本屋で見て気になって、図書館に予約を入れたことで、
地元図書館が購入してくれたこの本を読みました。
とてもステキな本だったので、読み終わった後、昨日買ってきました。
ここ一年くらいは本を買っていないので、久しぶりに購入した本です。
この本は、保健室の先生の体験に基づいて書かれたのものです。
背景にはこんなことがありました。
引用というより、要約です。
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- 受容と共感が大事と言われて、そうしているのに、....
- 話を遮ることなく、最後まで聞きなさいと研修で学んだのに、....
- 話をしっかり聞いてあげて、元気に帰ったはずなのに、また同じパターンを繰り返して来室する子。
- 自分の被害妄想ストーリーを延々と話し、そのストーリーでさらに被害者意識を強化するケース。
そんなことが少なくなく、解決のための行動には至らない子がほとんどだった。
そんな保健室の先生が、NLPに出会い学び続けることで、
自分のこれまでの保健室での対応について、
うまくいった事例とそうでない事例には、
ちゃんとした理由があったことに気づいた。
理由の一つは、
「手法」で人を変えよう(=コントロールしよう)としていたから。
また感情や行動にばかり着目してしまい、
相手の感情を何とかしてあげようと考えてしまっていた。
子どもたちが起こしている「現象」をも「問題」としてとらえ、
問題を消そうとしていたことにも気づいた。
人間の「ことば」と「思考」と「行動」の」かかわりを深く理解することなく、
手法に頼ろうとしていたことで、結果として的外れな対応をしていた。
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私も、NLPは、ほんのちょっとだけかじったことがあります。
ワークをやったり、NLPの本も読んだりしましたが、
その程度ではなかなかピンとこなかったのでした。
この本には、多くの事例とともに、
それらのケースに対応するNLPの手法が書かれていました。
実例のエピソードがたくさん書かれていたことで、
NLPの手法への理解度が高まる感じがして、
また、ドリームマップにも大事だと感じたのが、
今回の購入の理由になりました。
ここから本論に入ります。
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多くの子どもたち、大人たちは、
時間の流れを「過去→現在→未来」だと信じている。
その思考が、子どもたちの意欲を奪ったり、あきらめの気持ちを生んでいる。
人生経験の少ない子どもたちは、過去と今をもとに未来を考える。
うまくいかなかった体験や認めてもらえなかった経験という、
過去の延長で未来を見ているので希望が持てない。
そして、今の状態が、これからもずっと続いていくと勘違いしている。
大事なのは、「先に未来を見る」ということ。
今と過去を手放して、ゴール(解決した未来、達成した未来)を
先に描き、逆算してそのストーリーと行動を考える。
ゴールを20年後に設定して、タイムマシンに乗っていく。
- どんなおうちに住んでいるの?
- 家には、他に誰がいるの?
- どんな家族?
- どんな気持ち?
- この毎日を手に入れるのに、一番頑張ったことは何ですか?
今感じている気持ちや体の感覚をじっくりと味わい、体内にインストールする。
そして、今○○年△月◇◇日の自分に一言、メッセージを伝える。
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実は、ドリームマップの小中学生向けのワークブックが改訂されたことで、
今日の午前中に、その改訂内容と、新学習指導要領に基づく、
今後のドリームマップ授業のあり方についてのオンライン説明会がありました。
そして、このコロナ禍の状況にありながらも、
来月からドリームマップ授業の開催日程が決まりつつあります。
改訂内容は、より理解しやすいようにということで、
ほぼこれまでやってきた授業をこれからもやっていくことになります。
ポイントは、全国で実施されるドリームマップ授業を、誰がやっても、
レベルの高い同じ品質で子どもたちに届けられるかということです。
そのドリームマップは、
今の自分を知る、自分の「好き」にじっくり向き合い、
今の自分でいいんだということを感じるワークをやって、
多くは10-15年後の自分の好きをベースにした夢を描きます。
そして、そこに向かっていくために、今日からできる行動を考え、
みんなの前で発表して、みんなから応援をもらうのです。
夢を描くときのポイントは、夢をかなえた自分になり切るということ。
だから、使う言葉は、現在進行形か過去形になります。
しかし、何度も夢をかなえたんだよと言っても、
多くの子が、「○○になりたい」「○○をしたい」と書いてしまいます。
今の自分をベースにすると、どうしても今の延長線上の夢になりがちです。
枠を外すために、未来から考えるということが重要ですが、
「今と過去を手放す」ということは、なかなかできることではありません。
その時、キーになるのが、自分の好きなこと、やりたいと思っていること、
あこがれていること、楽しいと思えることです。
ドリームマップ授業は、この一学期から新ワークブックになり、
守破離の「守」を大事にすることになるようです。
これまで独自にいろいろ盛り込んできただけに、
心配な面がないかというとウソになります。
しかし、やり方より、何のためにするのかが大事です。
私は、今、この本をきっかけに感じたことを、
しっかり無意識にインストールしたいと思い、これを書いています。
私の持論は「未来は変えられない、未来は創るものだから」です。
決まっていない未来を変えることはできないのです。
いまから、未来を自分で創っていくしかありません。
そのためには、夢は叶ったと錯覚することが大事になります。
もし、世界中の人たち全員が、夢を持ち、それがかなうことを信じ、
その夢に向かって行動するようになったとしたら、
きっとステキな世界になっているでしょう。
そうなった世界を現在進行形で考えるには、自分自身が、
今そうなっている(夢に向かって日々を生きている)ことが大事なんです。
自分の「将来」が実現できたら、世界の「未来」もステキなものになります。
未来と将来はちょっと違うようです。
ここでは便宜上、「未来」を使って書きました。
「将来」 特定の人物や団体に対して、これから訪れる部隊的な時間のこと
「未来」 漠然と訪れる時間のこと