【学びの散歩道】子どもたちの将来は大丈夫なのだろうか? 生きる力を伸ばすために

ブログに書くより多くのメモがたまってきています。

「いい子」について書く前に、また寄り道します。

 

天外伺朗さんの本は、以前にも読んでいます。

大脳新皮質シンドローム② - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)

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ペーパーテストの予定調和の中で、大脳新皮質ばかりを鍛えてきて、

自然との触れ合いにかけたまま成長してしまった人に、

共通して見られる症候群だ。

言語能力に優れ、論理的思考にはやたら強いが、

現実の世界では、物事の本質に迫る力が不足している。

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『「生きる力」の強い子を育てる』(天外伺朗著 飛鳥新社)に書かれていた、

アレクサンダー・サザーランド・ニイルのことばが、

このブログでも取り上げていました。

いい教師とは? - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)

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すべての子どもは、自分自身の中に神を持っています。

自我が満たされた自由な子どもは、その神を発揮します。

善悪や正邪の価値基準を与え、子どもを型にはめようとすると、

その内にある神を悪魔に変えてしまいます。

つまり、法律や規制で縛り、道義で抑え込もうとするから、

罪をつくり、反逆者を創り出すのです。

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そのほかにも、この本には、

子どもの生きる力を育む学校を創設してきた人たちの言葉が

たくさん引用されていました。

 

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教育は芸術だ。

知識や技能を教え込むのではなく、単に知能を伸ばすものでもなく、

子どものそれぞれの発達段階に応じた「心の糧」を与え、

次の発達段階の準備をすることだ。

(ルドルフ・シュタイナー)

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知識は、人間形成にとってほとんど意味を持っていない。

だから、知識の習得を教育の中心に据えてはいけない。

むしろ、無意識の表出としての遊びと創造に道を譲るべき。

木工・美術・音楽・ダンス・ドラマなどを重視すべき。

文明国には、十分に遊んだ子がいない。

子どもが学んでいないと時間を無駄にしているという考えは呪いだ。

(A.S.ニイル)

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子どもは本来好奇心のかたまりであり、

いろいろなことに強い関心を抱き何かに集中することができる。

関心をもったときに知識を吸収すれば、集中力が高まり、

学習の効率は驚くほど上がる。

(ダニエル・グリーンバーグ)

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今の学校教育は、命令に従うこと以外、何も教えていないに等しい。

言われた通りに動き、言われた通りに覚え、

正しいとされる結果を出すことに汲々として、

肝心の好奇心、創造力、批判力を自ら封殺してしまう

受け身の生徒を大量生産している。

(D.グリーンバーグ)

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子どもが自らの内なる声に耳を傾けることができるようになるためには、

学校側は一切の干渉をしないことだ。

権力、権威、恐怖、強制、圧力、抑圧、𠮟責、罰はもちろんのこと、

褒めること、甘言や褒美など、あらゆる評価もいけない。

(D.グリーンバーグ)

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子どもは「フロー」(集中)に達すると、「内なる動機」が満足するまで、

何度でも同じ作業を繰り返す。

その途中で妨害が入ると、子どもは意識的に悪いことをしてウップンをはらす。

それが、たびたび起きると、行儀が悪く、気まぐれで、

不注意で、不機嫌な子どもが育つ。

それに対して罰則で対処すると、非行少年や少女が生まれる。

教育の場に、規律の欠如や無秩序が観察されたら、

その原因は大人の側にあり、子どもに責任はない。

指導者がどこかで子どもを奴隷として扱っていないかを疑った方がいい。

大人であっても、決断力や忍耐力が欠如していたり、

怠惰、優柔不断な性格で、恐怖や不安を抱いている人は、

子ども時代に頻繁に「フロー」の妨害を受けてきた可能性が高い。

(マリア・モンテッソーリ)

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説得によってなされたことからは、それも満足のいく結果は生まれない。

意識は従うかもしれない。

しかし、無意識は反抗し、より深刻な状況を作り出す。

叱責、訓戒、罰などは、抑圧された憎しみを増幅するのみであり、

いかなる人のいかなる面も治したためしはない。

人の攻撃は強制的なしつけや恐怖の表れだ。

(A.S.ニイル)

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みんな、同じことを言っています。

子どもは放っておきなさい、見守るだけにしなさい、

何事も強制してはいけない、評価してはいけないと。

 

天外伺朗さんが、こうまとめています。

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生きる力が伸びる四要素

  1. 無条件の受容
  2. 大脳新皮質がいろいろ学ぶ前に、古い脳を徹底的に鍛える
  3. フロー
  4. 大自然との対峙

いろいろと考えていくと、結局は、勉強を強制せず、

大自然の中で夢中になって遊びまわり、たっぷりの「フロー」を体験すれば、

子どもたちの「生きる力」が伸び、「いい人生」につながるという結論に達する。

何も、難しいことはない。

子どもたちを勉強机から引っぺがし、大自然の中に連れ出して、

思い切り遊ばせればいいのだ。

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確かに、今の子どもたちは、フローを体験する機会がない、

いや奪われているのではないかと思えます。

ゲームに没頭するのをフローと言えるのでしょうか。

それはちょっと違うような気がします。

 

<寄り道>

2011年出版のこの本には、

世界でシュタイナー教育が公教育と認められていない国は、

北朝鮮と日本だけと書かれていました。

公教育とは一条校のことだと思います。

日本の学校制度一条校って何? | world study

 

天外さんは、学校を自由化しなさいと言われています。

もっともっといろんな学校があって、

選択肢を増やすことが必要なんです。