AIは将来への不安、スマホは将来への恐怖といえる、そんな感覚があります。
それは、AIは未体験、まだ初期段階にある、
スマホはすでに現実であるからかもしれません。
両方とも、とても気になる存在です。
スマホについて書く前に、AIについて、いくつかを引用してみることにします。
『言語の本質』(今村むつみ・秋田善美著 中公新書)より
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ロボットはカメラを搭載することができる。
カメラから視覚イメージを得ることができる。
しかし、私たちが対象について知っているのは、視覚イメージだけではない。
触覚も、食べ物なら味覚も、対象のふるまい方や行動パターンも知っている。
このような身に根差した経験がないとき、
人工知能は○○を「知っている」といえるのだろうか?
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知らなくても、答えが出せるのが、AIということですね。
五感や第六感を必要とする答えを、AIに求めようとするなら、
それは、人間側の問題だと思います。
人間が自律できていれば、
すなわち、まず自分の頭で考えることをしていれば、
AIに頼りすぎる、AIに答えを求めることはしないのではないかと思います。
しかし、AIがさらに進化し、あらゆる場面で活用されるようになると、
人間が自律していくことは、かなりハードルが高そうです。
『共感革命』(山極壽一著 河出新書)より
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私たちは考える力や判断力まで、AIに委ね始めている。
人間は徐々に自律的存在から他律的存在になっている。
他律的になれば、あらかじめ立ててくれたスケジュールに従って動くようになり、
あらかじめ集められた情報に従って判断をするのは当然だ、と考えるようになる。
こうなれば、もう機械と同じである。
もっと大変なのは、未来が過去に奪われ始めていることだ。
AIは情報がなければ動けない。
答えを出すときには、必ず過去の情報を分析して未来を予想する。
それはつまり過去に縛られているということだ。
AIはゼロから一を生み出せないから、過去の出来事が未来をつくることになる。
その未来のスケジュールに従って人間が動くのであれば、
私たちはもう自律的に未来を描けなくなるだろう。
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これは、すでに起こりつつあるといってもいいかもしれません。
過去に縛られる、これではよりよい未来は期待できないですね。
『あなたの「眠っていた力」が目を覚ます生き方』
(野口嘉則著 サンマーク文庫)より
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様々な専門分野だけでなく、恋愛問題についても対話が可能なようですが、
その利用が日常的になると、
ますます恥や悔しさや緊張感を経験する場が減るのではないでしょうか。
相手が人間だからこそ、感情が揺れ動くわけで、
AIならどんな的外れの質問や意見でも聞いてもらえる
という”安心感”があります。
それによって勉強や仕事が効率的に進む面もあるかもしれませんが、
メンタルは鍛えられません。
恥や悔しさや緊張感に対する免疫がなくなり、
そういう場面を避けるようになるおそれがあります。
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【学びの散歩道】若者について - Sol Cafe 『幸せの栖(すみか)』 (hatenablog.com)
このブログに書いたことにも関連して、
いまの若者は、想定外を嫌い、失敗を嫌うがゆえに、
いろんな手段で「転ばぬ先の杖」を駆使しようとしているのではないか、
そんな懸念が生まれます。
人間、失敗しなくなったら、
自力では生きていけなくなるのではないかと思えるだけに、
この傾向は由々しき状況とも言えます。
AIの時代になっていけば、この傾向はさらに強まるのではないか、
そんな将来への不安を感じます。
自分自身がAIに触れたことがないのに、
勝手なことは言えないのかもしれませんが、.....
写真に意味はありませんが、
リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、
散歩中に撮った写真を適当に貼っています。