『10代のうちに知っておきたい折れない心の作り方』
(水島広子著 紀伊国屋書店)というタイトルですが、
ここに書かれていることは、大人にも通じることだと思います。
ただ、大人になってからでは対応が難しいので、
10代で、よく理解して行動してほしい、
そんな著者の思いが伝わります。
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嫌な感情の本来の効果である「結果として自分を守る」
ことができるようになるためには、練習が必要です。
一つは、自分が感じている「イヤな感情」きっかけが何だったかを、
はっきりさせることです。
「部活で疲れているのに、親が“勉強しろ”ばかり言うから」
「友だちと最近うまくいってないから」「将来について考えていたとき」など、
何がきっかけでイヤな感情が起こってきたかを考える習慣をつけるようにすると、
「自分を守るためにどうしたらよいか」がわかりやすくなります。
またモヤモヤとしてイヤな気持ちというところから、
「自分は怒っているんだな」「自分は不安なんだな」
ということに気づけるようになることも、とても役立ちます。
それがわかれば、それぞれの感情の役割に合わせて何をしたらよいか、
がわかるようになるでしょう。
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「イヤな感情」の原因の一つは、
近くに「怒っている人」がいるからでしょう。
それを冷静に見る必要があります。
この本の中で一貫して言われていることは、このことです。
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怒っている人というのは「困っている人」です。
「ムカつく」と思うときは、自分が何か困ったことになっているのです。
自分の非を認められると、人はさらに困ってしまいます。
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怒っている人に、いやな感情のままお付き合いをしてしまうと、
余計にイライラは募ります。
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生まれつきのものは絶対に変わらないわけではなく、
後天的な環境や努力などの影響を受けて変化していきますが、
がらりと変わることはほとんどなく、
もともと持って生まれた特徴はずっと残っていきます。
性格の中でも「好奇心が強い」とは「心配性」などは、
生まれつきかなりの程度が決まっていて、
「好奇心が強い人」を「好奇心が弱い人」に変えることは出来ませんし、
その逆もできません。では、自分にできることは何かというと、
「そんな自分をどうとらえるか」というとことです。
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これは、自分を許す、自分を認めるということなのでしょう。
しかし、日本人にとっては、そう簡単なことではないと思います。
そうなるような教育を受けてきたからです。
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日本では「登校できない」ことが問題視されますが、
アメリカでは「その子に合った教育が提供できていない」という見方をします。
Every child learns differently.
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日本の教育では、人と違うことは「よし」とはされません。
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日本人は、公を是とすることを前提として、物事を考える癖がある。
仕組みを提供している側が強く、個々人はそれに合わせていくこと、
合わせることができないと自分が悪いことになってします。
それは学校教育を経て培われてきたものだろう。
教育の考え方は、底上げ。
どんな科目でも、みんながある程度レベルにできるようにしようとする。
苦手の克服が優先される。
得意なことが、学校教育の範疇から外れていると、
それは押さえつけられてしまう。
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これが、日本の現状なんですね。
私は、目の前のことをしっかり丁寧にすることを大事にしている。
一方、目の前のことにとらわれてはいけないとも思うのです。
今回の本を含めて、たくさんの本を読んできたこと、
また、年齢を重ねて枯れてきたこと、などから、
- その場ででてきた感情にとらわれない。
- 客観的に見ることのできる自分を意識する。
- 自分がイライラしていること、怒っていることに気づく。
- 相手には、それをするわけがなにかあると考える。
こんなことが、実感としてできつつあるように思えます。
そんな私だからこそ、
子どもたちが、のびのび、イキイキ育ってほしい。
そう思って、日々子どもたちに接しています。