Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』

「ここいまタウン」への歩み

味わいことばノート 176 死ぬまで命は続く

『人生で起こること すべて良きこと』(田坂広志著 PHP文庫)より

 

夜の廊下を歩いて、部屋に入り、禅師と二人だけになりました。

「どうなさった」

その声の響きに、

思わず堰を切ったように、私の抱えている病について語りました。

病が重いこと、医者から見放されたこと、もう長くはないこと、....、

切々と語りました。

そして、禅師の言葉を待つ一瞬。

 

しかし、禅師が語った言葉は、励ましの言葉でもなく、

癒しの言葉でもなく、耳を疑うような言葉でした。

しかし、それは、生涯忘れることのない言葉でした。

 

「そうか、もう命は長くないか...。

だがな、一つだけ言っておく。

人間、死ぬまで命はあるんだよ!」

 

(中略)

 

過去は無い。

未来も無い。

有るのは、永遠に続く、いま、だけだ。

いまを生きよ!

いまを生き切れ!

 

(中略)

 

その日から、私の生きる覚悟が定まりました。

こう思い定めたからです。

 

「ああ、この病で、明日死のうが、明後日死のうが、構わない。

それが、天の与える寿命であるならば、仕方ない。

しかし、この病のために、「いま」を失うことはしない。

病を悔いることに、時間を使うことはしない。

病を憂うことに、時間を使うことはしない。

いまを生きよう!

いまを生き切ろう!」