【学びの時間・感じる時間】発達障害もどきに思う

 

『「発達障害」と間違われる子どもたち』(成田奈緒子著 青春出版社)

この本は、すごくわかりやすい本です。

そして、メッセージはシンプルです。

 

題名には直接関係ないですが、私がいつも感じていることも書かれていました。

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脳科学の研究では、生まれた日から死ぬ日まで、

脳内では神経ネットワーク(細胞のつながり)が

つくられ続けていることがわかっています。

つまり何歳になっても、いつからでも、

脳細胞のつながりを増やせるということです。

脳細胞のつながりが増えれば、脳は成長していきます。

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発達障害の児童数は、こうなっています。

  • 2006年 約7,000人
  • 2019年 7万人
  • 2020年 9万人を超えた

これは、にわかには信じがたい数字です。

私自身も、子どもたちと日々接していますが、

正直子どもは子どもだと感じていて、

この数字の意味は理解できないのです。

 

この中には、著者の命名した「発達障害もどき」が少なからずいるようです。

発達障害の子どもも増えているのかもしれませんが、

そうではない子もたくさんいるというのです。

その原因は、大人の生活リズムの乱れにあるらしいのです。

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忙しいお父さん、お母さんの夜型のライフスタイルに合わせて、

生活リズムが乱れたり、小さな頃からおけいこごとをして、

睡眠時間が減っている子が増えていますが、

このような子は往々にして、発達障害のような症候を見せます。

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著者の臨床体験からすると、こうなります。

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生活のリズムを整える、すなわち朝早く起きるから始めて、

早く寝る習慣をつけることで改善するケースが多い。

中でも一番大事なのが、睡眠時間をしっかりとること。

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これによって、発達障害の症状が改善するケースが多いののです。

 

この本に書かれていることを要約すれば、

生活リズムを整え、睡眠時間をたっぷりとれば、

発達障害とみられる症状は回復するということです、

そのために一番大事なのはは、

親自身が生活リズムを整え、睡眠不足を解消することなのです。

子どもの問題は、大人の問題なのです。

 

いまビッグモーターが世間を騒がせています。

いまだに、こんな会社があるのかと信じられない気がしますが、

これまでの行き過ぎた日本の資本主義の集大成のようなものだと思えます。

言い方を変えると、これからの希望の未来への断末魔の一つだと思います。

私たち大人は、長年このような時代を生きてきたのです。

子どもたちの変化は、大人の生きかたへの警告だと思えて仕方がありません。

 

私自身が、さまざまな子どもたちに接している中で感じているのは、

手のかかる子は、往々にして家庭に問題があるということです。

そんな子たちも、その世界に閉じていなければ、成長していきます。

来てくれれば、そんな子たちの成長に関わることができます。

今の職場では限界がありますが、

個々の家族での子育て留まらない、コミュニティで子どもを育てるということ、

やっぱりそれが大事だなと思うのです。

子どもたちには、多様な大人に接してもらいたいです。