 583名、女性 1267名
  • 10代から60代までがほぼ均等に在籍し、70代、80代も若干名いる

 

『月明かりの校舎から』を出版した「埼玉に夜間中学をつくる会」は、

1985年に、「川口自主中学」を開校しています。

しかし、あれから30年たった2015年に、

いまだ埼玉県に公立の夜間中学は1校もないのが現実です。

 

これは、あながち県や自治体の怠慢とも言えないようです。

もともと、戦後、孤児や貧困で就学できなかった人たちのために、

夜間中学ができています。

義務教育の徹底や支援も進み、就学できない子どもが減ってきたり、

1979年には、養護学校が義務化されたり、障がい児の支援も進んできました。

1950年代半ばから、在日韓国人など、

外国人が夜間中学の利用者となってきました。

 

その結果、生徒の8割が外国国籍の人たち、日本国籍の人たちもその大半は、

母国語が日本語ではない人たちが占める状況になっているようです。

 

一方、不登校者は増えていますが、その人たちのためには、

フリースクールなどがあります。

フリースクールは、とってもいいなと思っていますが、

どこもみんな利用料が高く、そこに行ける人は裕福な家庭にかぎられます。

【学びの時間】@ホテル療養中 不登校を考える② 潮目は変わった - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)

 

ピッピからもらった子の情報、全国夜間中学ガイドのリストには、

高知朝倉夜間中学校という記載はありましたが、それだけでした。

課題を抱える子どもたちの育ちを支える学び舎 高知・朝倉夜間中学校 - 記事 | NHK ハートネット

『高知市で20年以上活動を続けている朝倉夜間中学校は、

人件費などの経費は市が拠出し、運営するのは民間という、

全国でも珍しい形の夜間中学です」

 

これは、小規模であるからかもしれませんが、

地方自治体でも、やればできることを意味しています。

しかし、山下さんというのは年金暮らしのボランティアなので、

市にとっては、お金がかからないからOKしたのかもしれません。

これも含めて考えてみました。

 

まだまだ勉強不足ですが、時代の流れを考えたとき、いまは夜間中学より、

学校に行けなくなった子どもたちを支援する制度が求められていると思います。

単純に言えば、安価にフリースクールに通えるようにする制度が求められます。

 

私が働く放課後子ども教室を経営するNPOは、学童保育をやっています。

埼玉県から数年前に東京、神奈川に進出、気がついてみたら、

ここ2年くらいで、あっという間に全国に広がっています。

これは、ひとえに需要があるということ、実態は知らないけれど、

自治体からの補助金なり、経済的支援が充実しているからでしょう。

学童保育は厚労省の管轄、だからできるのでしょう。

フリースクールの支援は、やるとすれば文科省になるので、

そちらに力を入れると、

いまの学校システムを否定することにもなりかねないので、

そう簡単ではないんだろうなと思います。

 

私は、一条校というのをやめて、自治体に権限を委譲し、

オルタナティブ・スクールやフリースクールなど、

学校を多様化し、家庭や子どもが学校を選択できるようにする、

これが進むべき方向ではないかと思っています。

その先には『ここいまタウン(子どもが中心のコミュニティ)』があります。

 

今日は、コロナワクチンの4回目を打ちに、

『月明かりの学舎から』を持って行き、

帰ってから家で読み、全国夜間中学ガイドもめくってみました。

 

接種後3時間後くらいして、頭がぼーっとして、だるくなりましたが、

じっとしているとよくなり、いまのところ何も起きていないので、

ホットなうちに、これを書くことにしました。

書いていると、想定していなかった思いの重なり合いがありました。

そして、学校の抜本的改革、ここいまタウンにつながってきました。

 

そんな、コロナワクチン接種の日に、ありがとう!