『不登校でも学べる』(おおたとしまさ著 集英社新書)
からの引用は、今回が最後になります。
この本のなかには、いわゆる「学校」に行かなくても
学ぶことはできる方法がたくさん書かれています。
これまでに書いていなかったその一つが、ホームスクールです。
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アメリカでは、1980年代に、
わが子に対する教育権は誰にあるのかという論争が起こりました。
国なのか、学校なのか、親なのか。
最高裁判所が出した結論は、親でした。
そこからホームスクールが市民権を得ました。
「学校に行かない = ホームスクール」という認識なので、
「不登校」という概念がありません。
インターネットの普及も追い風になりました。
アメリカ以外でも、現在、世界中の多くの国で、
ホームスクールが公教育として認められています。
日野公三さんは、1990年代からホームスクールに注目し、
2000年に日本ホームスクール支援協会を立ち上げました。
アメリカのホームスクール支援団体とも提携しています。
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ホームスクールについては、よくわからないので、
本を借りて読んでみようと思います。
「世界中の多くの国でホームスクールが公教育として認められています」
という言葉に、改めて、日本という国の、
日本の政治の不寛容、懐の浅さを改めて感じてしまいます。
先日読み終えた本があり、その内容からも、その不寛容さが、
日本人のあり方を歪めてしまっている、そう思えて仕方がありません。
選択的夫婦別姓というのがありますが、いまだに、認められていません。
正直信じがたい状況です。
夫婦すべて別姓にしなさいと言っているわけではなく、
別姓を選んでもいいよ、との選択肢を与えるだけなのです。
大多数は夫婦同姓を選ぶでしょうし、別姓がいい人たちは別姓を選べます。
何の不都合もないはずが、....。
頭が固すぎぎる人が、世に憚ってきたのですね。
ただホームスクールについては、
学校は、学力をつけるだけのところではないので、微妙です。
ずっと家にいて、多くの人と接する機会がないと、
それでいいのかという問題があります。
学校制度に「一条校」というのがあり、これが頑なに死守されています。
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「フリースクール」は「自由な学校」=「一条校ではない」
「オルタナティブスクール」はユニークな教育理念に基づく学校で、
不登校の子どもたちの受け皿になることを目的に作られているわけではないが、
一般的な学校に強く違和感を覚えた子どもたちもやってくる。
一般的な学校よりも小規模であったとしても、
しっかりとした教育理念に基づいて運営されている
オルタナティブスクールが正式な学校として認められて、
積極的に選択できるようになれば、データ上の「不登校」は減るはず。
「出席扱い」という言葉も死語になるはず。
不登校特例校とは、一条校の方と、
自由という意味でのフリースクールやオルタナティブスクールに近づける試み。
その成果が認められれば、一条校全体のあり方にも多様性が生まれる。
すると、学習指導要領や検定教科書が有名無実化していく。
そうすることで、入試制度が変わる。
みんなが同じように同じことを学んだ前提が崩れれば、
画一的な一問一答形式の出題がしにくくなる。
際限なく高得点を競うような試験が意味を持たなくなる。
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学校にも選択肢を与えてください!
選択する自由は認められているのに、
公のことに選択肢が与えれれていないのです。
これは不条理です。
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不登校特例校やフリースクールの事例からわかることは、
より多くの子どもたちにとって居心地の良い学校を目指すなら、
必要なのは足し算ではなく引き算の発想。
たとえば、義務養育の標準時間数を思いっきり削ってしまう、
授業は午前中のみ、給食を食べて掃除をしたら下校、
そうすれば現在の教師の過重労働問題もすみやかに解決に向かう。
1990年代後半には、実際に「学校のスリム化」が議論されたことがあった。
小渕内閣の7「21世紀日本の構想」懇談会報告書に
このような提言が盛り込まれていた。
(中略)
半面、学びの自由度を高めれば高めるほどが学力差がつくことが予測される。
家で勉強を見てもらうこともできず、
学校の勉強すらままならないような子のために、
放課後にしっかり個別指導を受けられる仕組みを整える。
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最近、多摩地区の中学校でも「学校内フリースクール」的なものが
試みられているようです。
しかし、成功例があるからといって、形だけ作ると、本来の意味を成しません。
広島県の取り組みは、ここに書きました。
【学びの散歩道】子どもたちの将来は大丈夫なのだろうか?(66) すべては子どものために - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』
それが私の知る地域では、教室にいたら邪魔になる生徒を送り込む場所、
落ちこぼれの場所となってしまっているような状況もあるようなのです。
一概にはなんとも言えません。
現場では、いろんなことが起こり、さまざまな対応が求められています。
きれいごとでは済まされない状況があるのは、
今の私にはよくわかるだけに、今の仕組みを守るために、
いろんな特例を設けることの限界を強く感じています。
伝統的な学校制度を変えようとせず、特例でしのごうとする姿勢を、
もうやめてもらえませんか!
一条校にとらわれない、誰もが学校をつくることができる仕組み、
当然、金儲けの学校はあってはいけませんが、
自分に合った学校を選択できる、
うまくいかなかったら替えることのできる選択肢が必要なのです。
イエナプランの学び以後、これはずっと言い続けてきていることです。
そういったことは、これまではできるはずもないとあきらめていましたが、
これからはできるかもしれません。
もうごまかしは通用しないし、
老害も一気にしぼんでいくのではないかと思えるからです。
写真に意味はありませんが、
リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、
手元にあった写真を適当に貼っています。