「ものがたり」の原点

<おおきなふくろうさん と ちいさなことりさん>

 

むかしむかし、おおきな、おおきなもりに、

それはそれは、

おおきなふくろうさんがすんでいました。

 

そのふくろうさんは、

どんなふくろうさんよりもおおきかったのです。

それどころか、そのもりにすむ、

おさるさんよりも、

しかさんよりも、

そして、くまさんよりも、

おおきかったのです。

 

いやいや、そのもりの

どんなきよりもたかく、

どんないわよりもおおきく、

そして、もりよりもおおきな

ふくろうさんだったのでした。

 

だからいまでは、

それがふくろうさんだったということをしるひとは、

だぁれもいないのです。

 

むかしむかし、ちいさな、ちいさなもりに、

それはそれは、

ちいさなことりさんがすんでいました。

 

そのことりさんは、

どんなちいさなことりさんよりもちいさなったのです。

それどころか、そのもりにすむ、

ちょうちょさんよりも、

はちさんよりも、

そして、ありさんよりも、

もっともっとちいさかったのです。

 

だからいまでは、

そんなちいさなことりさんがいたということをしるひとは

だれひとりとしていないのです。

 

ほら、めをこらしてごらん。

このもりにも

おおきなふくろうさんや

ちいさなことりさんが

いるかもしれないよ。

 

 

今日、久しぶりに「ものがたり らくがきちょう」を出して、

「ミレイちゃんともっくん」のものがたりに向き合ってみました。

 

そのとき、思い出したのは、娘と息子が小さいとき、

私がつくった「ものがたり」がたった一つあったことです。

つくったというのとは違って、

湧いてきたという方が正しいと思います。

もう20年も前のことです。

なんとも、ナンセンスなものがたりだったので、

娘と息子には、まったく響くことはなかったのです。

 

それは、まだ残っていました。

それが、このものがたりです。

 

ところが、それが、もしかすると、

これからでてくる「ものがたり」の原点なのかもしれません。

 

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