【学びの散歩道】子どもたちの将来は大丈夫なのだろうか?  そんな「おいしいこと」ありますか?

 

早いもので、もう4月も終わり間近です。

1年生が来始めて、稼働8日が過ぎた今日、そして今週も無事終了しました。

規格外が何人かいた2年前の1年生は、正直大変でした。

1年前の1年生は、それに比べて扱いやいながら、

しばらくしたら、1年先輩に感化されたりしました。

今年の1年生は、今のところとてもおとなしく礼儀正しいです。

この3年間を振り返って、先生もそういわれています。

帰るときに、頭を下げて「お世話になりました、ありがとうございます」

なんていう子もいたりします。

正直、それを見ている私は、ちょっと複雑なのです。

「あまりにいい子過ぎないですか」って。

 

今年の特徴は、4年生が多いということです。

学童クラブを終えて、こちらにやってきた子が多く、

それも1人を除いて、みんな女子です。

見ていると、無邪気さは残っているものの、自我が結構強烈に出てきています。

いくつかのグループに分かれていて、その間の交流がほとんどありません。

にぎやかで気の強そうなグループ、本当におとなしく控えめなグループ、

そして、そのどちらにも属さずぽつんとしている子、....。

ちょっとどうよ!と感じることもあるので、

今後しっかり見守っていく必要がありそうです。

男子は結構単純ですが、女子は複雑です。

男子の私には、理解しがたい面があるのも確かです。

 

『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』(金間大介著 東洋経済新聞社) 

に戻ります。

 

上記の4年生あたりが曲者です。

「10歳の壁」「小4の壁」というものがあるようなのです。

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子どもに変化が現れるのが、小学校3年生、4年生あたりから。

5年生のころからは徐々に無邪気に手を挙げる姿勢は見られなくなる。

「浮いたらそうしよう」という心理は、このころに芽生えていると考えられる。

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この4年生たちはどうなっていくのでしょうか。

放課後子ども教室に来ている子たちしか、状況はわかりません。

来ない子たちのほうが、「浮いたらどうしよう」という傾向が、

強いのかもしれないし、そうでないのかもしれません。

私にはわかりませんが、とても気になるところです。

 

いずれにしても、この子たちが、この本に書かれている

「いい子症候群」にはなってほしくないという思いがあります。

なぜなら、社会で自立していけない思考があるからです。

 

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「意識高い系」と見られる子たちがいます。

  • プライベートな時間を大切にしたい、私生活を豊かにしたい、ワークライフバランスを考える
  • 「〇〇したい」思考 自分の好きなことに惜しみなくお金をつぎ込む

一方、「いい子症候群」は、こんな感じです。

  • 「〇〇したくない」思考
  • 積極的にやりたいことがない中で、漫然とやっているのが、ゲーム、ユーチューブ、Amazonプライム・ビデオ、Netflix、SNS
  • これは、コロナ禍のステイホームで加速した

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そういう若者は、職場の飲み会に行く機会は、増加傾向にあるようです。

つい最近まで、飲み会に行かない若者たちが多くいました。

「残業手当はつきますか」と飲み会を断るのは、確固たる自分があり、

強固な意志がある証拠で、いい子症候群にはそんなものはない、

今の若者にあるのは、表面的に周りに合わせる抜群の協調性のようなのです。

 

<そんな「いい子症候群」の若者たちの仕事観>

  • とにかく人目は気になるし競争もしないけど、自分の能力を活かしたい。
  • そこそこの給料をもらい残業はしないけれど、自分の能力で社会貢献したい。
  • 自ら積極的に働くことはないけれど、個性を活かした仕事で感動されたい。
  • 社会貢献といっても、見ず知らずの人に尽くすことではなくて、とにかく「ありがとう」と言ってもらえるような仕事がしたい。

いい子症候群の若者にとっての社会貢献とは、

誰かに「貢献する舞台」を整えてもらったうえでの貢献を意味する。

責任を取る誰かがいて、調整してくれて、意思決定してくれて、

そのうえで自分らしさを発揮するのが社会貢献。

さらに事後には「君がいてくれて本当に良かった。ありがとう」

と言ってもらうのが社会貢献。

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若者に聞きたいのは「自分らしさ」ってないですか?ということです。

なんとも、「大丈夫ですか?」「大丈夫じゃないですよね」という有様です。

据え膳上げ膳だよね。

お膳立てしてもらって、結局肝心なことをすることもなく、感謝されたいって、

そんな「おいしいこと」があるはずないじゃないですか。

著者も言っています。

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いい子症候群の若者の言う「平穏」や「普通」とは、

今の日本で得られる最上級の待遇にある。

おそらく、ほとんどの人は「宝くじ」に当たっていない。

そして、あなたもまた「宝くじ」には当たらない。

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年季の入った昭和のおじさんにしてみれば、

「甘えとんのか!」ってな感じです。

でもね、若者がそうなったのは誰の責任なんでしょうか?

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子どもの世界はもっとずっと狭い。

多くの場合、親の思考が子どもに多大な影響を与える。

挑戦が成長につながることを実感できないのは大人であり、

既得権信者もやはり大人である。

大人たちがそう思っているからこそ、

それが子どもたち若者たちに空気伝染する。

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そういうことなんですね。

 

だから、若者になる前の子どもたちにかかわる仕事は、

とっても大事なんだと思うのです。

それは、大人のあり方が問われる仕事だと思います。