【学びの散歩道】子どもたちの将来は大丈夫なのだろうか?(14) 基礎より前に応用?

『子どもが自立できる教育』(岡田尊司著 小学館文庫)は、

これまで学んできた

『なぜ日本の若者は自立できないのか』(岡田尊司著 小学館)

を文庫化したものです。

文庫化するにあたって、大幅に書き換えたと著者は言っていますが、

私が読んだ限り、大半は同じ内容に思えました。

多きく書き足したのは、ではどうすれば自立できる子どもを育てられるか、

このポイントだと思われます。

 

たぶん、前著にも書かれていたと思いますが、

文庫の方でメモを取ったもので、

引き続き「視覚空間型」のことについて考えてみたいと思います。

 

今のクラスルーム方式の一斉授業に一番なじみにくいのが、

視覚空間型の子どもたちです。

しかし、このタイプのなかから、かつては、

特に目立つ逸材が多く世界に排出されてきたのも確かです。

小さいころにその芽が摘み取られなければの話ですが。

今も逸材の種はたくさんあるでしょう。

ただ、こと日本に関しては、逸材が今後も排出されていくのだろうか、

とくに『先生、どうか皆の前でほめないで下さい』を読んだ後でもあり、

そんな危惧を抱かざるを得ません。

 

視覚空間型の特徴について、そうなんだろうなということが書かれていました。

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物事を習うには、まず基礎があって、その上に応用があるというのが、

学問の成り立ちというものである。

これはまったくの正論であるが、誰にでも当てはまるわけではない。

視覚空間型の子どもの場合、まず応用ありき。

視覚空間型の子に基礎からまず倣えと、数学や物理を教えていると、

もうそこでチンプンカンプンになってしまって、ドロップアウトしてしまう。

ところが応用から入れば、

興味を持ちしっかり技術を覚えることも、使いこなすこともできる。

応用をやっているうちに、やがて基礎の方にも関心が広がり、

基礎を理解するようになることもある。

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私自身は、視覚空間型ではないと思われますが、

いろいろと考えてからというよりも、まずやってみることの方が好きです。

うまくいかなかったら、やり直したり、どこがためなのかを考えたり、

試行錯誤を繰り返していけば、自然と基礎的なことに興味が向いたり、

基礎を自分で発見したつもりになったりするものではないかと思います。

 

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視覚空間型の子には説教は通用しない。

このタイプの子は、行動的で行動しながら学ぶという特性をもっている。

そわそわ動き回るのは仕方なないので、放っておくしかないのかというと、

そういうことではない。

彼らも、自分が本当にやりたいことをしているときには、

何時間でも集中していていられる。

また適切に訓練すれば、行動や欲求を律する力もついてくる。

彼らが社会に出たとき、失敗せずにやっていけるためには、

ある程度、感情は行動をコントロールする忍耐力をつけておく必要がある。

視覚空間型の子に、言葉で説教したり、言葉で決まりはこうなっていると、

いくら説明したところで、あまり効果はない。

視覚空間型の子が、それを身につけるには、

行動することで覚えさせることが肝心だ。

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私が接している子どもたちのなかにも、そんな感じの子がいます。

じっとできません。

説教は通じません。

しかし、その子にも好きなものがいくつかあります。

自分のやりたいことには、何時間でも集中できる姿があります。

家庭の事情で情緒不安定のときにはそうはいかなかったけど、

情緒が落ち着いてくると、それができるようになりました。

 

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普通科高校に進んだものの、分数も初歩的な英語も理解できず、

それで、仮に大学に進んだとして、

その時間や費用は本当に有効に使われたと言えるだろうか。

その子が結局、大学を中退してフリーターになり、

ピザ屋の配達から努力の末、店長になったとしよう。

彼の能力をもっと早くから伸ばす方法はなかったのだろうか。

彼はやはり、普通科教育、

つまり5教科教育を受け続けるしかなかったのだろうか。

あまりにも子どもたちに狭い選択肢しか提供できていないのではないだろうか。

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型にはまった教育の怖さを、さらっと表現していると思います。

 

では、どんな教育が望ましいのでしょうか?