
このブログを書くにあたって、元旦に書いたブログを読み返しました。
【学びの時間】2025年 乙・巳・二黒土星の年 - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』
ある意味、いまは、根強い抵抗勢力の最後の「あがき」によって、
新しい時代への芽が、生みの苦しみを味わっているときだと思います。
『希望格差社会 それから』(山田昌弘著 東洋経済新報社)には、
その抵抗勢力が必死に守ろうとしている価値観や社会の仕組みと、
現状とのずれが浮き彫りにされています。
------------------------------------------
経済停滞と経済格差社会は、
男女共同参画の停滞と相まって、未婚化、少子化に直結する。
日本では、男性が家計を支えるという意識が、いまだに強く残っている。
それも女性が活躍する環境が整っていないことの一因でもある。
女性が収入を求める道が狭いとなれば、
結婚後、男性の収入に頼らざるを得ないという傾向がある。
その結果収入が少ない男性の結婚が難しくなり、
結果的に未婚化、少子化を引き起こす。
それは、結婚している人としていない人の格差として現れる。
そしてそれは、比較的男女共同参画が進んでいる東京都23区では、
出生数はほとんど減っていないのに対し、
男女差別の風土が残る地方では、出生数が減っているということでもわかる。
つまり、地方で女性が差別され、能力が発揮していくといい状況が、
女性の地方からの脱出を生んでいる。
誰が、差別されながら働き続けたいと思うだろうか。
========================
少子化対策は、お金をばらまくことではなく、
社会のあり方を変えていくことだと思います。
多くの人が気付いているのに、まだ、わかっていない人たち、
あるいは、わかっていても何もしようとしない人たちがいます。
------------------------------------------
敗戦によって「家」の存続が最優先といった戦略的な価値観が壊れ始める。
そこに入ってきたのが、
「豊かな家族生活を築くこと=幸せ」という価値意識である。
いわば、幸せを実感するための人の目標といってよい。
男性は、正規雇用者となり結婚して家族のために仕事を頑張り、
年功序列で昇進し、家庭に相当の収入をもたらす。
そして、女性は正規雇用者と結婚して主婦になり、家事、子育てを頑張る。
「豊かな生活」の中身は、持ち家や自家用自動車、家電製品がそろい、
子どもが大学まで進学できる生活をつくり出すことができる。
老後は、男性は管理職で引退し、十分な年金で、
持ち家で趣味を楽しみながら悠々暮らし、
女性は夫が亡くなった後も遺族年金があるから安心して、
ゆとりある生活が送れる。
最後は、子どもたちに感謝されながら亡くなる。
そのようなライフコースを経験することが、人生の目標となり、
そして、戦後から昭和期に成人した人々は、多くがその夢を実現させている。
このライフコースが実現する前提として、男性は必ず正規雇用者になれて、
終身雇用で失業の心配なく、年齢に従って収入が増加すること、
つまり、全男性が「日本型雇用システム」の恩恵を受けること、
そして女性はそのような男性と結婚して離婚しないこと。
つまり、全員が「性別役割、分業家族」を形成し維持できることが要件なのだ。
戦後日本政府は、この労働と家族のシステムを前提とし、
かつ破綻させないように社会保障制度を作り上げていく。
扶養控除や厚生年金、遺族年金、年金の第三号被保険者制度など、
夫が正規雇用で定年退職、妻が専業主婦(もしくはパート主婦)、
全員が結婚して離婚しないことを前提とした
(=もっとも得をする)税制や保険制度がつくられる。
そこから少しでも外れると、さまざまな不利益を被ることとなる。
そして、形を変えながらも、
社会保障における2つの前提は現代でも維持されている。
妻が扶養の範囲を超えて働けば、税制でも社会保険でも損をする。
離婚すれば、主婦だった女性は生活に困難をきたし、
老後の生活も保障されない。
========================
私も、バリバリの昭和生まれ。
だから、かつては、ここに書かれている価値観を当然のごとく受け入れ、
そうあらねばならないと思っていた時期もあります。
でもね、それは、まぎれもなく破綻しています。
しかし、社会制度は根強く変わりません。
つづく