「ものがたり」を頭で考える

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この絵本は、「ものがたり」だねと思った。

この肌で感じた「いい絵本」「いいものがたり」は、

なぜ、そう感じたのだろう。

 

今日の東京駅への行き帰りと昭和記念公園で読み切った本

『教えない授業 美術館発、「正解のない問い」に挑む力の育て方』

鈴木有紀著を参考に、問いを変えてみる。

 

「なぜ、どうして、そう感じたのか?」ではなく、

「どこから、そう感じたのだろう?」に。

 

それは、こんなことだと思える。

  • おはなしの流れが、シンプル
  • 現実→夢(?)→現実何だろうと思える
  • 言葉と絵の表現が、とてもしっくりあっている
  • ものがたりが、左から右に流れていく感じがある
  • あるいは、写真のように、ぐるっと回っている感じがある
  • 最後のメリー・エレインのことばがいい
  • あれ、どうしたのだろう?という問いが出てくる
  • 言葉のないページに、言葉以上のものを感じる

 

コラージュ写真は、特徴のあるページを抜粋した物。

左上から、時計回りで展開していく。

  1. 表表紙を開けると、ネコの出入り口から、ネコが飛び込んでくる(?)絵がある。
  2. ものがたりの冒頭には、ソファーで寝ているネコの絵がある。ネコの名前は、マルコム。
  3. マリー・エレインという女の子が、お母さんに「ネコって、よるになると、どこへいくのかな?」と聞くが、お母さんの返事はそっけない。
  4. ある夜、マリー・エレインは、おめかししたマルコムを見つける。
  5. マリー・エレインは、「わたしも、つれていって」とお願いする。
  6. OKが出たので、おめかしして、小さくなって、マルコムと一緒に、出入り口を飛び出していく。
  7. 近所(?)のノーマン・コワルスキに見つかり、彼もつれていく。
  8. イヌに見つかって追いかけられるけど、うまく逃げる。
  9. かわいそうに、イヌはここでは悪者。そのいでたちが、なんとも言えずいい!
  10. ネコたちと夜通しパーティを楽しみ、ネコの女王様とも食事をして、お土産をもらって帰ってくる。
  11. くたびれたマリー・エレインは、マルコムと一緒にソファーで寝込んでしまう。
  12. 朝お母さんに「ひとばんじゅう、ネコと一緒に外にいたみたいね」と言われて、マリー・エレインが答える。「マルコムが、よるになるとどこへいくのか、わかったわ。でも、おしえないよ。ひみつだから!」
  13. 最後の裏表紙の前のページで、マルコムが、そのままの格好で飛び出していく。

 

頭で考えると、こんな問いが出たり、疑問がわいたりする。

  • マリー・エレインがネコの女王様からもらった、こねこのおにんぎょうは、どこにいったのだろう?
  • ノーマン・コワルスキは、どうしているのだろう?
  • ソファーで寝ているマリー・エレインの服が、パジャマというより、パーティに着ていった服に似ているな。
  • マルコムとマリー・エレインが飛び出していくときのドアの向きは反対? 足ふきマットの位置が逆?
  • マルコムの衣装は、どこにしまわれているのだろう?

 

こういう疑問、子どもたちももつのかな?

子どもにとっては、そんなことは関係ないのかな?

 

正しい答えというのはないし、読んだ人が、頭であれ、感覚であれ、

感じたり、思ったりしたことがすべてだね。

 

感じたり、思ったりすることが多い絵本が、

「いい絵本」 なんだろうかな?

 

余韻って、大事だね。