今回はこの本から学びます。
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かつてオランダの学校教育を知るために、メディア数社の論説委員とともに、
オランダの教育者や学校を見学したことがある。
ちょうど日本では、厳しい校則が問題になっていたときだった。
行くさきざきで、「校則はありますか」という質問をくり返した。
どこに行っても校長からは同じような言葉が返ってきた。
「校則はあります。それは “ 人間らしく行動する “ ということです」
驚いて、
「それだけですか」「人間らしく行動するとは、具体的にどんなことですか」
と私たちは矢継ぎばやに質問した。
「それは生徒が自分で考え、自分で決めることです。
あまり細かい規則をつくると、生徒は自分の頭で考えなくなるので、
つくりません」
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「イエナプラン教育を語ろう」の会をやっていますが、
日本でも、オランダの教育に対する考え方が採用され、
自由な教育が広がってほしいと思います。
世界一幸福な子供を育むオランダの「イエナプラン教育」とは - せかいじゅうライフ-海外移住をもっと身近に世界で暮らす情報メディア- (sekai-ju.com)
- 学校設立の自由が憲法で保障されているオランダでは、200人の子どもを集めれば誰でも自由に学校を設立できます。
- 教育理念・方法の自由も保障されているため、各々の学校で個別のカリキュラムが採用され、オルタナティブ・スクールも広く普及(全体の学校の一割)しています。
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学校教育だけではない。老人介護の問題も同様である。
このお年寄りにはこういう介護が必要だと家族が訴えても、
また本人が求めても、介護度が1から5までランクづけされて、
それぞれランクごとの介護メニューが決められている。
介護度1の人は介護度1のメニューからしか選択できない仕組みである。
つまり日本の精度は、一人一人の人間の当事者性を大切にする、
尊重するシステムではなく、すべての精度が、制度を維持するためにある。
別な言い方をすれば、
国家のために個人の当事者性が無視されているといっても過言ではない。
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これについては、私にはよくわかりません。
ただ、私の父は、パーキンソン病で長年施設で寝たきりで亡くなりました。
胃ろうをつけていたので、やりようはないと思いますが、
介護が作業というような感じで、やるせない思いがありました。
母は、田舎でグループホームに入っていますが、
個人として、とてもよくしてもらっています。
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つねに目標を掲げ、課題を与えられて、
それに到達しようと努力する企業社会の論理、
そして課題を達成したときにほめられ評価される学校的な価値観は、
社会全体にまで浸透し、家庭や家族は、
そうした学校教育の下請け機関になってしまった。
降りていく生き方とは逆に、
つねに上昇していくのが人間として当りまえの生き方であるとされ、
日本社会は、その価値観によって高度成長を達成したといってよい。
そうした生き方や発想について、
私たちは何の疑問も持たず当然と受け止めてきた。
しかし、だからといって、幸せであり、満足した生活をしているだろうか。
一人ひとりの人間は、競争させられ、管理され、
歯車の一部になることで人間性を削ぎおとされ、
その結果、生きづらさを感じているのが現実ではないだろうか。
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<向谷地さんのことば>
私たちは近代化や合理化を通じて、
人間として本来持っている基本的に大切なもののうえに、
学歴とか経済力とか便利さとかを、
オプションのようにプラスアルファの価値として身につけてきたわけです。
回復するということは、人間が人間であるために、
そういう背負われた余計なものをひとつずつとり去って、
本来の自分を取り戻していく作業なんです。
何をしたらよいか、何をしてあげなければならないかではなく、
何をしない方がよいか、何をやめるか、
つまり足し算ではなく、引き算が「ぺてる」のキーワードです。
それが降りていくということでもあり、そうすることによって、
人間が本来持っている力を発揮できるようになっていく、
という考え方なんです」
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「生きる力」を身につけるためには、
小さい頃から、足し算の時間が必要だと思います。
足し算の時間を過ごす@滝乃川学園 - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
それが、「引き算の生き方」「降りていく生き方」
ということになるのではないかと感じています。
これは、Sol Cafe 『幸せの栖』の根底の想い
「すべての人が人間らしい豊かな人生を育る」
ともつながります。
では、どうすればいいのか?
そのための教育環境を子どもたちに提供することが大事です。
それは大人の学びの場、大人自身の成長の場でもあるのです。