<Tip & Episode> 「しつけ」を考える⑤ しつけの本を何冊も読む理由 

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私は、最近「しつけ」に関する本を何冊も読んでいます。

それは、学童保育でのある体験があるからです。

また、ドリームマップ授業でも、

自己肯定感の低い小学校高学年や中学生たちに

接してきた経験があるからです。

 

先日、FacebookにこのTipを書きました。

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気まぐれToday's Tip 2050
 
教師や親が悪いと排除することによって、
よい子をつくろうと焦ると、
結局大きい悪を招き寄せることになってしまう。
 
河合隼雄
 
 
人間の発達のプロセスは、
決して省略できるものではありません。
三歳の子は三歳の子として、
八歳の子は八歳の子として扱ってやり、
決して手抜きをしたり、
粗略な扱いをすることはできません。
 
もし、幼児期の生理的・心理的満足を
断念させたりすると、後年必ず
その埋め合わせをしなければならないのです。
 
『子どもの声を聴く』黒川昭登

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子どもを、親(大人)の視点で見たり、

親(大人)の都合のいいように扱ったり、

親(大人)の期待通りに育てようとしてはいけないのです。

子どもは子どもらしくのびのびと、愛情をもって育てる。

それをしないと、あとで大きな付けが回ってくるのです。

そういうことが、どの本にも書かれています。

限られた著者だからそうだろうと言われれば、

それは否めないけど、多くの実例に基づいた内容には、

とても説得力があります。

 

学童保育に、気になる子がいます。

その子は、学校では先生から叱られたりすることはないようです。

しかし、学童保育に来るなり、言うことは聞かないし、

ある意味やりたい放題です。

自分の意にそわないことがあると、

たとえば、おやつや帰りの会のために、

一旦やっていることをやめて片づけようと言っても、

イヤだと言って、工作などをやめないので、

みんなが準備ができても、一人取り残されたりします。

毎回ではないけれど、ちゃんとするように促すと、

少し荒れて、置いてあるものを引き出してぶちまけたり、

物を故意に壊したりするのです。

まだ、それはいい方で、大暴れにはなりません。

大人の関心を弾こうとしている感じです。

 

ほかの子に悪さをして、ケンカになると、ややこしいことになります。

基本的にはその子が最初に手を出しているのですが、相手もやり返します。

そして、複数の子が、やられた子の見方になり、

その子のことをなじったり、悪口を言ったりすると、

急に顔つきが変わり、泣きながら暴れます。

赤ちゃん返りをしたようになったときに、

「赤ちゃん」となじられると、我慢できなくなります。

体が大きいので、彼が思い切って殴ったり、腕をねじったり、

髪の毛をつかんで引っ張ったりすると、ケガをすることになるので、

そこで引き離して、彼と二人になって、

静まるのを待つということを何度もやっています。

 

その時、○○がXXといった、○○がXXをした、

だから自分はやっつけてもいい!と言って泣くのです。

その子にはわかっているけど、どうしようもなくなる感じです。

 

一方、普段の彼は、子どもらしいとってもいい子で、

笑顔もかわいいし、頭もよく物知り、工作やお絵描きも大好き。

ほかの子からキャプテンと言われたりして、リーダー的存在でもありました。

最近はそうでもなくなったのですが。

 

小1の男の子の例がいにもれず、やんちゃで落ち着きがなく、悪さをします。

要は、子どもらしいということなんです。

 

毎日高校生のお兄ちゃんが迎えに来ます。

お母さんが迎えに来るのは、月に数えるほどですが、

その時の様子が、印象的です。

 

その子は、ママ大好きといってはばかりません。

そして、あまえようとするのですが、

お母さんはいつも厳しい顔をして、監視している感じがしていました。

つい先日、久しぶりのお迎えのとき、私たち指導員がいるのに、

その子のちょっとした言動に対して、大きな声で叱りつけていました。

「今日はママだから、いい加減なことは許さないからね!」

というように、きつく言っていました。

 

彼が起こす、いわゆる問題行動は、ここに原因があるのだと思っています。

学童保育で起こす行動は、一般的には問題です。

問題だからと言って、親にそれを伝えると、原因がここにあるので、

火に油を注ぐことになります。

だから、それをやってはいけないのです。

 

子どもらしい子どもが、子どもらしいことをして、

あまえようとしているのに、それができていないわけで、

彼が問題ではないからです。

そのストレスを、学童保育で発散しているのであれば、

できるだけ大目に見てあげて、

寄り添っていかなければいけないと思っています。

幸いにも、いまの学童保育では、大人はみんなそう思っているので、

子どものみになって寄り添っていけます。

 

今日も彼は、学童保育にやってきました。

今日はとても平和でした。

だから、とても軽度なんだと思います。

いまの学童保育が、彼にとってのオアシスになっているとすれば、

それだけで十分です。