この本、様々な人が「先生」について語っています。
すごくステキな本だなと感じましたが、この本からとったメモはありません。
ないというのは正しくなくて、
読み終わってから、ページをめくって、一つだけ書き留めました。
それは、寮美千子さんの書いた「先生!」にありました。
寮美千子さんの本は、感動的で、自然と涙があふれてきます。
この本のその部分でも、目頭が熱くなりました。
きっと、過去にもここに書いているだろうと思ったのですが、
「寮美千子」でヒットしたのは、この二つだけでした。
「先生!」に書かれていた詩は、
本のタイトルだけでしか、触れられていなかったのです。
<Tip & Episode> 人はみんな純真無垢な赤ちゃんだった① - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
期待するということの重さ - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
それは、このある受刑中の少年の詩です。
------------------------------------
くも
空が青いから白をえらんだんです
-------------------------------------
寮美千子さんの言葉が続きます。
------------------------------------
驚いた。
省略の効いた、なんという美しい一行詩だろう。
------------------------------------
私も、なんと美しい詩だ!と感じました。
しかし、この詩は生易しい詩ではなかったのです。
その少年は、こう語っています。
-------------------------------------
ぼくのおかあさんは、今年で七回忌です。
おかあさんは体が弱かったけれど、
おとうさんは、いつもおかあさんを殴っていました。
あかあさんは、亡くなる前にぼくに
「つらくなったら、空を見てね。わたしはそこにいるから」
と言いました。
ぼくは、おかあさんを思って、この詩を書きました。
-------------------------------------
上に添付したブログに、竹下教官のこの言葉があります。
-------------------------------------
「生まれつき真っ黒い心を持って生まれてくる赤ちゃんなんていないんです。
みんな真っ白な心を持って生まれてくる。
それが、生育の過程で傷ついてしまう。
その傷をうまく癒せないと、心が引きつれて歪んでしまい、
犯罪に至ってしまうのです」
--------------------------------------
大人は、子どもの将来を奪ってはいけないのです。
大人が大人である意味は、特に親となった大人である意味は、
これに尽きるのではないか、私は、そう思います。
虐待はもってのほかですが、
よかれと思って子どもの将来を傷つけていることもあります。
結局、行きつくところは、「子どもの権利」です。
子どもは親の所有物ではないし、
大人は、子どもはひとりの人格であることを忘れてはいけないのです。