Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』

「ここいまタウン」への歩み

【学びの時間】不登校に関わる大人たち③ 学校との関係

『不登校のあの子に起きていること』(高坂康雅著 ちくまプリマー新書)

からの学びの続きです。

 

NPO法人「多様な学びプロジェクト」2022年 

不登校の子どもの親を対象にした調査で、

90.1%が、「学校とのやり取りで困ったことがある」と答えている。

  65.0% 出席連絡について
  63.5% 教師との意識のずれについて
  48.6% 学用品やプリントの受け取りについて
  46.4% 投稿を促す学校からの行動「登校刺激」について

 

「せっかくだから」という言葉は、先生にしてみたら善意の声掛け。

これを機に出席できる授業が増えてくれば、

行事をきっかけにクラスメイトと仲良くなれば、

登校できるようになるのではないかと思っている。

しかし、ここで抜け落ちている点がある。

それは、不登校の子どもにとっては、

1コマだけ授業を受けることが、親の後ろに隠れて行事を見ることが、

すでに精一杯であり、ギリギリであるという点。

それ以上の余裕はない。

そんな状況のときに「せっかくだから」と言われても、できるわけがない。

 

先生の中には、

「できない」→「できる」→「もっとできる」という思考の先生がいる。

しかし、実際には「できない」と「できる」の間には、

「なんとかできる」「できるけど大変」「できるけどやりたくない」

などがあり、簡単に「できる」と「できない」で分けられるものではない。

 

SOZOW株式会社のアンケートによると、

不登校になった際の学校からの情報提供に関して、

49.7%が情報提供はなかった、77.0%が困ったと回答している。

 

そこには、親と学校の意識の違い、ボタンの掛け違いがあるようですが、

この点は、次回以降に回します。

 

PTAという負担も無視できないようです。

 

小学校の場合、PTAの委員・係を6年間に1回は必ずやらなければならない、

としている学校がある(暗黙の場合もあれば、ルール化しているところもある)。

しかし、共働きをしていたり、介護などが必要であったりすると、

平日の昼間にPTAの委員・係活動を行うことは難しくなる。

そのため春になると、委員や係を回避するために、

「自分はいかに委員をやることが困難な状況にあるのか」

を告白しなければならないという儀式(?)が行われていたりする。

立候補もなく、話し合いも不調に終わると、くじ引きなどで委員が決められる。

そのときに、不登校の子どもの親がターゲットにされることがある。

不登校の子どもの親は、仕事を辞めたり、働き方を変えたりする親が多い。

そのような親だからこそ、

平日の昼間に時間を作って委員活動ができるだろうと思われ、

委員に推されることがある。

不登校の子どもの親からは、子どもが学校に行っていないのだから、

PTAは関係ないだろうと思って、委員会に参加しなかったところ、

知らないうちに委員になっていたなんて話を、何度も聞いたことがある。

 

子どもが学校に行かない、行けない、

すなわち、他の子と同じことをしていないということが、

これだけ、子どもだけでなく、親にも負担がかかるということです。

 

写真に意味はありませんが、

リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、

手元にあった写真を適当に貼っています。