【学びの時間】「生きる力」を身につける教育⑤ 究極の自由教育(サドベリー教育)

『世界7大教育法に学ぶ 才能あふれる子の育て方 最高の教科書』

(おおたとしまさ著 ポプラ社)で引き続き学びます。

 

サドベリー教育と一般的な教育とのいちばんの違いは、

大人がさせておいたほうがよいと思うことをさせるのではなく、

子どもがしたいことをさせる教育です。

 

東京サドベリースクール

1日の過ごし方 | 一般財団法人 東京サドベリースクール (tokyosudbury.com)

こんな時間割です。

掃除はみんなでやるようですが、

それも子どもたちが話し合って決めたそうです。

 

以下、この本からの引用です。

 

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「決められた授業がまったくなくて、本当に大丈夫なのかと心配ですが」

「基本的な読み書き計算は、いつのまにかできるようになります。

” 信じて待ては、そのうちやるようになる ” とよくいわれますが、

” 信じて待つ ” という気持ちすら不要です。

” 信じて待つ ” ってやっぱり期待しているんですよ」

 

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ある女の子は、わざわざ地方から見学に来て、

この学校を気に入って家族ごと近くに引っ越してきました。

料理が好きで、毎日ここで料理をして、料理の道に行くのかと思っていたら、

いまはイベント会社で働いています。

 

またある男子は、中学生になる段階からうちに来て、

最初の一年半は、毎日ずっとゲームばかりしていました。

ゲームをやることがダメとはだれも思わないのですが、

あるとき彼のなかでは、「このままではダメだ」と思ったらしいんです。

そこから本を読むようになって、地域社会とか政治に興味を持ちはじめて、

自分で国会議員に会いに行ったり、デモに参加したりするようになりました。

そしていまは、大学で都市開発を学びたいと思っているようです。

中3のときにここを巣立つことをみずから決めて、

16歳で高卒認定をとってしまって、

いまはひとりで全国の都市をみてまわっています。

そのなかでコネクションができて、もしかしたら大学にいかなくても

就職ができてしまうかもしれないと連絡がありました。

 

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どんな人生が「充実していて豊か」なのかは、それぞれのひとが決めること。

そのためには、ほかのだれでもない自分自身のモノサシが必要。

それがその人にとっての「人生の羅針盤」になります。

羅針盤があれば、長い人生という「航海」のなかで、

たとえ逆風にさらされる日があっても、

1日1ミリしか前に進めなくても、幸せを追求しつづけられます。

どこかにたどり着くことが目的ではなく、

自分自身の「人生の羅針盤」にしたがって「航海」する、

そのプロセス自体が幸せなのだと気づくことができます。

生まれたときから自分のポケットに入っていた

「人生の羅針盤」の存在に気づき、

それを使いこなせるようになるために必要なのは、

実は大量のぼーっとする時間なのだということを

サドベリー教育は教えてくれます。

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きのくに子どもの村学園 (kinokuni.ac.jp)

日本では、「きのくに子どもの村学園」が、このサドベリー教育、

いや、その源泉ともいうべき

Summerhill Schoolの創設者、A.S.Neill(ニイル)の思想に基づいています。

以下は以前のブログに書いたものです。

 

『自由学校の設計 きのくに子どもの村の生活と学習』堀真一郎著に、

学校に関する常識(迷信)というのがある。

  1. 教育とは学校へ行くことである。
  2. 学校では先生と児童・生徒がいる。先生は教え、児童と生徒は教わる。
  3. 学習とは教科書の中身を習得することである。そして、国語・算数・理科・社会(中学ではさらに英語)が主要教科である。
  4. 子どもは年齢によってグルーピングされる。
  5. すべての子どもに同じことを教えるのが民主教育である。
  6. 1つのクラスに1人の担任が配属される。クラスの大きさは、ほぼ同じでなければならない。
  7. 学校教育は教師が行う。そして教師は教員免許を持たねばならない。
  8. 年長の教師は高い給料をもらう。
  9. 後者は、主として同じ大きさの複数の教室と長い廊下でできている。
  10. 教師の権威は、教師という地位に付託されている。

普通の学校にあるものが何もないのが「きのくに子どもの村」である。

では、なにがあるのかというと、楽しいことがいっぱいある!

 

つづく

 

 

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写真は、特に意味はありませんが、

リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、

散歩中に撮った写真を適当に貼っています。