【学びの時間】本能を磨く③ 夢をかなえる内なるやる気

これまでの2回は、

『子どもも才能は3歳、7歳、10歳で決まる!』(林成之著 冬幻舎新書)

からの学びだった。

 

子どもをもとうとしている人、子どもを持つ親たちに、

この本を読んでもらいたい、そう思っている。

私自身を振り返ってみると、

私の頃には、このような本はなかったし、

あったとしても、読まなかったのだと思える。

父親である前に、男としてほかに大切なものがあったから。

それは今からして思えば、奢りだったと思う。

そんな述懐を込めながら、淡々と学んだものを書いてみた。

 

今回は『勉強する気はなぜ起こらないのか』

(外山美樹著 ちくまプリマー新書)からの学びである。

 

<外からのやる気と内からのやる気>

心理学的には、「外的動機付け」と「内的動機付け」である。

こんな感じで、外からのやる気の種類がとても多いのである。

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  • 外からにやる気は、その目的が他にあるため、目的が達成されたり、それ自体がなくなったりした時点で、自発的に行動しなくなる。
  • 内からのやる気は、外的な報酬は必要なく、そこから得られる達成感や充足感が報酬となる。楽しさ、面白さが、その行動を引き起こす原動力となる。

 

<最上位目標(長期目標)>

  1.  経済的成功:お金持ちになりたい、いい暮らしをしたい
  2.     社会的承認:有名になりたい、えらくなりたい
  3.     魅力的外見:きれいに(かっこよく)なりたい、魅力的になりたい
  4.     親和:家族とよい関係を築きたい、友だちと楽しく過ごしたい、恋人と仲良く過ごしたい
  5.     健康:健康でいたい、長生きしたい
  6.     社会的貢献:人のことを助けたい、まわりの人を幸せにしたい
  7.     自己性成長・受容:人間として成長したい、よりよい人生を生きたい

このうち1〜3が外発的目標で、4〜7内発的目標である。

 

心の健康という面では、外発的目標 < 内発的目標

 不安や抗うつが小さい、人生での満足感が強い、友人・恋人関係が良好など

達成する困難さは、外発的目標 > 内発的目標

 それは、達成しても、さらに上を見て他者比較・競争に陥るから

 

<下位目標(具体的、短期的な目標を段階的に設定する)>

  • 具体的数字をあげたり、期限を明確にすることで、行動につながりやすく、達成度を自分で把握できる
  • 自分の能力にあったレベルで目標を設定する。簡単すぎない、ちょっとチャレンジングな目標
  • 他者との比較ではないない目標を設定する
  • 「遂行目標」:ライバルに勝利する、テストで10番以内に入る 目標達成を自分でコントロールできない
  • 「熟達目標」:連立方程式が解けるようになる、二段飛びができるようになる 自分でコントロールできる

 

<3つの欲求>

人間には誰しも、「有能感」「関係性」「自律性」の欲求がそなわっていて、

その欲求が満たされると、心の健康が保たれると考えられている。

  • 有能感の欲求:自信を持ちたい、いろいろなことができるようになりたい
  • 関係性の欲求:まわりの人と親密で協力的な対人関係を築きたい、人のつながりを感じたい
  • 自律性の欲求:自分の行動が外からの働き、たとえば、環境やまわりの人によって起こされるのではなく、自ら行動を起こしたいという欲求

 

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この本もとても分かりやすい内容だったので、ありがたい。

 

ドリームマップは、自分の好きを知り、自分のいい面を見つけたうえで、

最上位目標を夢として描き、

下位目標を、夢をかなえるための行動として設定する。

その裏付けが、ここに書かれている内容だったと思う。

 

動物を見ていると、本能で生きている。

そういう意味では、内からのやる気で生きているといえよう。

やる気がなくなれば、生きて行けない。

外からのやる気で、何とか生きていこうとしているのは人間くらいだろう。

でも、外からのやる気だけでは生きて行けるとは思えない。

「本能を磨く」と「心を大切する」を大事にしたいものである。