【学びの散歩道】子どもたちの将来は大丈夫なのだろうか?(16) マルチフォーカスな教育

昨日、Sol Cafe ノートが新しくなりました。

最近日々のことは、ほとんど書くことがない状態です。

その意味では、日記ではなくなっています。

No.34は、これまでで一番たくさんの読書メモを書いたと思います。

そのメモをベースに、

この「子どもたちの将来は大丈夫なのだろうか?」を書いています。

 

ということで、引き続き『子どもが自立できる教育』

(岡田尊司著 小学館文庫)から学んでいきます。

 

第6章は「この国の再生は教育から」ですが、目次はこうなっています。

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  • 実践的な能力とアカデミックな能力に優劣をつけない
  • 統合能力を高める
  • 競争ではなく助け合いを重視する
  • 社会的スキルを高めるプログラムを導入する
  • SQトレーニングの実践
  • グループ単位の活動の有効性
  • 主体性と責任を重視する
  • 「みんな同じ授業」の固定観念を外す
  • 発見型、実技型の学習を増やす
  • 基礎学力は検定方式で充実させる
  • 仕事のプロを教育現場に招く
  • 職業的自立を意識した教育
  • 少人数のクラスにし、教員の不足は多彩な人材を活用する
  • 入試のあり方を変える
  • 口先ではなく中身で、一人ひとりの特性を大切にする

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<寄り道>

SQ(社会的知能指数)とは、

社会や集団の中で能力を発揮するための能力値です。

心理学者ダニエル・ゴールマンが提唱したもので、

脳科学と心理学を元に

「人との関わり方によって能力を発揮できるかどうかに差が出る」

という考え方をSQによって指標するというものです。

SQは「Social Intelligence Quotient」の略で、社会的知能指数の他に

「かかわりの知能指数」や「生き方の知能指数」とも言われています。

 

目次だけで、だいたいの内容がわかります。

そして、このようにまとめられています。

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「みんなが同じように5科目とは9科目を同じ時間だけ履修しなければならない」

という固定観念を外してしまえば、

かなりの割合の授業を選択制にすることは十分可能だろう。

学年の壁まで取っ払って縦割りにクラスも許容すれば、

より幅広く多様な選択授業を設けることも可能になるだろう。

一般の社会では、それが普通なのである。

年齢の混在したクラスを体験することも大切だろう。

同じ年齢の子どもばかり集めるということの方が、そもそも不自然なのだ。

多様性を増やすことで、学ぶことに喜びを感じるこどもは確実に増える。

焦点が合わない教育ではなく、

どの子にも焦点が合うマルチフォーカスな教育を志向すべきなのである。

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私が学んでいたオランダで進んでいるイエナプラン教育は、

まさにそんなことを実践しています。

また、フィンランドの教育も、お手本になります。

では、日本はダメなのかというと、そうでもないことが昨晩わかりました。

何気なく、池上彰さんの番組を観ていると、

秋田県の教育が進んでいるという情報がありました。

調べてみると、日本の現行システムの中でもできることはあるし、

すでに実践しているところもあることがわかります。

学力を高めて、ほかの件よりも良くするというのでは、本末転倒ですが、

子どもたちの「自立する力を育てる」ということが目的であれば、

それはとってもステキなことです。

秋田県「全国学力テスト」成績上位常連のなぜ 多くの教育関係者が視察する、気になる内実 | 東洋経済education×ICT (toyokeizai.net)

先生の熱い思いで実現!秋田の先進的探究型授業【教育キャンプ・秋田県南vol.2】 | inquire.jp

 

今日は、「こどもの日」です。

そもそも「こどもの日」とは何でしょう?

「こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」

日です。

「こどもの日」の意味とは。子どもに伝えやすい言葉の例や、過ごし方・食べ物を解説 | HugKum(はぐくむ) (sho.jp)

 

「子どもの人格を重んじる」とは、

大人の思惑だけで子どもを誘導するのではなく、

子どもが何を考え、何をしたいのかを重んじることだと思います。

子どもの個を大事にするということを、大人が肝に銘じる日だと思うのです。