ボランティアの原点は?

『ボランティアの一番大事なこと』の続きでは、自分の想いを書きたい。

 

『あなたの夢は何ですか? 私の夢は大人になるまで生きることです』

の著者、池間哲郎さんは、

「一番大事なボランティアは、自分自身が一生懸命に生きることなのです」

と言われている。

 

この言葉を見ると、その通りだと思う一方、

それがそう簡単にはできないのが、現代であり、今であるのではないか、

そう思えてしかたがない。

 

子どもたちは、自分の置かれたさまざまな環境や境遇の中で、

一人残らず一生懸命に生きていると、私は思っている。

しかし、それがわかってあげられない、わかろうとしない、

いま、大人の論理で作られた虚構・社会問題がある。

大人のおかしな価値観や思い込みで、

子どもの一生懸命生きている姿を認めてあげられない、

子どもの気持ちを察してあげられない状況がある。

 

いまの大人も子どもだった。

そのまた親も、かつては子どもだった。

どうもその頃から、社会はおかしな方向に向かってきたのではないだろうか。

そして、どう見てもおかしなことがまかり通ってきた。

しかし、このコロナ禍で、

それらが人の目の前にさらけ出されるようになっている。

貧困、差別、格差は他人ごとではないことに多くの人が気づき始めた。

 

人間は一人では生きていけない。

自分ひとりでできることは限られているけど、

すべてが根底でつながりあっている。

そのことを、多くの人が実感しつつある。

 

自分がおかしくなればまわりもおかしくなる、

自分が元気になればまわりも元気になる、

そのことに一人でも多くの人が気づいてほしい。

 

ここで思い浮かぶのが、テラ・ルネッサンスの鬼丸昌也さんのこの言葉。

「僕たちは微力だけど無力じゃない」

 

世の中で今起こっていることを知ること、関心を向けること、

それを悲嘆に暮れて感情的に見るのではなく、

事実を事実としてとらえること、

それが、自分自身が前を向いて生きることにつながる。

 

コロナ禍で、職を失って困窮している人を救うことはできないとしても、

医療現場で懸命に頑張って疲労困憊している人の支援はできないにしても、

自分自身がコロナウイルスに感染しない、

自分自身がコロナウイルスを広げない、

それができるだけで大きな意味がある。

 

私が一番大事なボランティアだと思うことは、

自分が一生懸命に生きるということよりも、

自分にやさしくあるということだと思う。

 

私は、Satoshiという名前で、Sから始まる。

海外で仕事をするにあたって、ニックネームが必要だった。

たまたま、Solutionの仕事をしていた。

それで、Solというニックネームをいただいた。

Solはラテン語(スペイン語)の太陽だった。

ステキなニックネームだと思う。

 

ドリームマップで小中学校に行って授業をするとき、

一日一緒に夢を描くパートナーとして、

先生ではなくニックネームで呼んでもらうことになっている。

毎回、自己紹介で、この写真の紙を見せて自己紹介をする。

そこで必ず言うのは、

「太陽のような人ってどんな人?」

「それは自分にやさしい人、

 自分にやさしくできるから人にもやさしくできる」

 

自分にやさしいと、自分が満たされていると感じる。

自分が満たされると、人の気持ちも聴いてあげることができる。

それが、一番のボランティア!

 

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