【学びの散歩道】子どもたちの将来は大丈夫なのだろうか?(13) 早期発見の大切さ

『なぜ日本の若者は自立できないのか』(岡田尊司著 小学館)

には、牛乳アレルギーのほかに、

やせている子にも太っている子にも、同じ服を着せようとするもの、

という表現もされていました。

 

では、どのようなやせた子や太っている子がいるのでしょうか。

人の特性は、大きく3つのタイプに分かれるようです。

 

<視覚空間型>

  • 目で見て。瞬間に処理するのが得意。
  • しかし、長時間何かをじっくり考えるということは苦手。
  • 話を聞いたりするのも、集中が続かない。
  • すぐに気が散るか、眠くなってしまう。
  • 言葉で、自分の考えや気持ちを表現するのも苦手なため、つい暴力的になったりすることもある。
  • 言語的に考えられないので、計画性に乏しく、場当たり的、衝動的に行動しがち。
  • じっと座って授業を聞くということは、そもそも体質に合わない。
  • 体を動かして、実際にやってみるという実技型の学習が向いている。

このタイプ: 長嶋茂雄 安藤忠雄 スティーブ・ジョブズ 本田宗一郎

 

<聴覚言語型>

  • 聞いて理解するタイプ。
  • 会話言語に強く、言葉の感覚も優れていて、会話を楽しめる。
  • 口真似が得意で、聞いたこともよく覚えている。
  • 自分で本を読んで勉強するよりも、誰かに教えてもらうのが頭に入りやすい。
  • 相手の気持ちを理解したり、場の空気を読み取ったりするのも得意。
  • コミュニケーション能力に優れ、特に相手の話をよく聞いたり、共感したりすることにも長けている。
  • 講義形式の授業に向いている。
  • 映像や空間的な処理が苦手で、地図が読めない、空間図形がわからない。
  • 絵画なども立体感のある絵を描くのは苦手で、描く絵は物語的。
  • 論理的で厳密な議論や記号を用いた抽象的な内容はあまり得意ではない。
  • 論理的な説明にあまり興味を感じない。

このタイプ: バラク・オバマ

 

<視覚言語型> 

  • 文字情報には強いが、会話は苦手。
  • 私的な作品はさっぱりわからないが、論理的な文章は頭に入りやすい。
  • 具体的な物より抽象的で概念を扱うのが得意で、物事を論理化や図式化して理解するタイプ。
  • 分析するのは得意だが、自分でオリジナルなものをつくり出すのは苦手。
  • 特に自由に何か話してくださいなどと言われると困ってしまう。
  • 論理的な手掛かりがないから、どう話を組み立てていいかわからない。
  • 記憶力がよく、ペーパー試験は強いので、学校の成績はよいことが多い。
  • 活字の虫、本の虫の人も多く、自分の興味のあることはよく調べていて、知識も豊富。
  • 何事もルールを明白にして構造化することが有効で、論理的因果関係をきちんと説明することが大事。
  • 一度に一つのことしか処理できない。
  • 二つ以上を処理しようとすると、マヒ状態に陥る。
  • 一つのことに集中し、順次こなしていくことが大事。
  • スポーツなど体を動かすことにあまり興味がなく、そうした活動が苦手である子が多いが、それも訓練不足からくることが大。

このタイプ: ビル・ゲイツ 井深大

 

聴覚言語型は、社会生活をするうえで目立った支障はなさそうです。

視覚言語型は、テストの成績が良いので、

これまでの日本の教育に向いていると言えます。

 

学校の成績はよくて、問題なく大学まで出て、会社勤めをして、

大きな壁にぶつかった視覚言語型の人の例が書かれていました。

学校の教科書・板書の授業、そしてペーパーテストには向いていましたが、

言葉でのコミュニケーションが取れないタイプだったのです。

言葉で指示されたことが理解できないため、

仕事が適切にできないことで苦しみました。

 

従来の講義形式の学校の授業をやっていたがために、

その子の苦手が隠れてしまっていました。

個の特性を意識した教育であれば、その子の長所短所は早期に把握できるため、

その子の特性に合った訓練をするなどの対策がとれたはずなのです。

 

3つのタイプがあるからといって、

一人ひとりをどれに該当するかに分けることが大事なのではなく、

一人ひとりの特徴をしっかり見るということが必要なのだと思います。

 

大きくなってから矯正するのは難しいわけで、

早期発見して、適切な対応をとることで、

大人になってから困らない社会性が育まれていくわけです。

 

私は毎日学校という場所に行っていますが、

クラスの授業がどんな感じで行われているのか、まったく知りません。

ただ、放課後子ども教室に来ていることもたちを見ていると、

かなり多くの宿題が出ているのもわかります。

そして、各クラスには30+人の児童がいて、

従来とあまり変わらない時間割で授業が行われています。

それを見る限り、それぞれの個を大事にする教育は、

かなりハードルが高いように思えます。

とくに視覚空間型の子たちにとって。

 

写真に意味はありませんが、

リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、

手元にあった写真を適当に貼っています。