『世界7大教育法に学ぶ 才能あふれる子の育て方 最高の教科書』
(おおたとしまさ著 ポプラ社)で、引き続き学んでいきます。
「おわりに」に、こう書かれていました。
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才能をどのようにすれば、他人の役に立てることができるのか、
すなわち社会に還元できるのかを実践的に学ぶところが
「学校」なのだろうと思います。
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今の学校は、そうなっているのでしょうか?
そんな学校であれば、いじめ、不登校、自己肯定感・効力感の低さなどが、
これほど深刻にはなっていないはずです。
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「先行き不透明なこれからの時代を生きる子どもたちには、
どんな能力が求められますか?」
というような質問をよくされます。
私は毎回次のように答えます。
「そこそこの知力と体力。そして、やりきる力。
そこまであれば個体として生きる力は十分」。
でも、特に先行き不透明な時代には独りでは生きられない。
そこで必要になるのが、
自分にはない能力をもつひとたちとチームを組んで協働できる力。
つまり、そこそこの知力と体力。
さらに、やりきる力と自分にはない能力をもとひとたちと
チームを組んで協働できる力があれば、
どんな時代になっても生きていける」。
いわゆる「生きる力」と「生きるためのスキル」は違います。
「これからの時代には、英語ができなきゃ始まらない、
プログラミングもできなきゃ不利、プレゼンテーションが重要....」
などとよく言われますが、
これは所詮「生きるためのスキル」に過ぎません。
確かに時代によって必要なスキルは変わります。
でも、予測するのは不可能です。
先行き不透明な時代なのですから。
予測が不可能だからと、
「生きるためのスキル」をあれもこれも子どもたちに与えるのは、
使うかどうかわからないアプリを
スマホにやたらとインストールするようなものです。
いくらアプリをインストールしたって、
スマホそのものの性能が悪かったら、新時代では使い物になりません。
必要なのは、たくさんのアプリをインストールしておくことではなくて、
スマホそのものの性能を上げていくことです。
そうしておけば、来るときに必要な最新のアプリをさくっとダウンロードして
使いこなすことができるはずです。
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さらに続きます。
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「将来AIに仕事を奪われないためにはどんな教育が必要でしょうか?」
という質問もされます。
次のように答えます。
「どんな教育でもいいのですが、
肝心なのはいっしょに働きたいと思われるひとになることです」。
要するに、これからの学校教育の役割は、いや、本来の学校教育の役割とは、
みんなおなじように能力を高め、クラスの平均点を上げることではなく、
それぞれに個として能力を高め、自分の得意・不得意を自覚し、
社会のなかで自分をうまく活かせる場所を
みつける能力を養うことだと言えるのです。
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大人の役割とは、子どもに「生きるためのスキル」を与えるのではなく、
「生きる力」を備えられるように環境を整え、子どもを見守ることなんです。
写真には、特に意味はありませんが、
リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、
散歩中に撮ったものを適当に貼っています。