『世界一子どもを育てやすい国にしよう』
(出口治明・駒崎弘樹対談 ウェッジ)を読みました。
いま少子化対策が、政治を賑わしています。
しかし、なんとも的外れな、小手先のことの議論に終始しています。
話している人たちが問題なので、まったく期待はできないでしょう。
本質は、少子化対策とか子育て支援ということではなくて、
何もわかっていないおじさんやおじいさんたちが作り上げてきた
いまの社会というものを、根本から変えないといけないということなので、
今の政府では、構造的に無理なんです。
結局は、心ある人たちの下からのうねりの連鎖で
変えていくしかないんです。
この本は対談なので、いろんなことが語られています。
世界一子どもを育てやすい国にするために、
具体的にどうするかについては、論理だって書かれていないため、
私がまとめるのは容易ではないことから断念します。
一方、いまのニッポン、おかしいぞということは、
いくつも抜き出したので、出しておきます。
-----------------------------------------------
- 「被虐待児の臨床をやっていると、いまの日本で女性は必ず子どもを産んだ方がいいとはとても言えないし、子どもを持つことをすすめようとは思わない。大切なのは、子どもの数を増やすことではなく、幸せな子どもを増やすことだ。そのためには、幸せな母親を増やさなければならない」。
- 現在(2016年出版の本)の日本の労働時間は、平均で1,700時間/年。一見減少しているのは、パートの割合が増えているから。正規従業員の労働時間は、約2,000時間で、20年間ほとんど変化がない。へとへとになって職場から帰るので、「風呂、めし、寝る」の生活は変わっていない。
- このような労働環境のなかで、働く女性は家事をこなして、その上子育ての負担ものしかかる。介護も女性の肩にかかってきがち。
- ほとんど残業がなく、バカンスを1か月もとるヨーロッパのほうが、日本より高い成長を示す。
- 国会質疑の答弁書作成で、役人が政治家の都合に振り回されて、徹夜せざるを得ないことが常態化している。
- 日本のホワイトカラーほど、使いものにならない人材はいない。彼らが身につけているのは、けっよくのところ、社内の人間関係と根回しや駆け引きだけではないか。
- LGBTについて、G7の中で、同性婚を認めているのが4か国。パートナーシップを認めているのが2か国。日本は、パートナーシップをみとめているのが、渋谷区、世田谷区、伊賀市、宝塚市のみ。
-
世襲議員のウエイトが10%を超えるのは、世界に2か国しかない。日本は断トツの30-40% 次がフィリピン。
---------------------------------------------
世襲議員が多いというのは、政治家が親から子へ引き継ぐものという考えで、
親が子どもに家業を継がせようとするのと同じです。
要は、政治家は長く続けるものなんです。
だから、政治家になって何をするかより、次の選挙で勝つことが大事です。
志を貫いて、国民のために社会変革をするというような、
人に嫌がられる、不人気になるようなことはできるはずもありません。
そもそも、志あるかどうかもわかりません。
羽鳥モーニングショーの玉川さんの取材で、
都心の一等地にある議員宿舎の家賃の値下げの報道がありました。
玉川徹氏、家賃減額の参院宿舎「滞在費が出ているなら家賃相場を払えと思う」相場50万が8万台(デイリースポーツ) - Yahoo!ニュース
あきれてものが言えないって感じです。
非正規の人が生活に窮しているのが、いまのニッポンの社会です。
介護・保育・学童クラブなどに関わる人たちの給与が低くすぎる、
だから人が集まらないので、人材不足になります。
需要は大きいので、回らないという状態になり、
安月給の人に負担のしわ寄せがいっているのが、
いまのニッポンの社会です。
政治家がいなくなったり、大企業がつぶれても、世のなかは回るでしょう。
しかし、安月給のいわゆるエッセンシャルワーカーがいなくなると、
途端に社会の営みは止まります。
これまでずっと、自分の体験や学びのこと、主に前向きなことを、
このブログには書いてきました。
自分では解決できないこと、不平不満に当たることは避けてきましたが、
今回この本を読んだことで、一旦出しておこうと思って、これを書きました。
もっともっといろんな不都合なことが起こっています。
日本だけが問題ということでもありません。
より深刻な問題が、世界中で起こっています。
地球規模で人類の存続にかかわることが起こっています。
ある意味、どうしようもない状況に私たちは直面しています。
そんな世の中でありながら、私は、将来きっとよくなると思っています。
そう思いながら、これからもブログを書き続けます。
----------------------------------------------
<未来に起こったステキなこと> 48
新型コロナウィルスのパンデミックは、
誠実なもの、不誠実なもの、
どちらも人の目にさらすことになりました。
当然に帰結として、不誠実なものが消えていき、
誠実なものが残りました。
いい人、人のためになるいい行いが、
日の目を見る世の中になりました。
感謝します! ありがとう!
----------------------------------------------