この本にはこう書かれています。
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「今日よりも明日がよくならない」と思う時、
人は「今が幸せ」と答えるのである。
これで高度成長期やバブル期に、
若者の生活満足度が低かった理由が説明できる。
彼らは「今日よりも明日がよくなる」と信じることができた。
自分の生活もどんどんよくなっていくという希望があった。
だからこそ、「今は不幸」だけど、
いつか幸せになるという「希望」を持つことができた。
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しかし、もはや今の若者は、
素朴に「今日より明日がよくなる」とは信じることができない。
自分たちの目の前に広がるのは、ただの「終わりなき日常」だ。
だからこそ、「今は幸せだ」と言うことができる。
つまり、人は将来に「希望」をなくした時、
「幸せ」になることができるのだ。
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古市憲寿さんについては、先日も書いています。
【学びの時間】不可思議な昨今の日本の状況② 諦めからの満足感 - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
これを見るかぎりにおいて、幸せ調査にもとづいているとはいえ、
- 若者は、今の状態に「満足」しているかもしれないが、「幸せ」だと感じているのだろうか?
- それは「幸せ」ではないし、また「満足」でもあるのかな?
と思えます。
古い人間でそこそこやってきた私のような人間としては、
それは「甘んじてしまっている」と感じられるのも正直なところです。
かつての若者は、その後、歳を重ねて「幸せ」になったのでしょうか?
そうではないからこそ、いまの若者の閉塞感があるのではないでしょうか。
今の状態を生み出したのは、他ならぬ私たちの責任でもあるのです。
うちにも、若者のひとりがいます。
その息子と、昨晩、「くら寿司」で食事をしてきました。
普段は家で一緒に食事をし、一日おきに食事当番も交代でやっています。
この週末は、奥さん(母)が、孫のいる娘のところに呼ばれていったので
魚嫌いのいぬ間に、寿司を食べに行ったという次第です。
彼は幸せかどうかわかりませんが、
住むところがあって、腹いっぱい食べられて、好きなことができる、
それは満足しているのではないかと思います。
節目の2022年8月の記録⑦ 親子の人生の節目を感じる8月 - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
そんな彼は、1年半以上家でごろごろしていましたが、
数か月待ってなんとかKaienにお世話になることができました。
今週月曜から毎日「就労支援」のコースに通っています。
今、好ましくないいろんなことが起こっていて、
政府や政治家の勝手なふるまいには、
怒りを通り越した諦めに似た感覚しかないですが、
世間一般のこの世の中、そこここに「希望」があると感じています。
発達支援の若者に関しては、Kaienのようなところがいくつもあります。
行政の仕組みも、実際に接して分かったのですが捨てたものではありません。
いろんなところに、想いを持った人たちが活動しています。
私も、その一員だと思っています。