【学びの時間】クリスマスとは?③ ドイツのクリスマス

ドイツの12月はとってもステキです。

独特な雰囲気があります。

クリスマスツリーについても、他の国とは違うようです。

ドイツではクリスマスツリーは、

12月24日までは基本的に部屋に飾らないらのです。

「昔からそういう伝統だから」ということのようですが、

「ツリーの葉っぱが落ちて掃除が大変だし、

早くから部屋の中に入れておくとツリーが日持ちしないから」

という人もいるようです。

これは、あくまでも家庭での話で、街にはツリーは飾られていたと思います。

 

ドイツの子どもたちはお得です。

クリスマスプレゼントが2回もらえるんですから。

 

ドイツでは、12月6日は、聖ニコラウス(St. Nikolaus)というおじさんが、

良い子にプレゼントを持ってくる日、ということになっています。

ドイツ語で、St.Nikolaustagと言います。

なぜ、12月6日なのはは、諸説あるようですが、聖ニコラウスが、

西暦271年に現在のトルコのMyraという街で生まれた司教様で、

345年12月6日に亡くなった、というのが有力説とのことです。

見た目はサンタクロースに似ていますが、

サンタクロースではないそうです。

 

しかし、悪い子には、ブラックサンタがやってお仕置きをします。

「聖ニコラウスの従者が、モミの小枝の鞭を打ち、

子どもを袋に入れて連れていってしまう」、

とか「ブーツにはお菓子やおもちゃではなくて、小枝が入れられる」

とか色々言い伝えがあるようです。

これは、いわゆる、悪い子にお仕置きをするブラックサンタで、

ドイツでは「クネヒト・ループレヒト」と呼ばれます。

 

一方、ドイツでは、12月25日にはサンタクロースは来ません。

「クリスト・キント(Christkind)」と呼ばれる、

いわゆる「イエス・キリストの使者/天からの使い」

(見た目は天使のような女性であることが多い)

がプレゼントを持ってくるのです。

なので、ドイツの子どもたちは、

12月6日と12月25日の2回をとても楽しみにしているのです。

 

このお話の概要はドイツ時代に聞いていましたが、

上記の詳細は、ネットからいただきました。

 

さらに、子どもたちには、クリスマスの4週間前から

アドベントカレンダーという毎日のお楽しみがあります。

 

「アドベント・カレンダー(Adventskarender)」は、

日替わりでお菓子やおもちゃが楽しめる、子どもたちが大好きなカレンダー。

カレンダーに、数字の書かれた小窓や小袋が付いていて、

それを開けるとお菓子やおもちゃが入っています。

我が家も、娘が小1の途中までドイツにいましたし、

息子はドイツで生まれたので、アドベントカレンダーは楽しんでいました。

日本に帰って来てからも、しばらく続けていました。

 

ドイツでは、子どもだけでなく大人もクリスマスが大好きです。

 

「クリスマス・マーケット(Weihnachtsmarkt)」

アドベント期間中に各地の大小の都市や街の広場で開催され、

クリスマス用のデコレーションや、

クリスマスツリーに飾るオーナメントなどが売られています。

屋台も出で、ドイツビールやソーセージ、

ホットで甘いグリューワイン(赤)を味わうこともできます。

 

この「バイナハツマルクト」は、本当にステキな場所です。

私も何度か行きましたが、ドイツのクリスマスは、

みんなが待ち望んでいることが感じられました。

 

「アドベント・クランツ(Advents Kranz)」

アドベント期間中の家庭では、

アドベント・クランツ(Advents Kranz)と呼ばれる

花や針葉樹・小枝などを編んだリースにキャンドルがつけられたものを、

テーブルの上に飾ります。

クランツ(独:Kranz)はリース(英:wreath)を意味しています。

このアドベント・クランツのキャンドルに、

それぞれのアドベント(第1〜第4日曜日)が来るごとに

毎週1本ずつキャンドルをともします。

クリスマスが近づくほど

アドベント・クランツに灯されるキャンドルが増えていくというわけです。

 

余談ですが、ドイツでは、誕生日は前もって祝うことは厳禁でした。

そして、誕生日は祝ってもらうものではなて、

自分でケーキや飲み物を用意して、仲間を招待するものなのでした。

オフィスでは、誰かしら誕生日の人がいるので、

おやつの時間くらいに、みんなを集めて、

用意したケーキ(自分で焼いたり、奥さんが焼いたものを持ってきたり、

買ってきたもの)とジュースやコーヒーなどの飲み物を出して、

けっこうよく小パーティがあって、参加していました。

私も、奥さんにケーキを焼いてもらって持って行ったりしてました。

https://www.tabitowatashi.com/entry/germany-birthday/

まさに、こんな感じなのでした。

 

これ℃終わる予定でしたが、いま一度、

クリスマスとは何かに立ち戻る必要が出てきました。

 

子どもたちへのクイズに、

クリスマスは、キリストの生まれた日、それとも亡くなった日?

というのを出そうと思っていたのですが、

この問題は、適切ではないことが分かりました。

 

クリスマスは、イエス・キリストの誕生日ではないのです。

イエス・キリストの誕生を祝う日なのです。

キリストの誕生日は聖書にも書かれていません。

古代ローマ帝国の太陽神信仰「ミトラ教」の祭日の12月25日は、

不敗の太陽神の誕生を祝う日でした。

それをキリスト教が取り入れて、

イエス・キリストの誕生を祝う日を12月25日に定めたのでした。

 

もう一つ、イブってeveningだと思うけど、

Chiristmas Eveは、なぜ前日なんだろうと思っていましたが、

これまで、放置していました。

調べてみると、その理由がわかりました。

 

まず、eveを辞書で調べてみると、

  1. 前日、前夜
  2. 夕方、晩、宵祭、eveningの略

となっていますが、ふつうは2だと思います。

 

キリスト教には「教会暦」で、かつて日付を区切っていました。

教会暦では、日没から次の日没までが1日なのです。

12月24日の日没から深夜までがクリスマス・イブで、

25日の日没までがクリスマスです。

したがって、クリスマス・イブは、クリスマスの前日ではなく、

クリスマスの一部なのでした。

 

今回、子どもたちのためにやろうと思ったことで、

自分自身の学びが深まったことに感謝します。

 

写真は、ネットから取ったアドベント・クランツの写真です。