【学びの散歩道】子どもたちの将来は大丈夫なのだろうか?(15) いい会社の出発点

「子どもたちの将来は大丈夫なのか?」として、

この内容を書くつもりではなく書き始めたのですが、

結果として、その散歩道のひと時の道草のようになったので、

投稿前にタイトルを変えました。

 

この物語も、それにつながっています。

 

【学びの時間】誰も置き去りにしない「いい会社」 - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)

この「久遠チョコレート」の原点はここにありました。

東京都立図書館から届いたこの本は、カバーもなく、

かなり古典的に見えましたが、発行日は2001年でした。

久遠チョコレートを創業した夏目氏が、

この本を読んで強烈な感銘を受けたのが、

「いい会社」への出発点だったのです。

 

『小倉昌男の福祉革命』(建野友保著 小学館文庫)から、

2か所、メモを取りました。

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小倉の要請を受けて、ヤマト運輸本社で1997年8月に

「パン製造販売会社プロジェクト」が立ち上がった。

しかし、同年11月に突然中止になった。

どうすれば障害者が働くベーカリー経営がうまくいくのか

という前向きな検討ではなく、

できるかできないかを慎重に検討していたプロジェクトの進め方に

小倉のイライラが頂点に達したのである。

「やる必要があるのかないのか、やっていいか悪いかは、

最初に直感で決めること、データを集めてから、判断するものではない」

というのが小倉の考え方だ。

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私が会社勤めしていたときも感じていましたが、

多くの会社は、できるかできないかを考えすぎていたと思います。

それは、リーダーシップの欠如だと思います。

四半期決算などの短期の経営志向で、

直感に頼った経営などもってのほかと思われていたからです。

大事なのは、何のためにそれをする必要があるのかであって、

詳細に分析した結果として、やるかどうかを決めるものではないのです。

やれない理由を追い求めるのではなく、

やるためにどうするかに知恵を出し合うという姿勢が、

失われてきつつあるのではないか、

それは、自分の意見を言えない環境・慣習が

生まれているからなのではないでしょうか。

そして、バイタリティが失われ、日本の企業の競争力も失われてきました。

日米の金利差だけではなく、その結果の円安なのだと思います。

 

【学びの散歩道】子どもたちの将来は大丈夫なのだろうか? 早期発見の大切さ - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)

ここに書いた逸材の人たちは、

画一的一斉授業の環境からは生まれないといえます。

「クロネコヤマトの宅急便」の」生みの親であり、

スワンベーカリーの創設者である小倉昌男という人も、

久遠チョコレートの夏目浩次という人も、

個性を存分に伸ばしてことができたからこそ、

こんな「いい会社」がいま存在てきているのです。

 

夏目氏の出発点は、この本だったのかもしれませんが、

本当の意味での出発点は、小倉氏、夏目氏という個の存在だと思います。

 

小倉昌男をうならせた小島靖子という人もしかりです。

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十条店には、様々な個性の知的障碍者が働いている。

小島(十条店の店長 小島靖子)が、特別に,

キャラクターの強い人間や個性のある人間だけを選んできたわけではない。

本来ならだれもが持っているはずの個性が引き出され、

職場のみんなに受け入れられ、

個性を発揮することが仕事の成果に直接結びつくことを心かけているから、

結果的に各々の個性が際立って見えるだけのことだ。

これは一般企業にとっても耳の痛い話ではなかろうか。

個性を活かした経営、というフレーズは常套句として頻繁に登場する。

だが、社員の個性や適性が見出されていないまま仕事が与えられ、

疲弊しているものに比べれば、

十条店で働く彼らの方が、

ずっと働く喜びを噛みしめているし、戦力になっている。

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この本の内容は、スワンベーカリーに行ってみてから、

ブログに書くつもりでしたが、しばらくは難しそうです。

店舗数が限られていて、自宅の近くにはありません。

経営上の問題なのでしょうが、ヤマト運輸の会社のあるところなので、

結構駅から遠かったりします。

なおかつ、営業日は平日のみ、土日祝日はお休みというところが多いからです。

株式会社スワン (swanbakery.co.jp)

そのうち機会ができたら、カフェのあるところに行ってみます。

 

GDPがどうのこうのというのは、そんなに大事だとは思えませんが、

事実として、人口が3分の2ほどのドイツに抜かれました。

闇アルバイト的な犯罪が横行し、

弱者からいかにお金をむしり取るかに知恵を絞る人が、

こんなにも多いのかと思えるくらい犯罪件数、被害が広がっています。

政治は、あきれるくらい混乱し、失墜してしまったともいえるでしょう。

 

みんなが心豊かに充実した人生を送ることのできる社会にするには、

どうしたらよいのでしょうか?

 

『子どもが自立できる教育』(岡田尊司著 小学館文庫)の第6章は、

「この国の再生は教育から」です。

私もそうだと思います。

教育の成果が現れるのは、何十年も先でしょう。

しかし、それが一番効果的で近道ではないかと思います。