Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』

「ここいまタウン」への歩み

【学びの散歩道】子どもたちの将来は大丈夫なのだろうか?(118) 自己肯定感について② 国際比較のポイント

『自己肯定感は高くないとダメなのか』(榎本博明著 ちくまプリマー新書)

から引き続き学びます。

 

「自分に満足」かどうかについての国際データ比較で、

日本の若者は、著しく低いということが言われています。

このブログにも何度か書いています。

 

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どの国の比較データでも「自分に満足」という比率は、

欧米の若者では非常に高く、日本の若者では著しく低い。

そうしたデータの意味するものは、自己肯定感そのものの違いではなく、

自分を大きく見せるために過大評価する心理傾向があるか、

謙虚さゆえに自分を厳しい目で見つめる心理傾向があるか,

といった文化的背景の違いである。

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日本の若者の自己肯定感の低さと捉えられる回答の傾向は、

文化的背景に根差した育てられ方の違いによるもの、というのはわかります。

 

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アメリカの大人は、「自分の権威」を振りかざして,

人を思うように動かそうとする傾向がある。

 

心理学者の東洋(あずまひろし)たちが行った

日米母子比較研究の研究結果をみても、

子どもが言うことを聞かないときの親の対応の仕方における日米の対称性が

よく表れている。

たとえば、食事をちゃんと食べないとき、

アメリカの場合、親として権威に訴えて、

「食べないとダメでしょ」「言うことを聞きなさい」などと、

理由はわからなくても、

とにかく親の言うとおりにさせようとする母親が50%と圧倒的に多かった。

そのように親としての権威に訴えて、

有無を言わさず子どもを従わせるという母親は、日本では16%しかいなかった。

 

日本で37%と最も多かったのは、

「ちゃんと食べないと大きくなれないよ」

「野菜を食べないと病気になって遊べなくなるよ」

などと、言うことを聞かないと、

どういう望ましくないことがあるかを理解させようとする母親だった。

アメリカでは、このような母親は23%と、権威に訴える母親の半分以下だった。

日本では、その他に「せっかくつくったのに、お母さん悲しいな」などと、

相手の気持ちに目を向けさせようとする母親も22%いたが、

アメリカでは、そのような母親はわずか7%しかいなかった。

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権威のもとで育てられれば、権威的になる、

思いやりに満ちた育てられ方を受ければ、

自己主張をするより、人を思いやり、謙虚な方向に行くでしょう。

 

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アメリカに限らず欧米に留学した学生たちの多くは、向こうの学生たちが、

よく言えば堂々としている、悪く言えば偉そうにしており、

自分の意見をあくまでも通そうとするのに圧倒されたという。

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私自身は、海外での仕事が多く、

自分自身が、日本人としては自己主張が強い方だったので、

欧米人と働く方が、心地よいと感じていました。

私が接してきた欧米人は、

一定レベル以上のビジネスマンであったこともあるのでしょう、

教養もあり、自己コントロール力も、

人を思いやる力も持っていた人たちでした。

一方、自分の考えや想いは、しっかり主張するので、

私も、自分の考えや想いを話していたと思います。

日本人同士で話をすると、

何だか変なしがらみがあってやりにくかったのですが、

海外では、素直に自分を出せたと思います。

 

なぜかというと、日本では、意見の否定は人格の否定になってしまいがちです。

私が経験した欧米では、意見は意見、人格とは違っていたと思います。

だから、会議をしても、活発な意見のやりとりがあります。

それは、お互いをリスペクトするという基本のベース上で、

意見を主張し合っていたからだろうと思います。

 

私の長い国際経験からは、

向こうの人が「偉そう」とか「自分の意見をあくまでも通そう」

という感覚はありません。

そう日本人が感じるのは、自分の想いを自分自身がわかっていない、

自分の意見を持っていない、持っていたとしても、

語学力も含めてそれをうまく表現できない、遠慮してしまう、

そういったことがあるからではないかと、私は感じます。

話がそれましたが、この本には、

「欧米人は自己主張が強く(横柄?)で、日本人は謙虚である」

と感じられる部分があったので、あえて書いています。

 

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欧米は、自信たっぷりに振舞わないといけないから、

「いまの自分に満足している」とほとんどの若者が答える。

日本では謙虚に振舞わないといけないから、

「今の自分に満足している」と答える若者が半分もいない。

それぞれの回答傾向は、属する文化に適応的な心のあらわれとみなすべきだろう。

国立青少年教育振興機構は2015年に

「高校生の生活と意識に関する調査」を実施している。

その報告書をみると「私は、勉強が得な方だ」という項目を肯定する者は、

アメリカの高校生では66.6%なのに対して、日本の高校までは23.4%にすぎない。

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しかし、実際には、日本人のほうが学力は高いという結果が出ています。

 

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OECDが3年ごとに調査している学力の国際比較調査

「生徒の学習到達速度調査(PISA)で、

毎回、日本のほうが学力が毎回高いことが報告されている。

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心理学者の山口勧たちのIAT(潜在的連合テスト)という手法の研究結果

日本人とアメリカ人の自尊感情に差は見られないと報告されている。

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国際データ比較で、日本の若者の自己肯定感は著しく低いとしても、

それだけで、なんとか自己肯定感を上げなくちゃ、というのは、

あまりにも短絡的な思考だと思います。

 

つづく

 



写真に意味はありませんが、

リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、

手元にあった写真を適当に貼っています。