前回の学びのお散歩で、オランダの教育で大切にされている
「自立心」とは何かについて学びました。
『世界一子どもが幸せな国に学ぶ 愛を持って見守る子育て』
(リヒテルズ直子著 カンゼン)から、引き続き学びます。
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オランダの小学校は、4歳の誕生日を迎えると、その翌月から一人で入学します。
多くの小学校では、4~6歳の子どもたちが同じ教室で学んでいて、
新しく4歳になったばかりの子が一人で入学してくると、
少し年上の同級生が、マンツーマンで学校生活のいろいろなことを教えます。
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オランダは、この辺りからして変わっていますね。
幼稚園や保育園がないのかというとそうではないようです。
世界で一番、子どもが幸せな国。オランダの保育とは?|お役立ち保育コンテンツ|保育士の転職求人なら「保育ぷらす+」 (hoikuplus.com)
オランダは世界一子どもが幸せな国なんです。
それに比べて、日本はかなり悲しい状態にあります。
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日本の子ども(11~15歳)の約30%が、
「いつも」または「ときどき」孤独を感じているという調査結果が、
ユニセフから発表されたのは2007年。
他の先進国では、この比率は5~10%でしたので、
日本だけ、孤独を感じている子どもの数が極端に多かったことが、
報告書でも心配されていました。
その頃、日本の新聞では、OECDが行ったPISAという学力到達度調査で、
日本の子どもたちのランキングが、
トップから少しだけ下がってしまったことで大騒ぎ。
子どもたちの孤独は、あまり話題になりませんでした。
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世間が子どもの幸せを軽んじているのではないか、
そんな感覚になってしまいます。
だから、日本の子どもは、幸せ感が薄いのかもしれません。
週末に読んだ本に、そのことを感じさせることが、多く書かれていました。
これは、後日のお散歩の道筋になります。
オランダの話に戻ります。
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オランダの小学校では、高学年になるまで、宿題を出しません。
学校の勉強は学校にいる間にするもの。
家に帰ったら友だちと遊んだり、スポーツクラブに行ったり、
音楽や絵画など、学校でできない活動を楽しむのが当たり前。
塾に通わせる親など、一人もいません。
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それでも学力は高いレベルにあります。
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オランダの子どもたちの学力は、
ヨーロッパの中では、フィンランドに次いで第2位。
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そこには、根っこにあるしっかりとした教育への考え方と、
子どもたちの理解度を上げるための工夫があるのです。
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週に一度、授業の中で自分が苦手な科目について、
先生に質問して教えてもらう時間が設けられています。
「わからない」生徒に、あの手この手を使って、
「わかるまで」教えることこそが、学校の先生の仕事。
それに対して、決まった時間に決まったことを仕上げるのは、生徒自身の責任。
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それをなしえるのは大人ですが、
その大人自身の考え方、行動に一貫性があります。
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- オランダ人は残業が本当に嫌い。
- オランダ人の時間当たりの生産効率は世界一。
- オランダ人労働者の生産効率は、日本人の約1.5倍。
- 40年ほど前までは、オランダの学校も、日本と同じように画一的一斉授業がほとんどで、教科書中心の授業だった。
- でも、その頃から親たちは、イエナプラン教育、ダルトン教育などに関心を示すようになり、従来の受け身の授業方式から、子どもたちが教室で自由に動き、自ら積極的に自立して学習に取り組むような現在の方式へと少しずつ変わっていった。
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そういう親たちの考え方や想いが、
国としての教育の制度につながっていったのでしょう。
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公立校でも私立校でも、親はまったく授業料の支払い義務がなく、
どちらのどんな学校を選んでも、
すべての教育が国の補助金で賄われるという仕組み。
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私自身、1,990年代に6年半ドイツにいたときに、オランダにはよく行きました。
個人的に、とても好きな国でした。
それは、仕事上だけでなく、
プライベートでも親しくなれた人たちがいたからです。
- オランダ人は、とてもオープンで、すごく合理的な考え方をしています。
- いいものはいい、いいんだからやったらいい、とてもシンプルでクリア。
- フレンドリーで、かつ先進的で、チャレンジ精神旺盛です。
- 家庭生活を大切にしています。
リヒテルズ直子さんは、「イエナプラン」を日本に紹介した人でもあります。
イエナプランについては、このブログでも何度も取り上げてきました。
世界一幸福な子供を育むオランダの「イエナプラン教育」とは - せかいじゅうライフ-海外移住をもっと身近に世界で暮らす情報メディア- (sekai-ju.com)
この情報を見ても、うらやましい限りです。
想いのある人が学校をつくることができる、
そして、保護者や子どもに、学校を選ぶ権利と自由があり、
選択肢が豊富にあるということです。
「遊びがない」という言葉があります。
日本には、「遊びがない」という表現が当てはまる感があります。
逆に、「遊びがある」、心に余裕をもって生きているのが、
オランダ人であると言えるでしょう。