『宿命を生きる若者たち』土井隆義著 岩波ブックレット
から、たくさんののメモを取ったとき、感じるものがあって、
「未来は明るいと思える理由」という形で書いていこうと思いました。
しかし、メモを見返すと、その内容が消化不良になっている感じがします。
だから、一旦、
「未来は明るいと思える理由」というタイトルで書くのは保留にして、
とりあえず書いたメモを整理する意味で、ここに出していこうと思います。
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かつての一億総中流神話が崩れ、格差が拡大している。
グローバル化とインターネット環境が進行するなかで、
日本国内でも制度的な枠組みが揺らぎ、
流動性が高まってきた結果と言われるが、
流動性の高まりによって階層間の移動が容易になっているわけではなく、
その流れに反して固定化しはじめている。
子どもや若者をめぐる貧困問題や学習格差が深刻さを増し、
人びとの前に大きな壁として立ちはだかっている。
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また、厳しさ、理不尽さもあります。
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昨今では、就活、婚活、妊活、終活といった言葉に典型的に表れているように、
人生のあらゆる局面で自助努力が求められる。
しかし、その能力を身につけるための環境が、
みんなに等しく開かれているわけではありません。
現在の日本に蔓延するこの自己責任主義こそが、本来、
環境さえ用意されていれば身につけられるはずの能力を彼らから奪っている。
自己責任の名のもとに、その環境が提供されていないから。
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生活の難しさ、生きづらさが進む中で、不可思議な現実があります。
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一方、この10年余り、日本の少年刑法犯は激減している。
成人の刑法犯も、それほど大きくはないが減少している。
この40年間、日本に暮らす人びとの生活満足度は上昇している。
若年層ほど上昇の度合いが大きい。
中学生・高校生の生活と意識調査によると、
自分を幸福と感じる中高生は、この20年間ずっと増え続けている。
国民生活に関する世論調査によると、
- 現在の生活に満足・まあ満足 74.4%
- 18~29歳まで 83.1%
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いくつもの小中学校でドリームマップをやっている身として、
ずっと不思議に思ってきたことは、
9-15歳のレンジの子どもたちの自己肯定感の低さです。
元気そうに見える子たちの、
自分をどれだけ好きかを表すコップの水の少なさが、
どうして起こっているのか、ずっともやもやしています。
放課後子ども教室で接している6-9歳の子どもたちは、
自己肯定感の塊のようにみえます。
一方、ドリームマップで接する9-15歳くらいまでの子どもたちの、
コップの水は、思いのほか少ないと感じます。
当然、水の多い子もたくさんいるし、極端に少ない子もいます。
その違いにとどまらず、全体を見たときに、
もっともっと多くあってほしいという期待感があるからか、
とても少なく感じるのです。
しかし、上記のデータから見ると、
高校を卒業するころには、現在の生活に満足・まあ満足の人が、
8割以上を占めるようになっていくようです。
確かに、自己肯定感の高さと生活への満足度は違います。
そこには何らかの諦めがあるのでしょうか?
写真に意味はありませんが、
リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、
散歩中に撮った写真を適当に貼っています。