この『僕らしく 君らしく 自分色』は、
フリースクールの「東京シューレ」に通う何人もの子どもたちが、
それぞれの体験や想い、気づきを、書いた本です。
そのなかに増山絢子さん、当時15歳のこの文章があります。
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マスコミなどでは、イジメる子達を警察に突き出せとか、
裁判しろとか言ってますけど、イジメの問題は意外と奥が深く、
そんなことでは解決しないと思う。
なぜならば、いじめていた子も被害者なのです
(あくまでも私の意見ですが...)。
イジメはストレスから起こる行動であって、
そのストレスをためる場所と言えば一つしかなぁ~い!
(いや、二つ、三つ、...?)。
学校、塾、うるさい親。
中でも学校が最高の場所だ。
たとえば(いろいろあるけど)、強制されるだけでも、
すごいストレスではないか。
やりたくもない勉強を押しつけらえて、
頭の先から足の先まで校則で決められて、
愛のムチだとか君のためだとか言いながら、
体罰という暴力をふるう。
ほーら、これだけでもすごいストレスでしょう?
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この本は1995年に出版され、ある意味一昔前ですが、
今も大きくは状況は変わっていないと感じています。
体罰だって、最近でも問題になっています。
この本、18人の子どもたち、
学校に行けなくなった子どもたちが書いた文章が収められています。
中学生や高校生たちです。
自分の思いや考えをしっかり持ち、
また素晴らしい文章力でそれを表現しています。
これを読むと、改めて、学校へ行く意味って何だろうと考えさせられます。
学校で本当に楽しんで学び活動できる子は、学校に行けばいいけど、
仕方なく、我慢して行っている子、いじめなどによって苦しんでいる子、
そんな子たちには、他の選択肢があってもいいはずです。
学校に行くことで、学業が優先され、他者と比較され、
成績が重んじられることで、本質を考えられなくなるのではないか、
そうとすら思えるのです。
全く畑違いの本、『ガイアの復讐』ジェームズ・ラブロック著があります。
科学者がこんな地球温暖化対策を考えているというのが紹介されていました。
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一つは、太陽光を屈折させる直径11.2Kmのディスクを
地球と太陽の間のラグランジュ点
(太陽の引力と地球の引力が反対方向に等しくなる点で、
そこでは、ほとんど手を加えなくても日よけを定位置に保つことができる)
に設置する。
ディスクには地球に注がれる太陽光の数パーセントを屈折、
あるいは分散させ、惑星を涼しくするという考え。
もう一つは、海面のすぐ上に雲あるいは霧を作り出す。
海水を雲の核となる微粒子のエアロゾルに変える小型で実用的な装置をつくる。
実際に海藻が硫化ジメチルを放出して作り出した、低高度の海洋性層雲が
自然の冷却に一役買っていることがわかっている。
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学校で優秀な成績をとって、
たぶんその後もエリートコースを歩んだ科学者たちは、
こんなことを考える、こんなことしか考えられないのか
と愕然とさせられます。
頭のいい勉強家は、目に見える現象に対して、
目先の応急措置しか考えられないのでしょうか?
人類が、炭酸ガスを排出し続ければ、
これらの対策は何の役にも立たないでしょう。
膨大なお金を使って、無用の長物をつくるのでしょうか?
学校やその仕組みにおける競争、受験によるストレスにがんばって
耐えた先にあるのは、本質を見極めて真摯に対応するという、
当たり前とも思えることができなくなるということでしょうか。
教育とは何か、学校とは何かが問われています。
私は今、学校に毎日通っています。
ドリームマップでも、学校に行きます。
学校の先生方が、子どもたちへの想いを胸に、
すごく頑張られていることを知っています。
働き方改革とか言われながら、この新型コロナもあって、
先生方は、かなり遅くまで残られています。
先生が悪いとは決して言えません。
また、この本が書かれたときから、変わってきているのも事実でしょう。
ただ、今の学校という制度は、もっと早く見直してしかるべき、
そう感じています。
『子どもが生きる力をつけるために親ができること』工藤勇一著には、
こんな言葉があります。
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固定化された価値観から子どもを解き放ち、視野を広げることが大人の役目。
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子どもを固定観念で押さえつけて、
ストレスからイジメに走る子、学校に行けなくなる子を
たくさん生み出すのではなく、
学校という固定概念も見直す時期に来ている、
想いだけですが、そう思って、
「ここいまタウン」をつくろう!をやっています。