『ケータイを持ったサル』(正高信男著 中公新書)に、
アメリカと日本の社会性発達の違いが書かれていました。
その内容をまとめるとこうなります。
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アメリカ
- 子どもが自ら意思を表明し、あるいは自分の欲求と他人の折り合いをつけようとすることに対し、大人は寛容である。
- 子どもは、自分の好みを言うべきであり、他者の好みに無条件に従うのはよいことではない、と教え込まれる。
- 生後2年を過ぎると親からの命令に「ノー」というような反抗が急増する。
日本
- 共感、服従、他者への期待に副うことにしつけの条件が置かれる。
- 自分の意思をあからさまにするより、他者がそれを察するように仕向ける依存的態度の形成が促される。
- 3~6歳の子どもは、アメリカと比べて、親への要求、反抗の頻度が少ない。
「大事にしなさい」と言われる言葉
- 日本: 思いやり すなお
- アメリカ: 自尊心を持つ 正義
育児関係の書物の言葉
- 日本: 「他人の気持ちがわかる子になろう(育てよう)」
- アメリカ: 「自分の意志を持つ子になろう(育てよう)」
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共感はよいとしても、服従という言葉が気になります。
「子どもは何もわからないのだから、親や大人には逆らってはいけない」
と言われ続けたらどうなるでしょう?
この「口答え」という言葉が、高圧的です。
子どもを一人の人間としてみていませんね。
私は、「しつけ」という言葉が好きではありません。
「しつけ」と言われているほとんどが「おしつけ」だからです。
「思いやり」はいいとしても、「すなお」がとても気になります。
辞書で調べてみると、
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素直
- 飾り気がなくありのままであるさま。素朴。質朴。
- 心の正しいさま。ねじけた心、腹黒い心などを持っていないさま。正直。
- 心や気だてが他に逆らわないで、おだやかなさま。ひねくれたところのないさま。従順。
- とどこおりのないさま。物事が抵抗なくすんなりいくさま。また、平穏無事なさま。
- 形状がまっすぐであるさま。曲がったりゆがんだりしていないさま。
- 技芸などに癖がなくて正しいさ
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最初の2つの「素朴」「正直」が本来の意味だと思います。
しかし、「素直」は「柔順」というより「従順」というイメージがします。
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従順
- (━する) 人の言うことやきまりなどに素直に従うこと。
- 性格や態度がおだやかで、人に逆らわないこと。すなおなこと。また、そのさま。柔順。
- (━する) 順序を狂わせないで正しく従うこと。また、そのさま。
柔順
- 性格、態度がおとなしくてすなおなこと。ものやわらかで逆らわないこと。また、そのさま。
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日本とアメリカの育て方のどちらがいいというものでもないと思います。
どちらも行き過ぎると、歪みを生むと思います。
日本の子どもたちの自己肯定感が低いことはよく言われます。
そのなれの果ての、大人も同じように見えます。
それは、「おしつけ」の生育環境に原因があると思われます。
そこには、行き過ぎた何かがあるからなのでしょう。
行き過ぎるとどうなるのでしょう。
【学びの時間】いい子じゃなきゃダメ? - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
こうなってしまうのかもしれません。
毎回同じことを書いているように思えますが、結局は、
その子のよさを認めてあげることが、いちばん大事です。
内発的に何かをやってみようと動けるようにしてあげることが大事なんです。
子育ても、ビジネスも、けっよくは同じことなのではないでしょうか。
マイクロマネジメントするのではなく、
信じて任せてみるという寛容さが大事です。
いわゆる「やってみなはれ」の環境です。
多くの大人は、子どもが「すなお」だと、ほめる傾向があると思います。
私は、「すなお」な子を見ると心配でしかたがありません。
親も「すなお」だと安心してはいけないと思います。
「思いやり」というのは、
自分自身が「思いやられている」と感じられるからできることで、
自分を押し殺してまでの「すなお」さで、
つらい思いをしながらするものではないでしょう。
やはり、子どもたちを一人の人間として、
未来豊かな人間として、見ることが何よりも大事なことだと思います。
表面上のもので判断するのではなく、
見えていない内面で何が起きているのかを感じることです。
どうしたらできるのでしょうか?
関心をもって見続けていくこと以外にはないと思われます。
写真に意味はありませんが、
リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、
散歩中に撮った写真を適当に貼っています。