『子どもが自立できる教育』(岡田尊司著 小学館文庫)から、
フィンランド教育について学んでいきます。
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日本がかつて、学力テストで世界トップの座にあったとき、
フィンランドは、経済的にも低迷し、そうした苦境を乗り切ろうと、
国を挙げて取り組みの中で、特に注力したのが教育だった。
国家予算の一割を教育につぎ込むという思い切った政策を行った。
- 大学まで一切の授業料はかからない。
- 教材や給食もすべて無償。
- 教材として使われるワークブックなどは、非常に工夫されて優れたものである。
- 経済的、家庭的事情に左右されることなく、どの子も自分の持っている可能性を最大限に伸ばすチャンスが与えられる。
- 少人数学級が徹底され、24人以下のクラス編成である。
- 授業時間も先進国の中で最も少ない。ゆとり時代の日本よりさらに年間30時間ほど短い。
- 中央からの縛りを大枠にとどめ、自治体や学校、現場の教師の裁量と責任による部分を大きくした。
- 教師はそれぞれの子どもに合った教育方法を自由に選択することができるが、同時に高い専門性を要求される。全員が大学院修士課程修了者。
フィンランドの学校教育が掲げる目標の一つは、
落ちこぼれをつくらないということ。
- そのために競争ではなく、助け合うことを重視する。
- 社会で通用する教育であり、生きるための知識と技術を身につけることが目標に掲げられている。
- 一人ひとりの特性やニーズに応じ、それを最大限に伸ばせる教育を行う。
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そもそも、社会のあり方が違うのです。
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- フィンランドとオランダと共通する点は、子育てや家庭を非常に大切にするということ。
- 残業がなく、帰宅が早いので、父親も母親も、子どもと長く過ごすことができる。午後3時を過ぎると社員は帰り始め、5時を過ぎると会社には誰もいなくなる。
- オランダと同様に保育所に預ける割合が低い。
- 3年間の出産休暇が認められ、復帰後は元の地位に戻ることが法律で保障されている。
- 家庭で育てる人には、家庭保育給付という手当が支給される。
- ドイツなどと同じく、年間に30日分の有給休暇を消化することが法律で義務付けられている。
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フィンランドは小さな国です。
人口は550万人あまりで、人口密度は、16.4人/Km2です。
一方日本は、人口は1億2,400万人あまりで、人口密度は、333.5人/Km2です。
為替の影響があるので単純には言えませんが、
一人当たりのGDPは、フィンランドが16位、日本が32位です。
世界の一人当たりの名目GDP(USドル)ランキング - 世界経済のネタ帳
これを見ると、日本では実現は難しそうにも思えますが、
本気になれば、やれないことはないはずはないはずなのです。
つづく
写真に意味はありませんが、
リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、
手元にあった写真を適当に貼っています。