【学びの時間】「生きる力」を身につける教育② 先行き不透明な時代を生きるために

『世界7大教育法に学ぶ 才能あふれる子の育て方 最高の教科書』

(おおたとしまさ著 ポプラ社)で、引き続き学んでいきます。

 

「おわりに」に、こう書かれていました。

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才能をどのようにすれば、他人の役に立てることができるのか、

すなわち社会に還元できるのかを実践的に学ぶところが

「学校」なのだろうと思います。

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今の学校は、そうなっているのでしょうか?

そんな学校であれば、いじめ、不登校、自己肯定感・効力感の低さなどが、

これほど深刻にはなっていないはずです。

 

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「先行き不透明なこれからの時代を生きる子どもたちには、

どんな能力が求められますか?」

というような質問をよくされます。

私は毎回次のように答えます。

 

「そこそこの知力と体力。そして、やりきる力。

そこまであれば個体として生きる力は十分」。

でも、特に先行き不透明な時代には独りでは生きられない。

そこで必要になるのが、

自分にはない能力をもつひとたちとチームを組んで協働できる力。

つまり、そこそこの知力と体力。

さらに、やりきる力と自分にはない能力をもとひとたちと

チームを組んで協働できる力があれば、

どんな時代になっても生きていける」。

 

いわゆる「生きる力」と「生きるためのスキル」は違います。

「これからの時代には、英語ができなきゃ始まらない、

プログラミングもできなきゃ不利、プレゼンテーションが重要....」

などとよく言われますが、

これは所詮「生きるためのスキル」に過ぎません。

確かに時代によって必要なスキルは変わります。

でも、予測するのは不可能です。

先行き不透明な時代なのですから。

 

予測が不可能だからと、

「生きるためのスキル」をあれもこれも子どもたちに与えるのは、

使うかどうかわからないアプリを

スマホにやたらとインストールするようなものです。

いくらアプリをインストールしたって、

スマホそのものの性能が悪かったら、新時代では使い物になりません。

必要なのは、たくさんのアプリをインストールしておくことではなくて、

スマホそのものの性能を上げていくことです。

そうしておけば、来るときに必要な最新のアプリをさくっとダウンロードして

使いこなすことができるはずです。

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さらに続きます。

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「将来AIに仕事を奪われないためにはどんな教育が必要でしょうか?」

という質問もされます。

次のように答えます。

 

「どんな教育でもいいのですが、

肝心なのはいっしょに働きたいと思われるひとになることです」。

要するに、これからの学校教育の役割は、いや、本来の学校教育の役割とは、

みんなおなじように能力を高め、クラスの平均点を上げることではなく、

それぞれに個として能力を高め、自分の得意・不得意を自覚し、

社会のなかで自分をうまく活かせる場所を

みつける能力を養うことだと言えるのです。

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大人の役割とは、子どもに「生きるためのスキル」を与えるのではなく、

「生きる力」を備えられるように環境を整え、子どもを見守ることなんです。

 

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写真には、特に意味はありませんが、

リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、

散歩中に撮ったものを適当に貼っています。