【学びの時間】大きな壁にぶつかったとき

 

「しわ寄せる社会とその時代を経て」を深く考える前に、

昨日読んだ本から学んだものを書いてみます。

「その時代を経て」という部分で、「希望」は一つのポイントとになります。

 

『希望のつくり方』(玄田有史著 岩波新書)に、こう書かれています。

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大きな壁にぶつかったときに、大切なことはただ一つ。

壁の前でちゃんとウロウロしていること。

ちゃんとウロウロしていれば、だいたい大丈夫。

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たぶん「ちゃんと」というのが味噌でしょう。

 

壁の前で、ちゃんとウロウロすれば、

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  • 偶然、壁の下に小さな穴がみつかるかも。
  • 突然、グラッと地面が揺れて、その拍子に壁に亀裂が入り、ガラガラと崩れていくかも、
  • ヘリコプターが来て、ロープが降りてくるかも。

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ということのようです。

 

それは、壁に絶望するでもなく、壁から逃げるのではなく、

壁に向き合うということだと思われます。

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  • 希望は、無駄とか損とかいう計算の向こうに見つかったりする。
  • 挫折を経験しながらも、ときに誰かの力を借りて、試練をくぐりぬけていこうとする行為そのものに、希望は宿る、

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ということなのです。

 

あとがきに、この本で何を言いたかったのかについて、

著者のまとめがありました。

 

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希望は与えられるものではなく、自分(たち)でつくりだすもの。

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では、どうすれば、希望を自分でつくれるのか?

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  1. 希望は、「気持ち」「何か」「実現」「行動」の四本柱から成り立っている。希望がみつからないとき、四本の柱のうち、どれが欠けているかを探す。
  2. いつも会うわけではないけれど、緩やかな信頼でつながったな仲間(ウィーク・タイズ)が、自分の知らなかったヒントをもたらす。
  3. 失望したあとに、つらかった経験を踏まえて、次の新しい希望へと柔軟に修正させていく。
  4. 過去の挫折の意味を自分の言葉で語れる人ほど、未来の希望を語ることができる。
  5. 無駄に対して否定的になりすぎると、希望との思いがけない出会いもなくなっていく。
  6. わからないもの、どっちつかずのものを、理解不能として安易に切り捨てたりしない。
  7. 大きな壁にぶつかったら、壁の前でちゃんとウロウロする。

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この本には、「希望の社会化」という言葉がありました。

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Social Hope is a Wish for Something to ComeTrue by Ation Each Other.

納得がいくまで対話をくりかえし、お互いが尊重されていることを確かめあう。

そして、実現に向けてともに試行錯誤を繰り返しながら、進んでいくこと。

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「その時代を経て」いくための、大きなキーワードは「対話」だと思います。

国内外の情勢を見て、いま一番欠けているものと言ってもよいでしょう。

対話(ダイアローグ)に関する本を、予約して読んでみることにしました。