レシピとは、誰かが成功した料理の方法。
昨日参加した “酵母と対話する” 天然酵母でつくる手ごねパン教室&おはなし会 の講師でご縁の杜のシェフでもある、深澤早苗さんの言葉です。
素材も違う、作る環境も違う、味の好みも違う、いろんなものが違うので、その通り作ったとしても、おいしいかどうかはわかりませんね。
私も含めて、世の中には、量るというのが面倒だという人も多いでしょう。
よくわからないのですが、パンを焼こうとすると、きっちりした計量や温度・時間管理が必要だと聞きます。それをするためには、いろんな道具をそろえなければいけないようです。
料理を作るときに、小さじ・大さじというだけで、面倒だなと思う私には、決してパンは焼けないと思います。そんな私でも、11月に初めてこの会に参加して、パン作りの概念が変わり、パンを焼くのが楽しみになりました。
使う素材は、小麦粉、水、砂糖、塩と天然酵母だけ。使う道具も、ボウル、ビニール袋、生地を切るへらとオーブン(フライパンでもできる)だけなんです。
頭で考えるのではなく、酵母や素材に聞いて、砂糖や塩、酵母を入れる量を決めるのです。
常温でそのまま発酵させるし、時間もパン生地に、”いつ焼くからね” と語りかけておけば、ちゃんとそのようになってくれます。
深澤早苗さん曰く、
「素材は、本当にやさしいんです。お願いはよく訊いてくれるし、私の性格もよくわかって、それに合わせてくれるんですよ。」
焼く温度は、190℃くらいで、時間は見て判断します。
パンの外だけでなく、中も見るのです。それは心の目で見るのです。
同じパンでも毎日味が違うパン屋があってもいいし、あったら楽しいと思いますが、普通は、売り物にする場合、いつでも同じ高品質が求められています。それが、あたりまえだと思い込んできました。
しかし、自分のために作るときには、失敗してもいいんですよね。失敗しても、自分で作ったので納得できるし、それはそれでまた悪くないんですね。家族にはちょっと迷惑だと思われるかもしれませんが。
早苗さんは、お米も量らないのです。
彼女にとって、何合炊くかが目的ではなくて、どのくらい食べるためにご飯を炊くかが大事なので、お米を必要だと思われる分だけ研ぐのだそうです。だから、水は感覚で入れます。水って、新米とか古米でも違うので、どれくらい必要かはお米に聞くほかないですね。
もし、やわらかすぎても硬すぎても、それはそれでおいしくいただけます。
できないと思うのではなく、やってみることが大切だよ、ということを何度も言われていました。そうやって経験していくと、失敗しなくなるし、素材の声も聞くことができるようになるのです。
昨日の降りてきたテーマが、写真にもあるように、
”ハートをひらいて、大きく手をひろげる、心呼吸できるパンを作る!”
そうすると、
”エネルギーパン = 心をひらいて、体があたたかく、豊かに満ちていくパン”
ができるのです。
本当にそんな元気でおいしいパンができました。
みんなで作るパン、それだけで楽しいですね。
作っているときに、なにも量(測)ったり、どうしようか考えたりしないので、左脳は止まっています。素材に聞いて、その通りにつくるのです。私にはまだ、素材の声は聞こえてこないので、直観とそのときの感覚で作ります。
このようにパンや料理を作る、それは、瞑想に近い時間を持つとも言えます。
このようなやり方でパンを作る、料理を作る。これは、生きることといってもいいでしょう。
現代社会は、効率や、何ごともコストカットが求められるので、コストや生産性を上げるために、いろんな努力がなされて、そのおかげで、私たちは、本来の自然のものや手作りでつくるものとは違うものを、買って食べているわけです。
そして、そのために働いている人たちは、すべてのものに追いまくられています。
どこかで時間をとって、こんな豊かな時間を持つことの大切さを、今回も思いました。
ちなみに、早苗さんは、ビーガン料理のシェフです。厨房には、肉も魚もなく、厨房独特のにおいがしません。同じ場所で、酵母菌も扱い、麹菌や納豆菌も扱うのです。それらが邪魔しあうことなく、共存しています。
世の中で言われている常識、こうでなきゃとか、これやっちゃダメというのが、ここでは通用しません。それは写真にもあるように、私たちの一番外側は宇宙とつながっていて、その自然界で私たちや様々な菌は共存している、それがここに現実としてあるからだと思います。
幸せの栖の健康を作る部屋も、何かこんな感じでできればいいなと思っています。
酵母と対話するパンつくりのSOL Cafeで、何人か集まって特別セッションをお願いできるといいかなと思ったりもしています