『百年の子』(古内一絵著 小学館)を読みました。
この小説の中で、「子どもは誰の所有物でもない」
という言葉が、私には一番重く感じられました。
子どもはひとりの人間であり、人格なんですから。
子どもの人権は、認めらえてまだ百年にも満たないというのが、
どうもこの本のタイトルになったようです。
しかし、調べてみると、百年どころではなく、
法的に言えば、つい最近だということがわかります。
1989年というのですから、驚きます。
人権の歴史と「子どもの権利条約」ができるまで | Child Rights Education | 日本ユニセフ協会 (unicef.or.jp)
子どもの権利を理解しよう | Child Rights Education | 日本ユニセフ協会 (unicef.or.jp)
この小説は、小学館の差し金のような内容ですが、読みごたえがあり、
最後は目頭が熱くなりました。
とってもステキな本で、私の奥さんも感心したようです。
本屋大賞に一推ししています。
その中に、こんな部分がありました。
内容を簡単にまとめてみます。
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文林館では、「学びの一年生」という学年誌を毎月発行。
雑誌の売り上げが、「付録」によって大きく左右される。
それゆえ、学年誌編集部では、付録会議がことさら重要視されていた。
比重が偏り過ぎないように、
男子用と女子用の付録のアイデアを毎月全員でひねり出し、
予算に基づき見本を作り、社長と役員の居並ぶ会議でプレゼンする。
この御前会議が相当の難関らしく、編集長は会議の前日には、
深夜近くまで、組み立て式の付録の工作に取り組んでいた。
大の男がハサミとノリを手に、
小学生向け付録の切り貼りに必死で取り組んでいるのは、
一見滑稽に見えるが、こうした送り手の本気が、
受け手である子どもたちの胸にもストレートに響くのだろう。
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私は、大人が楽しめないと、子どもも楽しめないと思っています。
私がやっている「きりがみアート」は、
なによりも自分自身が楽しんでいます。
これだけ楽しいのだから、子どもやほかの人たちとやれば、
もっと楽しいだろうと思うわけです。
子どもにこれをやらせようと思ってやるのは、
どうしても上から目線になります。
子どもも一人の人間です。
すなわち、「小さい人」なんです。
高見ノッポさんは、こう言われています。
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「子どもだからといって、“経験も浅い、物事をよくわかっていない存在”とは、
これっぽっちも思っていないからですよ。
小さい人たちというのは、実にいろいろなことが分かっているのです。
大人が思うよりも、いやおそらく大人よりも、ずっとずっと賢いんですから」
(「ノッポさんの『小さい人』となかよくできるかな?」より)
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下の写真は、小学1年生の女の子と男の子が作ったものです。
できたことがうれしかったのでしょう。
写真を撮って欲しいと言われて撮ったものです。
右下に、1年生の女の子の描いた絵があります。
これはこれで見事です。
それを、ドミノと積み木でつくると言って作り始めました。
正直、それはちょっと無理jだろうと思っていたら、
かなりの時間をかけて、仕上げていました。
本当にステキです。
子どもだから...という考え方が、いかに浅はかだということが、
こういう小さい人たちと接しているとわかります。
そして昨日、わが職場では、「お楽しみクリスマス会」をやりました。
なんと、60名を超える子どもたちの参加があり、すごいことになりました。
これだけ集まると、想定通りにはいきませんね。
ルール上、写真が撮れないのが残念です。
それでも、みんな思いっきり楽しんでいた。
私は、終わった後疲れを感じましたが、心地よい疲れでした。
スタッフが頑張ったおかげです。
ありがとうございました。