私は、最近「しつけ」に関する本を何冊も読んでいます。
それは、学童保育でのある体験があるからです。
また、ドリームマップ授業でも、
自己肯定感の低い小学校高学年や中学生たちに
接してきた経験があるからです。
先日、FacebookにこのTipを書きました。
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気まぐれToday's Tip 2050
教師や親が悪いと排除することによって、
よい子をつくろうと焦ると、
結局大きい悪を招き寄せることになってしまう。
河合隼雄
人間の発達のプロセスは、
決して省略できるものではありません。
三歳の子は三歳の子として、
八歳の子は八歳の子として扱ってやり、
決して手抜きをしたり、
粗略な扱いをすることはできません。
もし、幼児期の生理的・心理的満足を
断念させたりすると、後年必ず
その埋め合わせをしなければならないのです。
『子どもの声を聴く』黒川昭登
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子どもを、親(大人)の視点で見たり、
親(大人)の都合のいいように扱ったり、
親(大人)の期待通りに育てようとしてはいけないのです。
子どもは子どもらしくのびのびと、愛情をもって育てる。
それをしないと、あとで大きな付けが回ってくるのです。
そういうことが、どの本にも書かれています。
限られた著者だからそうだろうと言われれば、
それは否めないけど、多くの実例に基づいた内容には、
とても説得力があります。
学童保育に、気になる子がいます。
その子は、学校では先生から叱られたりすることはないようです。
しかし、学童保育に来るなり、言うことは聞かないし、
ある意味やりたい放題です。
自分の意にそわないことがあると、
たとえば、おやつや帰りの会のために、
一旦やっていることをやめて片づけようと言っても、
イヤだと言って、工作などをやめないので、
みんなが準備ができても、一人取り残されたりします。
毎回ではないけれど、ちゃんとするように促すと、
少し荒れて、置いてあるものを引き出してぶちまけたり、
物を故意に壊したりするのです。
まだ、それはいい方で、大暴れにはなりません。
大人の関心を弾こうとしている感じです。
ほかの子に悪さをして、ケンカになると、ややこしいことになります。
基本的にはその子が最初に手を出しているのですが、相手もやり返します。
そして、複数の子が、やられた子の見方になり、
その子のことをなじったり、悪口を言ったりすると、
急に顔つきが変わり、泣きながら暴れます。
赤ちゃん返りをしたようになったときに、
「赤ちゃん」となじられると、我慢できなくなります。
体が大きいので、彼が思い切って殴ったり、腕をねじったり、
髪の毛をつかんで引っ張ったりすると、ケガをすることになるので、
そこで引き離して、彼と二人になって、
静まるのを待つということを何度もやっています。
その時、○○がXXといった、○○がXXをした、
だから自分はやっつけてもいい!と言って泣くのです。
その子にはわかっているけど、どうしようもなくなる感じです。
一方、普段の彼は、子どもらしいとってもいい子で、
笑顔もかわいいし、頭もよく物知り、工作やお絵描きも大好き。
ほかの子からキャプテンと言われたりして、リーダー的存在でもありました。
最近はそうでもなくなったのですが。
小1の男の子の例がいにもれず、やんちゃで落ち着きがなく、悪さをします。
要は、子どもらしいということなんです。
毎日高校生のお兄ちゃんが迎えに来ます。
お母さんが迎えに来るのは、月に数えるほどですが、
その時の様子が、印象的です。
その子は、ママ大好きといってはばかりません。
そして、あまえようとするのですが、
お母さんはいつも厳しい顔をして、監視している感じがしていました。
つい先日、久しぶりのお迎えのとき、私たち指導員がいるのに、
その子のちょっとした言動に対して、大きな声で叱りつけていました。
「今日はママだから、いい加減なことは許さないからね!」
というように、きつく言っていました。
彼が起こす、いわゆる問題行動は、ここに原因があるのだと思っています。
学童保育で起こす行動は、一般的には問題です。
問題だからと言って、親にそれを伝えると、原因がここにあるので、
火に油を注ぐことになります。
だから、それをやってはいけないのです。
子どもらしい子どもが、子どもらしいことをして、
あまえようとしているのに、それができていないわけで、
彼が問題ではないからです。
そのストレスを、学童保育で発散しているのであれば、
できるだけ大目に見てあげて、
寄り添っていかなければいけないと思っています。
幸いにも、いまの学童保育では、大人はみんなそう思っているので、
子どものみになって寄り添っていけます。
今日も彼は、学童保育にやってきました。
今日はとても平和でした。
だから、とても軽度なんだと思います。
いまの学童保育が、彼にとってのオアシスになっているとすれば、
それだけで十分です。