先週もドリームマップ授業に行ってきました。
「幸せ」とは② うれしい出来事 - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
かつて書いたブログには、このように書いています。
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昨日も少し感じたことですが、ドリマ授業では、
先生が、日々気苦労されているのだろうなと感じることがあります。
ドリマ先生は、先生の応援団でもある
ということを最近より強く感じるようになっていす。
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そして、先週、ものすごくそれを感じたのです。
若く経験の浅い先生だったこともありますが、
一日のドリームマップ授業を通して、子どもの変化以上に、
先生の変化のほうが大きかったと感じられるほど、
当日、毎日一緒に過ごしている子どもたちの中に、
たくさんの新たな発見をされたのだと感じました。
このブログに書いているこんなことが、先生に実際に起こったとすれば、
こんなにうれしいことはありません。
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先生は、日々、子どもたちが成長できるように、あれもしなければ、
これもやらせなければと考え、動かれています。
また、子どもたちに関わるだけでなく、事務作業や保護者対応の仕事も多く、
相当な気苦労と疲労感があるのではないかと思います。
一番大事なのは、先生ご自身が元気でイキイキしていることです。
私はそう思っていて、先生から子どもたちはエネルギーをもらい、
先生はそんな子どもたちから、より大きなエネルギーを返してもらうことで、
みんなが幸せで豊かになっていくのではないかと思っています。
だから、ドリマ授業によって、子どもたちがイキイキすることで、
先生にも元気になってもらいたいと思います。
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この本の中で出てくるのは、
学校の先生は3つの関係の中で生きているということです。
- 児童生徒との関係
- 保護者との関係
- 教員同士の関係
あたり前ですが、人それぞれ全員違っています。
極端に違う場合もたくさんあります。
私も、すでに62回ドリームマップで小中学校に行っていますが、
同じも状況は一回もありません。
学校ごとに違うのは当然ですが、毎年連続で行く同じ学校でも、
特に生徒の様子や行動は、かなり違っているというのが普通です。
ひとつの学校でも、クラスによってこんなに違うのと思えるくらい、
クラスによって違っているのです。
まれにですが授業にならないケースもあれば、
さまざまな児童生徒が、ある意味苦しんでいる姿が多々あります。
先生にもいろんな先生がいます。
学年で先生方がチームになっていないなと思えることもあります。
子どもたちの保護者も様々でしょう。
このような体験から考えると、
毎日を、この3つの関係性の中で頑張っておられる先生は、
本当に苦労が絶えないと思います。
また、この本には、このようなデータもありました。
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「令和元年における公立学校教職員の人事行政の状況調査について」(文科省)
- 2019年度 精神疾患による病気休職者数 5,478人(全教職員のうち0.59%)
- 2001年度の2,503人からすると倍以上
「令和元年度学校教員統計調査(中間報告)の公表について」(文科省)
- 2018年度の公立幼稚園・小・中・高校の離職者のうち精神疾患を理由とするものは817人(病気離職者の67.0%)
- 全体の離職者数は減少している中で過去最多を記録
警察庁調査
- 自殺に及ぶ教員は2019年 96人。人口全体の自殺率と比べると高くはないが、他の職種に比べ、健康問題(39.6%)と並んで、「仕事疲れ」「職場の人間関係」など勤務関連の比率が自殺原因構成において、著しく高い(41.7%)。
OECD「国際教員環境調査(TALIS)」
- 34か国・地域の平均の週の勤務時間 38.3%
- 日本 53.9時間
国立教育政策研究所 2014調査
- 教職員の自己評価が低い。
- 「学級内の秩序を乱す行動を抑えている」 OECD平均 87.0%、日本 52.7%
- 「生徒に勉強ができると自信を持たせている」 OECD平均 85.8%、日本 17.6%
- 参加国平均 勤務時間の半分を授業に使う。日本は3分の1程度。
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私が通っている放課後子ども教室のある小学校の教員室は、
よくはわかりませんが、私は雰囲気は悪くないと感じています。
先生方が、3つの関係性の中で、
やりがいを感じながら毎日を過ごされていればいいなと思っています。
この本では、11人の人たちが、
それぞれの専門分野の観点から学校について語っています。
その中で一番印象に残ったのが、
3番目の物語「教師からつながりを求める」の岡崎茂さんのこの言葉でした。
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そのころに出会った同僚は折に触れて、
私に「それは子どもにとって良いことなのか?」と問うてきました。
そして、「子どもにとってよいことなら全面的に協力するが、
大人優先の考えならば徹底的に反対する」と、私に語ってくれました。
目の前の子どもたちの思いや暮らしが最も大事なのだということを、
常に教えてくれました。
やがて、「それは子どものためになるのか?」という指標は、
私の大切なキーワードとなりました。
生徒指導、人権教育、特別支援教育などや
教科教育も含めた学校で行う教育活動のすべてが、
「子どもの最善の利益」になっているかどうかという視点が大切であり、
「子どもの人権」という文脈で、
自ら教育活動を変えることができるようになっていく礎ができた
30代の教員生活でした。
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「それは子どもにとってよいことなのか?」
常に問いとして持っておきたいと思っています。
学校の先生たちは、
どんな問いを持ちながら日々子どもたちと過ごしているのでしょう。
今の学校システムの中で、かつ複雑な3つの関係性の中で、
少なくとも「子ども一人ひとりにとってよいこと」を
常に全うするのは、そう簡単なことではないでしょう。