子どもが自ら育つお手伝いをすることをライフワークとして、
日々学童保育で子どもたちを一緒に過ごしていますが、
これほど刺激的なことはないと感じていますし、
そこは、学びや気づきの宝庫です。
自分自身が育っていくんです。
だから、それに役立つ本をたくさん借りて読んでいます。
そんな中で接した、繰り返し読みたい本は、
『子どもへのまなざし』佐々木正美著と、この本です。
ここにはたくさんの事例が書かれていて、
実感しながら読むことができます。
大事にしたい本です。
学童保育で、一番イライラするのは、
- お見事というくらい、人の言うことを聞かない
- 想定できないようなことをする
- 物を大事にしない、すぐ壊す
- とっ散らかして、片付けができない
これ全部、つながっています。
- ありえないと思えることをするので、物がすぐ壊れます。
- 何ごともとっ散らかします。
- 片づけをしなさいと言っても、知らんぷりです。
もちろん、できる子もいます。
特に、女の子と男の子では、かなり違います。
女の子でも、男の子と同じ子もいますが、
男の子はみんな、まず間違いなく、一般的にいわれる問題児です。
今の学童では、大半がそんな小1-2の男の子です。
そんなこんなで、ちゃんとさせようとすれば、イライラは絶えません。
無理やりやらせるようなことはしないのですが、
何度もいい聞かせると、それなりには片付けはします。
完全に片付けるようにするのではなく、片づけるという行動をとれるかどうか、
そこに気を遣っています。
だから、
- そばに寄って同じ目線で、片づけようと言ったり
- 一緒に片付けようよと言ったり
- 片づけを手伝ってと言ったり
- ゴミ入れの袋を持っていって、ここに入れてと言ったり
- 個人の工作を入れる箱を作ったり
- 道具などの定位置を決めて、片づける場所を作ったり
いろいろします。
でも、これを読むと、放置はできないけど、
「片付けられなくてもいい」と思えば、自分も楽なので、
最近そう思って過ごしています。
なんだかんだ、ちょっとはするので、
その意味で「もうけもの」が、毎日たくさんあります。
私がよく言っていた、
「期待しないと、すべてが期待以上になる」
そういうことです。
---- 以下『子どもを信じること』田中茂樹著からの引用 -----
不登校につながる子どもたちは、
どちらかといえばよくしつけられている子の方が多い印象があります。
また不登校は引きこもりの問題でお会いした親たちも、
子どもに対して、
小さい頃から厳しくしつけて片付けをきちんとさせていたり、
きちんと片付けないことに対して、
同じ注意を毎日繰り返していたりしていることの方が多いのです。
ですから、強く叱ってきちんとさせたからといって、
よい結果になるとは限らないことを、私はよくわかっています。
ならば、甘やかしてやろうと決めて、潔くそのようにしているのです。
そんなに甘くて大丈夫なのかと思われるかもしれません。
私もこれでよいという確固たる自信をもって、
彼らの服を片付けているわけではありません。
しかし、少なくとも、このように決めてしまえば、
親はイライラしなくて済みますし、
子どもとの関係が、そのために悪くなることもありません。
それに子ども同士も、親への気づかいや、
手伝いの多少をめぐって仲たがいしたりすることも減りました。
子どもを信じるということは、
いつか言われなくてもズボンを片付けるようにになるだろうと
信じるのではありません。
一人暮らしをはじめたら、片付けるようになるだろうと信じるのとも違います。
まして、いつか親に感謝するだろうと信じるのでもありません。
では何を信じるのでしょうか?
この子は愛情をかけるのに値する人間だと信じるのです。
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これを読むと、逆に、ちゃんとできる子が気にかかります。
しかし、その子のお母さんも迎えのときに会ったりして、
その子は、愛情をもって育てられているし、
話もちゃんと聞いてもらえているだろうということもわかっています。
きっと、この学童に来ている子は、みんな大丈夫だ。
みんなすくすく育っていく、そう信じています。