『世界7大教育法に学ぶ 才能あふれる子の育て方 最高の教科書』
(おおたとしまさ著 ポプラ社)で引き続き学びます。
サドベリー教育と一般的な教育とのいちばんの違いは、
大人がさせておいたほうがよいと思うことをさせるのではなく、
子どもがしたいことをさせる教育です。
東京サドベリースクール
1日の過ごし方 | 一般財団法人 東京サドベリースクール (tokyosudbury.com)
こんな時間割です。
掃除はみんなでやるようですが、
それも子どもたちが話し合って決めたそうです。
以下、この本からの引用です。
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「決められた授業がまったくなくて、本当に大丈夫なのかと心配ですが」
「基本的な読み書き計算は、いつのまにかできるようになります。
” 信じて待ては、そのうちやるようになる ” とよくいわれますが、
” 信じて待つ ” という気持ちすら不要です。
” 信じて待つ ” ってやっぱり期待しているんですよ」
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ある女の子は、わざわざ地方から見学に来て、
この学校を気に入って家族ごと近くに引っ越してきました。
料理が好きで、毎日ここで料理をして、料理の道に行くのかと思っていたら、
いまはイベント会社で働いています。
またある男子は、中学生になる段階からうちに来て、
最初の一年半は、毎日ずっとゲームばかりしていました。
ゲームをやることがダメとはだれも思わないのですが、
あるとき彼のなかでは、「このままではダメだ」と思ったらしいんです。
そこから本を読むようになって、地域社会とか政治に興味を持ちはじめて、
自分で国会議員に会いに行ったり、デモに参加したりするようになりました。
そしていまは、大学で都市開発を学びたいと思っているようです。
中3のときにここを巣立つことをみずから決めて、
16歳で高卒認定をとってしまって、
いまはひとりで全国の都市をみてまわっています。
そのなかでコネクションができて、もしかしたら大学にいかなくても
就職ができてしまうかもしれないと連絡がありました。
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どんな人生が「充実していて豊か」なのかは、それぞれのひとが決めること。
そのためには、ほかのだれでもない自分自身のモノサシが必要。
それがその人にとっての「人生の羅針盤」になります。
羅針盤があれば、長い人生という「航海」のなかで、
たとえ逆風にさらされる日があっても、
1日1ミリしか前に進めなくても、幸せを追求しつづけられます。
どこかにたどり着くことが目的ではなく、
自分自身の「人生の羅針盤」にしたがって「航海」する、
そのプロセス自体が幸せなのだと気づくことができます。
生まれたときから自分のポケットに入っていた
「人生の羅針盤」の存在に気づき、
それを使いこなせるようになるために必要なのは、
実は大量のぼーっとする時間なのだということを
サドベリー教育は教えてくれます。
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日本では、「きのくに子どもの村学園」が、このサドベリー教育、
いや、その源泉ともいうべき
Summerhill Schoolの創設者、A.S.Neill(ニイル)の思想に基づいています。
以下は以前のブログに書いたものです。
『自由学校の設計 きのくに子どもの村の生活と学習』堀真一郎著に、
学校に関する常識(迷信)というのがある。
- 教育とは学校へ行くことである。
- 学校では先生と児童・生徒がいる。先生は教え、児童と生徒は教わる。
- 学習とは教科書の中身を習得することである。そして、国語・算数・理科・社会(中学ではさらに英語)が主要教科である。
- 子どもは年齢によってグルーピングされる。
- すべての子どもに同じことを教えるのが民主教育である。
- 1つのクラスに1人の担任が配属される。クラスの大きさは、ほぼ同じでなければならない。
- 学校教育は教師が行う。そして教師は教員免許を持たねばならない。
- 年長の教師は高い給料をもらう。
- 後者は、主として同じ大きさの複数の教室と長い廊下でできている。
- 教師の権威は、教師という地位に付託されている。
普通の学校にあるものが何もないのが「きのくに子どもの村」である。
では、なにがあるのかというと、楽しいことがいっぱいある!
つづく
写真は、特に意味はありませんが、
リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、
散歩中に撮った写真を適当に貼っています。