【学びの時間】@ホテル療養中 不登校を考える② 潮目は変わった

不登校・ひきこもりは子どもだけのことではなくて、

大人のひきこもりも深刻度を増しています

まず知ろう!「ひきこもりNOW」!|ひきこもりVOICE STATION (mhlw.go.jp)

この数字を見るとやるせなくなります。

 

社会ではいろんな取り組みがなされていると思います。

ただ、私個人的には、関心を向ける先は、子どもの不登校です。

子どもの不登校がなくなれば、ミライの大人のひきこもりもなくなっていく、

そう信じて考えてきましたし、今後、もそうです。

 

不登校をなくするというのは、学校に行かせるということではありません。

学校ありかたそのものを変えていくということです。

コミュニティが変わるということでもあります。

究極の夢『ここいまタウン』をつくるに向けての第一歩は、

「イエナプラン教育を語ろう」でした。

それを終えた直後にコロナ陽性になってしまったわけですが、

それをやり切り、アンケートを読んでも、

次に何をしたらいいのか、現時点では見えていません。

どんなに小さくても、

自分が具体的に動いているという実感をどうしたらもてるのだろう?

ホテルの中でうなっても、何も見えてはきません。

 

ということで、前回挙げた2冊の本から学び、

「不登校を考える」を書き始めました。

 

「多くの人たちのこれまでの長~い努力の末、時代は変わろうとしている」

それが、本を読んで感じたことです。

 

<教育機会確保法>

  • 2016年12月、5年前ですが、不登校の子どもたちに対して学校外での学びを支援することを明記した『教育機会確保法(義務教育の段階における普通教育に相当する教育機会の確保等に関する法律)』が成立しました。
  • 学校外の多様な学びの重要性に照らし、子ども一人一人の休養の必要性を踏まえて、子ども一人ひとりが(一律の教育に合わせるのではなく)、その子の状況に合わせた学びを保障されるように、国や自治体は、不登校の子どもや保護者への必要な公的な支援をするために、必要な措置を取らなければならない。
  • 日本国憲法第26条「すべての国民のひとしく教育を受ける権利を保障」していくために、義務教育段階において、保護者の普通教育保障義務(「就学義務」ではない)と、国も無償の義務教育保障義務を定めた。

 

<努力の結果>

  • 学校を軸とした一律の教育と「教えられて学ぶ」価値観のもと、学校教育法制が(1947年の学校教育法のもとで)70年以上続いており、いわゆる一条校(教育法一条に定める学校)と言われる学校における普通教育のみを正当なものとしてきた。
  • 先進国の中で、政府の決めた学習指導要領に基づく教育しか正式に認めないという国は、もう日本だけと言われている。
  • 2009年1月第1回JDEC(日本フリースクール大会)で「フリースクールからの政策提言」が満場一致で採択された。=学校教育法一本しかない制度を替えようと学校教育だけでなく、「多様な学び」を認める法律の作成を求めた内容。ここから8年かかった。
  • 奥地圭子さんが日本初のフリースクール「東京シューレ」を創ってから(1985年)、30年が過ぎていた。

 

<残された課題>

  • 『教育機会確保法』の制定過程において、特に制度設計部分で紛糾し、ほとんどの制度設計を先送りして、この法律が制定された。特に経済支援の在り方については、今後の検討課題とされた。

 

東京シューレや東京コミュニティスクール、その他フリースクール、

さまざまなオルタナティブ教育の取り組み、

とってもステキだと思います。

しかし、国や自治体からの経済的支援はありません。

だから現時点で、それらに通えるのは、

相当裕福な家庭の子どもだけだといえるでしょう。

経済的な壁は、最後のバリアーだと感じています。

 

私のFacebookの友だちに、神戸でフリースクールをやっている人がいます。

その方も、

「フリースクールの多くは私たちのスクールも含め通所、通学に、

家庭の経済面が大きく影響していて、とても大きな課題と考えています」

と言われています。

 

子どもの問題には貧困という問題もあります。

子どもの6~7人に1人は貧困と言われています。

こちらも私には実感できていないのですが、

30人学級だと、1クラスに4~5人貧困の子がいるということになります。

学習支援も行う子ども食堂の取り組みもあるようですが、

それも限界があるでしょう。

やはり政治・行政が決断して、

誰もが無償で教育を行ける機会が与えられるフリースクール的な居場所を

官民一体となって提供するほかないように思います。

 

この本には、わずかながら、公的民営の取り組みが紹介されていました。

 

<実際の取り組み>

行政と民間団体がうまく連携して、公的民営(施設の設置は自治体等が行い、

運営は民間が行うやり方)で「学校外でも子どもたちの居場所」を

運営しているところが、すでにいくつかある。

市内の小中学生が、無償で利用できる。

  • 「フリースペースえん」(神奈川県川崎市)
  • 「スマイルファクトリー」(大阪府池田市)
  • 「ほっとスクール希望丘」(東京都世田谷区)*東京シューレが運営

また、行政との連携で、フリースクールを福祉事業に位置付け、

利用料を学童保育並みに抑えたところもある。

  • 「ドリーム・フィールド」(静岡県浜松市)

 

私は、自分でフリースクールやオルタナティブ教育をやりたいと

思っているわけではありません。

還暦まで、子どもや教育にかかわったことが一切なかったので、

必要な資格もありません。

放課後児童支援員の資格もないので、

学童でパートスタッフとして働いてきましたが、

中心になってやることはできません。

放課後子ども教室は、それなくてもできるというので、

現在させていただいています。

自分でそれなりの資格を取るという選択肢もありますが、

そういった人たちと一緒に行動するということでもいいと思っています。

 

ただ、今のままでは、ある枠の中に入った状態での活動にとどまります。

その枠を超えて、もっとコミュニティに開かれた、

そして輪が広がる活動をしたいと思っています。

無償というわけにはいかず、いまくらいの収入は必要です。

 

そんな思いで、本を読んで調べたりしながら、これを書いてきて、

Solの夢に向かってこれからやりたいことは、

こんなことかなと思うようになりました。

それに近いモデルがあったからです。

長くそこにあったのに、気づいていなかったのです。

それが、フリースペースえんのある川崎市の子ども夢パークなのです。

はじめに|川崎市子ども夢パーク (yumepark.net)

川崎市にできたことだから、

ほかの自治体でもできないはずはないと思っています。

こんな場所があれば、イエナプラン教育を語ろうで対話した

「個を大切にする教育」は、

学校という形ではなくても実現していけると思います。

 

写真は今朝の写真です。

太陽の光がビルに反射し、まぶしかったです。

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