まったく関係ないように見える二つのメモが、
なんだかつながっているように見えたので、
あっちこっちに行きながら「思考の散歩道」を歩いてみることにしました。
沈没船のジョークというのがあります。
一般的にはこんなものですね。
- アメリカ人:「あなたは飛び込めばヒーローになれますよ」
- イギリス人:「あなたは紳士になれますよ」
- ドイツ人:「あなたは飛び込まなくてはなりません。それがルールです」
- フランス人:「飛び込んではいけません」
- イギリス人:「のちに多くの女性から愛されますよ」
- 日本人:「ほかの人はみんな飛び込んでいますよ」
日本以外の国はいかにも個人主義的で、あなたにとって何が得かが大事,.
日本だけ、自分よりみんなと一緒が大事で、個性はどこへやらという感じ。
どちらがいいということではないのですが、日本人のあり方が気になりますね。
それは、自分というものの存在が見えてこないからです。
特にネット社会では、その傾向が強まってるとも感じています。
ジョークとしては秀逸だと思いますが、それを横に置いてみると、
大事なのは、飛び降りた後どうするかではないでしょうか。
『スピノザの診察室』(夏川草介著 水鈴社)
にこんなことが書かれていました。
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「人は無力な存在だから、互いに手を取り合わないと、
たちまち無慈悲な世界へ飲み込まれてしまう。
手を取り合っても世界を変えられるわけではないけど、
少しだけ景色は変わる。
真っ暗な闇の中に、つかの間、小さな明かりがともるんだ。
その明かりは、きっと同じように暗闇で震えているだれかを勇気づけてくれる。
そんな風にして生み出されたささやかな勇気と安心のことを、
人は「幸せ」と呼ぶんじゃないだろうか」
「間違えてはいけないよ。医療はどれほど進歩しても、
人間が強くなるわけじゃない。
技術には、人の哀しみを克服する力はない。
勇気や安心を、薬局で処方できるようになるわけでもない。
そんなものを夢見ている間に、手元にあったはずの幸せは、
あっという間に、世界に飲み込まれて消えていってしまう。
私たちにできることは、もっと別のことなんだ。
うまくいえないけれど、きっとそれは、....」
「暗闇で凍える隣人に、外套をかけてあげることなんだよ」
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まったく関係ないと思われるこの二つのメモから出てきたのは、
「自分を大事に」そして「みんなを大事に」です。
それぞれが、ゆるぎない個性と人格を持っていれば、
すなわち、自分を大事にする人であれば、
沈没船から飛び降りた後、お互いに励ましあうことができます。
暗闇で凍える隣人に、外套をかけてあげることができるのは、
自分を大事にしている人だからできることではないでしょうか。
かつてこんなことを書いていました。
ある風景の裏側:自分の7番目の方角を見る - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
7番目の方向にあるものは変わっていくし、
私の場合も大きく変わってきました。
それを思ったとき、思い出した図があります。
ここに書いた、自分・家族・会社・社会との関係です。
同僚への置き土産⑤ - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
それをもう一回書いてみることにしました。
今朝下書きをしてSol Cafe ノートに書いたものがこれです。
横に言葉で書いていくと、
下書きとは、またちょっと違ったものになってきました。
考えるだけでなく、書いてみることの大切さを感じた時間でもありました。
今は、良い意味での自分中心だと思っています。
将来、コミュニティが形になるにつれ、
また社会の中の自分に戻っていくのかもしれません。
どこへ行くのかわからないまま、さまよい歩いてみました。
【学びの時間】で書いているときは、
何とかまとめよう、まとめようとしていました。
【学びの散歩道】では、まとめることを意識せずに書いています。
これが心地よい感じがしています。