ほめる教育というのは、いつごろから始まったのでしょうか。
そういえば、かつて、
運動会の徒競走で順位をつけないということが行われていて、
なんということをするんだ!と思っていたことがあります。
ここ(同じ著者の本に関する記事)に、そのことも含めて書かれています。
「ほめて育てる」「叱らない子育て」の流行が恐ろしすぎるワケ | ゴールドオンライン
ほめる教育というのは、決して悪くないはずですが、
問題なのは、失敗させないようにお膳立てをするということです。
『自己肯定感は高くないとダメなのか』(榎本博明著 ちくまプリマー新書)
からの続きです。
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ほめる教育・ほめる子育てで自己肯定感は高まるか?
日本青少年研究所「高校生の意識調査」
- 「自分はダメな人間だ」: よくあてはまるが、1980年 12.9%、2014年 25.5%、まあそう思うを含めると 2014年 72.5%
- 2017年の同調査:「私は価値ある人間だと思う」 44.9%、「落ち込む」54.8%、 「ものごとに集中できない」45.6%、「なんとなくいらいらする」45.4%
心理学者 小塩真司ほかの調査
(ローゼンバーグの自尊感情尺度を用いた過去の論文を集めて調査)
- 1980年~2013年の年次変化を見ると、時代とともに、中高生と大学生で低下、高齢者は変化なし。
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結局、ほめて育てても、自己肯定感はずっと下がってきているようです。
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いくらほめられて育てられ、一時的に良い気分にさせられてもらえたところで、
なかなか日常的にポジティブな気持ちになれない。
このように気分が不安定で自分に価値を感じられない状態で、
自己肯定感が高まるとは思えない。
ほめて育てるという風潮の中で育った若者の自己肯定感は、
高まるどころか反対に低下していることがわかる。
これは、ちょっとした注意や叱責に傷つきやすかったり、
思い通りにならない状態で心が折れやすかったりする若者が増えている。
という、多くの人が抱いている日ごろの印象と一致する結果といってよいだろう。
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何事にもムカつく若者は、何事にも傷つきやすく、
そして、「心が折れやすい」ようです。
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なぜほめても自己肯定感は高まらないのか?
① ほめられることで守りの姿勢に入り、気持ちが萎縮することがある。
心理学者 ミューラーとドゥエックの実験でわかったこと。
- 「頭のよさ=能力」をほめられると、自分の能力の高さに対する期待を裏切りたくないといった思いに縛られ、もし期待を裏切ったらどうしようという不安に駆られて、確実に解けるようなやさしい課題を選ぼうとする。つまり、守りの姿勢に入り、チャレンジがしにくくなる。
- 「頑張り=努力」をほめられると、自分は努力する人間だという期待を裏切りたくないといった思いに駆られ、つぎも頑張っている姿勢を見せなくてはということで、難しい方の課題を選ぼうとする。つまり積極的にチャレンジしやすくなる。
② たいしたことをしていないのにほめられると、自分が軽く見られている、
たいして期待されていないと感じ、かえって自信がなくなることがある。
③ ほめ方に操作性を感じると逆効果で、
自己肯定感にはつながりにくいということがある。
④ ほめる教育・ほめる子育てによって、
つねにポジティブな気分にさらされていると、ネガティブな状況に耐える力、
いわゆるレジリエンスが鍛えられないということがある。
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①は、ほめ方の問題です。
ほめるより、認めることが大事です。
それは、結果にフォーカスするのではなく、
プロセスを認めるということなのです。
「ほめる」より「認める」方が子どもは伸びる理由 ほめるから認めるに変換するポイント5つ紹介 | 子育て | 東洋経済オンライン
日本人って、とてもおかしな人たちだと私は思います。
アメリカ人は、正直、私には訳が分かりません。
人それぞれですが、一般的には合理的と言えるでしょう.。
一方、ヨーロッパには伝統があり、人々は確固たるものを持っています。
ヨーロッパの街並みが美しいのは、
そういう確固たるものを大切にしているからでしょう。
一方、日本は、これだけの伝統を持ちながら、とても優柔不断に思えます。
文化的背景があるので、いい悪いではありませんが、
これまで信じてきたことを、あっさり忘れて、
目新しいものが出ると、これがいいんだ!
と思い込んでしまう傾向があるように思えます。
「ほめて育てる」、これは決して悪いことではありません。
でも、「ほめて育てる」がいいんだということが、
なぜか「叱ることはダメなこと」、そう置き換えられてしまってきた結果が、
ムカつき、傷つきやすく、
心が折れやすい若者を生んでしまったのではないでしょうか。
つづく

写真に意味はありませんが、
リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、
手元にあった写真を適当に貼っています。