これまでの2回は、
『子どもも才能は3歳、7歳、10歳で決まる!』(林成之著 冬幻舎新書)
からの学びだった。
子どもをもとうとしている人、子どもを持つ親たちに、
この本を読んでもらいたい、そう思っている。
私自身を振り返ってみると、
私の頃には、このような本はなかったし、
あったとしても、読まなかったのだと思える。
父親である前に、男としてほかに大切なものがあったから。
それは今からして思えば、奢りだったと思う。
そんな述懐を込めながら、淡々と学んだものを書いてみた。
今回は『勉強する気はなぜ起こらないのか』
(外山美樹著 ちくまプリマー新書)からの学びである。
<外からのやる気と内からのやる気>
心理学的には、「外的動機付け」と「内的動機付け」である。
こんな感じで、外からのやる気の種類がとても多いのである。
- 外からにやる気は、その目的が他にあるため、目的が達成されたり、それ自体がなくなったりした時点で、自発的に行動しなくなる。
- 内からのやる気は、外的な報酬は必要なく、そこから得られる達成感や充足感が報酬となる。楽しさ、面白さが、その行動を引き起こす原動力となる。
<最上位目標(長期目標)>
- 経済的成功:お金持ちになりたい、いい暮らしをしたい
- 社会的承認:有名になりたい、えらくなりたい
- 魅力的外見:きれいに(かっこよく)なりたい、魅力的になりたい
- 親和:家族とよい関係を築きたい、友だちと楽しく過ごしたい、恋人と仲良く過ごしたい
- 健康:健康でいたい、長生きしたい
- 社会的貢献:人のことを助けたい、まわりの人を幸せにしたい
- 自己性成長・受容:人間として成長したい、よりよい人生を生きたい
このうち1〜3が外発的目標で、4〜7内発的目標である。
心の健康という面では、外発的目標 < 内発的目標
不安や抗うつが小さい、人生での満足感が強い、友人・恋人関係が良好など
達成する困難さは、外発的目標 > 内発的目標
それは、達成しても、さらに上を見て他者比較・競争に陥るから
<下位目標(具体的、短期的な目標を段階的に設定する)>
- 具体的数字をあげたり、期限を明確にすることで、行動につながりやすく、達成度を自分で把握できる
- 自分の能力にあったレベルで目標を設定する。簡単すぎない、ちょっとチャレンジングな目標
- 他者との比較ではないない目標を設定する
- 「遂行目標」:ライバルに勝利する、テストで10番以内に入る 目標達成を自分でコントロールできない
- 「熟達目標」:連立方程式が解けるようになる、二段飛びができるようになる 自分でコントロールできる
<3つの欲求>
人間には誰しも、「有能感」「関係性」「自律性」の欲求がそなわっていて、
その欲求が満たされると、心の健康が保たれると考えられている。
- 有能感の欲求:自信を持ちたい、いろいろなことができるようになりたい
- 関係性の欲求:まわりの人と親密で協力的な対人関係を築きたい、人のつながりを感じたい
- 自律性の欲求:自分の行動が外からの働き、たとえば、環境やまわりの人によって起こされるのではなく、自ら行動を起こしたいという欲求
この本もとても分かりやすい内容だったので、ありがたい。
ドリームマップは、自分の好きを知り、自分のいい面を見つけたうえで、
最上位目標を夢として描き、
下位目標を、夢をかなえるための行動として設定する。
その裏付けが、ここに書かれている内容だったと思う。
動物を見ていると、本能で生きている。
そういう意味では、内からのやる気で生きているといえよう。
やる気がなくなれば、生きて行けない。
外からのやる気で、何とか生きていこうとしているのは人間くらいだろう。
でも、外からのやる気だけでは生きて行けるとは思えない。
「本能を磨く」と「心を大切する」を大事にしたいものである。