これは、<Tip & Episode> 価値感とつきあう⑥
として書く予定でしたが、これにつながるものが出てきたので、
タイトルを新たにして書くことにしました。
『人生の秘密』(山崎啓支著)からの要約
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私たちは、ピュリティ(本当の自分)の存在でありながら、
エゴという厚い衣をまとって生きている。
私たち人間は存在自体が【エゴ = 葛藤(光と影のせめぎ合い)】
生きていること、それ自体が葛藤そのものであり、
自分の内側の光と影のせめぎあいがやむことはない。
その葛藤がやむとき、それが、ピュリティの状態であり、
光と影はそこで溶け合い、ピュリティのエネルギーとなる。
エゴとは何のためにあるのか?
エゴとは味わいつくすためにある。
エゴをつくりだしたのは、ピュリティそのもの。
<人生とは壮大に仕組まれたパズル>
人は生まれると同時に膨大なパズルのピースを与えられる。
その解き方も本当はすべてわかっているはず。
しかし、それをわざわざ忘れて、この世に生まれてくる。
そして、一生を通して、試行錯誤を繰り返しながら、パズルを解いていく。
すべてのピースがあるべき位置にはまったとき、
本来の存在である「ピュリティ」に戻る。
しかし、生まれた時と同じピュリティではない。
すべての体験を味わいつくし、消化しているから、
生まれた時よりも進化・成長したピュリティがそこにいる。
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ピュリティとは、本来の自分であり、
すべての鎧を脱ぎ去って出てくるものということです。
この本は論理的に書かれた本なので、実感がわかない感じはあります。
そして先週、稀有な体験をもとにして書かれたこの本に出会いました。
『あふれでたのはやさしさだった』
奈良少年刑務所 絵本と詩の教室
寮美千子著
ここから引用したのは、この昨日のToday's Tip 1991です。
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受刑者たちから教えてもらったことは多々あった。
なにより「人は変われる」「人間は本来やさしい生き物だ」
と信じることができたのは大きかった。
竹下教官はこう語る。
「生まれつき真っ黒い心を持って生まれてくる赤ちゃんなんていないんです。
みんな真っ白な心を持って生まれてくる。
それが、生育の過程で傷ついてしまう。
その傷をうまく癒せないと、心が引きつれて歪んでしまい、
犯罪に至ってしまうのです」
少年院勤務時代、竹下教官はある少年に、
「先生、変わらなくていいんですよ。元に戻ればいいんです」
と言われたとき、自らの鱗が落ちたという。
「それまでのぼくは”変わりなさい”って言ってきました。
でも、それはその子を否定することになりかねない。
彼らも自信がないので、
目に見える結果ばかり追い求めて苦しくなりがちです。
そうではなくて、身につけてきたよけいなものを取り去り、
もう一度赤ちゃんの心に戻る。元に戻るということが大事なんです」
そうか。教室にやってきた彼らは、変わったのではなかったのだ。
本来の自分に回帰していったのだ。
だから、あんなに芯から輝いて見えたのだろう。
「愛されたい」という気持ちが、彼らの本質だった。
自分のその気持ちに素直になるほどに、
仲間を思いやるやさしさが自然とあふれてきた。
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毎日の学童保育で、小1-2年生の子どもたち、
親の愛情に恵まれた子どもたちと一緒にいると、
本来の自分の大切さがよくわかります。