【学びの時間】生きづらい社会を生きていくために② さざ波から始まる

『ここがおかしい日本の社会保障』(山田昌弘著 文春文庫)に、

労働経済学者ロバート・ライシュのこの言葉がありました。

「資本主義が高度化すると、低賃金労働者が大量に出現する」

 

いま、まさにその通りになっています。

 

この本から引用します。

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低賃金にとどめ置かれる仕事、その収入だけでは人並みの生活ができない仕事

  1. 製造業における単純作業(製品の組み立て、検品、運搬、清掃など)オートメーション化された機械の手足となって働くことを要求される。
  2. 販売、サービス業における単純作業(ファーストフードやスーパー、コンビニの販売、接客、チラシ配布、運送など)。マニュアルどおりにサービスすることを要求される。
  3. 事務作業における単純作業(資料整理、データの打ち込み、オペレーターなど)。主にパソコンの手足となり正社員の指示どおりに働くことが要求される。
  4. 対人サービス料の一部(介護士、保育士など)。家族であれば誰でもできると思われている日常的な世話を代行することを要求される。人間の世話という仕事の性質上、生産性を大きく上げることは難しい。
  5. 自営ワーキングプア(小規模で従来どおりの仕事をしている農家、商店、サービス業種、歩合制のタクシー運転手なども含まれる)。規模の拡大ができず、商品の低価格化に対応することができず、また付加価値の高い商品やサービスを提供することができないため、徐々に収入が低下する。
  6. 高学歴ワーキングプア(非常勤講師、カウンセラー、ピアノ講師など)
    単純とは言えないが多くの現場では、能力に見合うような高度な仕事は要求されない。

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ワーキングプア増大の要因

  1. 科学技術の発達(オートメーション化、IT化)
  2. 消費者の要求の増大(コスト削減圧力)
  3. グローバル化(コスト削減圧力)
  4. 雇用と産業の規制緩和(非正規雇用の解禁と産業保護の撤廃)

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これは、明らかに構造的な問題だと思います。

念願の正社員、でも「安かった」 | NHK | WEB特集

ここには、このように書かれていました。

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かつての日本には「正社員になれば生活が保障される」という

イメージがあったが、すでにそうした目指すべきモデルは崩壊している。

“ワーキングプア”という言葉は、

もはや非正規雇用で働く人だけを指すものではなく、

正社員にもあてはまる問題だ。

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それゆえに何が起こっているか?

それは、子どもの貧困です。

 

『「なんとかする」子どもの貧困』(湯浅誠著 角川新書)より

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お金がない、つながりがない、自信がない、これを貧困と言う。

子どもの貧困率は、2015年の段階で13.9%(2017年6月厚労省発表)

全国に約280万人。

これは東京都と千葉県の同年齢の子どもをすべて足したより多い。

7人に1人の割合だ。

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ワーキングプアは、まじめに働いている人が貧困に苦しむことです。

こんなおかしな状況を脱する方法を、私は知りません。

ただ、目的地はあります。

それが、「ここいまタウン」なのですが、

どうしたら実現できるのかは、まだ見えていません。

【保存版】Solの夢の再確認 - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)

 

子どもや支援が必要な人が中心にいて、人々が互いに認め合い、

自然に助け合い、支えあって、心豊かな生活が営めているコミュニティです。

ベーシック・インカム、地域通貨、地産地消的な概念を発展させると、

きっとできると思います。

しかし、これは、政治ではできるものではないでしょう。

市民活動に頼らざるを得ないのだと思います。

【写真日記】府中満載の週末 - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)

このように、府中で起こっているうねり、

いや、ほんの小さなさざ波に関わることができている、

とってもありがたいと思っています。

 

「私たちのすることは、大海の一滴にすぎないかもしれませんが、

その一滴の水が集まって大海となるのです。」

(マザー・テレサ)

 

写真に意味はありませんが、

リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、

散歩中に撮った写真を適当に貼っています。