この絵本は、「ものがたり」だねと思った。
この肌で感じた「いい絵本」「いいものがたり」は、
なぜ、そう感じたのだろう。
今日の東京駅への行き帰りと昭和記念公園で読み切った本
『教えない授業 美術館発、「正解のない問い」に挑む力の育て方』
鈴木有紀著を参考に、問いを変えてみる。
「なぜ、どうして、そう感じたのか?」ではなく、
「どこから、そう感じたのだろう?」に。
それは、こんなことだと思える。
- おはなしの流れが、シンプル
- 現実→夢(?)→現実何だろうと思える
- 言葉と絵の表現が、とてもしっくりあっている
- ものがたりが、左から右に流れていく感じがある
- あるいは、写真のように、ぐるっと回っている感じがある
- 最後のメリー・エレインのことばがいい
- あれ、どうしたのだろう?という問いが出てくる
- 言葉のないページに、言葉以上のものを感じる
コラージュ写真は、特徴のあるページを抜粋した物。
左上から、時計回りで展開していく。
- 表表紙を開けると、ネコの出入り口から、ネコが飛び込んでくる(?)絵がある。
- ものがたりの冒頭には、ソファーで寝ているネコの絵がある。ネコの名前は、マルコム。
- マリー・エレインという女の子が、お母さんに「ネコって、よるになると、どこへいくのかな?」と聞くが、お母さんの返事はそっけない。
- ある夜、マリー・エレインは、おめかししたマルコムを見つける。
- マリー・エレインは、「わたしも、つれていって」とお願いする。
- OKが出たので、おめかしして、小さくなって、マルコムと一緒に、出入り口を飛び出していく。
- 近所(?)のノーマン・コワルスキに見つかり、彼もつれていく。
- イヌに見つかって追いかけられるけど、うまく逃げる。
- かわいそうに、イヌはここでは悪者。そのいでたちが、なんとも言えずいい!
- ネコたちと夜通しパーティを楽しみ、ネコの女王様とも食事をして、お土産をもらって帰ってくる。
- くたびれたマリー・エレインは、マルコムと一緒にソファーで寝込んでしまう。
- 朝お母さんに「ひとばんじゅう、ネコと一緒に外にいたみたいね」と言われて、マリー・エレインが答える。「マルコムが、よるになるとどこへいくのか、わかったわ。でも、おしえないよ。ひみつだから!」
- 最後の裏表紙の前のページで、マルコムが、そのままの格好で飛び出していく。
頭で考えると、こんな問いが出たり、疑問がわいたりする。
- マリー・エレインがネコの女王様からもらった、こねこのおにんぎょうは、どこにいったのだろう?
- ノーマン・コワルスキは、どうしているのだろう?
- ソファーで寝ているマリー・エレインの服が、パジャマというより、パーティに着ていった服に似ているな。
- マルコムとマリー・エレインが飛び出していくときのドアの向きは反対? 足ふきマットの位置が逆?
- マルコムの衣装は、どこにしまわれているのだろう?
こういう疑問、子どもたちももつのかな?
子どもにとっては、そんなことは関係ないのかな?
正しい答えというのはないし、読んだ人が、頭であれ、感覚であれ、
感じたり、思ったりしたことがすべてだね。
感じたり、思ったりすることが多い絵本が、
「いい絵本」 なんだろうかな?
余韻って、大事だね。