
『自己肯定感は高くないとダメなのか』(榎本博明著 ちくまプリマー新書)
からは、たくさんのメモを取りました。
このブログを「自己肯定感」で比較すると、32個がヒットします。
ドリームマップで何度も小中学校に行って、
子どもたちと接した経験から感じることが多かったこともありますが、
「自己肯定感」という言葉を、あまり深く考えず安易に使ってきた気がします。
ここで、この言葉について、この中で考えていきます。
冒頭に書かれているのはこの言葉です。
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自分に自信が持てないというのは、けっして珍しいことではない。
それなのに、自己肯定感を高めるように言われることで、
「やっぱり自己肯定感の低い自分はダメなんだ」
とますます自信を無くすものも出てくる。
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最近、これも問題、あれも問題、だから、こうしないといけない、
そういうことが世の中で起こっていて、
よかれと思って、あれもやろう、これもやらねばと、
右往左往している状況がどうもありそうです。
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ちょっと古いデータだが、小学5年生、中学1年生、中学3年生それぞれに、
自分に満足しているかどうか、自分が好きかどうかを尋ねる調査が、
心理学者の遠藤毅によって行われている。
その結果を見ると、「自分に満足」という比率は、
小学5年生では57.5%、中学1年生では30.0%と半分くらいに低下し、
中学3年生では20.5%とさらに低下している。
「自分が好き」という比率も、小学5年生では54.8%、
中学1年生では45.0%と低下し、
中学3年生になると32.5%とさらに低下している。
ここで注目すべきは、児童期には多くの子が自己肯定しているのに、
思春期になると自己肯定する子が一気に少なくなるという傾向だ。
このような傾向は、小学校高学年から中学校高学年にかけて、
次第にダメになっていくことを意味しているわけではない。
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これは、私もドリームマップの体験で感じていることです。
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これには、児童期から思春期にかけて認知能力が発達し、
抽象的思考ができるようになることで、
「こうありたい」「こんな自分になりたい」
という理想の事故を高く掲げるようになり、
それとの比較で、現実の自分を厳しい目で見るようになる。
自分自身に対して批判的なまなざしを向けるようになるため、
自分に対する満足度が低下し、
自分が嫌いという比率も高まることになるのだ。
このように考えると、自分に満足できないというのは、
けっしてダメなわけではなく、
むしろ成熟のしるしといった面があることがわかるだろう。
自分に満足できないことが、
世間で言う自己肯定感の低さにつながっているのだとしたら、
それはべつに気に病むようなことではない。
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これはその通りだと思います。
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自分の現状に納得できず、「何とかしなければ」ともがき苦しみながら、
自分の道を見つけ、軌道修正する。
しばらくすると、「何か違う」と違和感に苛まれるようになり、
改めてもがき苦しみながら、何とか自分の道を見つけ、軌道修正する。
そうしたことの繰り返しが、自分の人生を歩むということだと思うが、
思春期・青年期はとくのそうした自己形成の営みが盛んな時期と言える。
自分の現状をそのまま受け入れ肯定することで、
うわべだけの自己肯定感を維持しようとしても、
ほんとうの自己肯定感は手に入らないだろう。
そのような意味でも、
安易に自己肯定を促す今の教育環境は好ましくないと言わざるを得ない。
このように考えてみると、このところのほめまくりの教育、
自己肯定を促すばっかりの教育は、
非常に大きな問題を学んでいることがわかるはずだ。
いくらほめて、よい気分にさせ、「自分はこれでいいんだ」といった思いに導き、
うわべだけの自己肯定感を取り繕ったとしても、
そんなことで本当の自己肯定感は育まれない。
やたらほめまくり、自己肯定を促すばかりの教育環境は、
自分の現状に疑問を抱き、ときに現状を否定し、
今の自分を乗り越えていこうともがき苦しむ機会から、
若者たちを遠ざけていることになる。
それは成長の機会を奪っていることに等しい。
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自己肯定感が低いから高めようということ、
その手段の「ほめて育てる」という世の中の風潮が、
子どもたちの大切なものを奪っている可能性があるようです。
それはその通りだと思いますが、
日本の若者たちの自己肯定感が低いということに慌てて、
なんとかしなければと、いろんな手法が出てきて、
それに従わないといけないのでは、という不安をあおる世の中にこそ、
問題があると私は思います。
少なくとも、私が子どもの頃に比べて、
いまの子どもたちの自己肯定感は低いのではないかと感じます、
いまの社会のあり方が、子どもたちの自己肯定感を下げる方向に向かってきた、
ということかもしれません。
つづく