
最近、さまざまなニュースを観て思うのは、
日本は、何でここまで人に冷たい国になってしまったのかということです。
その一方で、私の知る範囲や人とのつながりの中で、
そんなことを感じたことはありません。
それは、なぜかと考えてみると、好きな言葉ではないですが、
私がいわゆる勝ち組だからです。
学歴もあり、大企業に勤め、家庭も持ち、
かつ、定年退職後も、夢をもちつながりを持っているからでしょう。
でも、世の中、そんなもんじゃなさそうなんです。
『人生は生い立ちが8割』(ヒオカ著 集英社新書)から引用します。
著者は、貧困を生きてきた人です。
『死にそうだけど生きてます』著者、ヒオカさんインタビュー。「『この生い立ちは君の強みだ』と言ってもらえます」 | カルチャー | クロワッサン オンライン
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生い立ちによって選択肢が限られることに、
この社会は、鈍感になりすぎていると思う。
しかし、おかしいと言えば、たちまち
「贅沢だ」「わがままを言うな」「仕方がない」「我慢して受け入れろ」
と非難される。
苦しい生い立ち、
環境の中でも自分の運命を受け入れて立派に生きている人だっているのだからと。
でも、おかしなものはおかしい。
誰だって望めばある程度の機会は得られる社会のほうがいいに決まっている。
貧困層が夢をもつことさえ、この世は贅沢だという。
貧困なんだら、やりたいことではなく、
やりたくなくても安定的で誠実な仕事に就きなさい、と。
その意見はきっと、ある意味では正しい。
でも、職業選択の自由は、
生い立ち如何によって歪められてはならないはずのものではないか。
「選ばない」のと、「選べない」のとでは、天と地ほどの違いがある。
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私自身は「選ぶ」ことができてきました。
しかし、世の中には「選べない」人が少なからずいることは、
ニュース記事やこういった本を読んで、知っている状態に過ぎません。
そんな私ですが、「選べない」人を非難する気持ちにはなりません。
しかし、世の中には、何も知らずに、
貧困者を蔑む人がたくさんいるようなのです。
そういう社会になってしまった現実があります。
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この何十年で日本は政策上の失敗もいっぱいあったんですけど、
企業のほうも人に投資しなくなってしまったというのが、
すごく大きなマイナスだと思います。
人件費というのをコストとしてしか見なくなってしまったので、
非正規という問題が出てしまったんです。
結果、人への投資が進まないから生産性も上がらないし、
新しい産業も育たない。
もう何十年も、
経済成長率が実質的にゼロみたいな状況が続いているなと感じますね。
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非正規雇用というのを生んでしまった日本は、
弱者に「冷たい国」といえるのではないでしょうか。
弱者は、罪悪にも相当するくらい蔑まれなければいけないのでしょうか。
ネット社会が、それを加速しているともいえます。
わけわかっていない人が、匿名でなんでも言えるシステムです。
同じ仕事をしていても、正社員と非正規では、
雲泥の賃金と待遇の違いがあります。
これ、おかしくないですか。
それがずっと放置されているのです。
たぶん企業の要請に乗って政治が動き、
嬉々として企業が採用したシステムでしょう。
企業ならまだしも、
自治体など公共事業が率先してやっているのがおかしな話です。
自治体の非正規職員、6%増の74万人 財政難で正規増えず 低賃金で雇い止めも - 産経ニュース
人を、人件費(コスト)としかとらえない社会があります。
「冷たい」とは、「人の尊厳が軽んじられている」ともいえます。
つづく