この本のあとがきには、こう書かれています。
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最後に親として14年、支援者として8年続けてきた経験をもとに、
この本を終えたいと思います。
結局のところ、いちばん大事なのは親が前向きに過ごすことです。
この本のもととなったニュースレターのQ&Aは、
この数年、この本の共同執筆者でもある飯島と一緒に書いてきました。
小さな会社を経営しながら、
毎月10人前後の質問に向き合うのは、案外大変なものです。
時間がない中でも、細々と書き続けられたのは、
互いの仕事を意識しながら、
半ば競い合うようにしてQ&Aに取り組んできたことが大きいと思います。
これからもコツコツ続けていきたいものです。
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鈴木慶太という人は、わが息子が頼みのつてとしようとしている
Kaienという会社を創業し経営しています。
代表メッセージ – コーポレートサイト : 株式会社Kaien (kaien-lab.com)
この本には。発達障害について、乳幼児、小学生、中学生、高校生、
大学生、それぞれの年齢ごとに章が設けられ、
実際の保護者からの質問と、
それらに対する著者の回答が数多く記載されています。
ここまで真摯に保護者や本人の悩みに向き合い、
丁寧に書かれた本は、これまで接したことがありません。
最後の章は、「大人の発達障害と仕事」です。
この本は、発達障害の子どもや大人が、
生きていくために必要なバイブルと言ってもいいでしょう。
その中の一つの質問は、小学校高学年の発達障害の子の親からでした。
「心配はたくさんあるが、いちばん不安なのは親亡き後のこと」
簡略化しましたが、こんな内容の質問に、著者はこう答えています。
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面談などで似たお悩みを聞いたときには、
- 家庭以外で頼れる人を見つけて行くこと
- お金を得る手段について考えていくこと
- ご本人の楽しめること(安らげること)を探していくこと
の3点を意識できるといいですよ、とお伝えしています。
この3点はいずれも、大人になって慌てて決めていこうとしても、
そもそもご本人がその必要性を認識するところから始めなければならず、
なかなか大変です。
(中略)
ただ、この悩みを抱えている保護者の方の多くは、
私の目から見るとそれほど心配にはなりません。
愛情深くお子さんを信頼しながら子育てされている家庭で育った人は、
うまくいかない時期があったとしても、
心の根っこの部分が健康である場合が多いからです。
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ここに引用したことは、何も障害者にかぎったことではないですね。
- 「いちばん大事なのは親が前向きに過ごすことです」は、障害のあるなしに関わらず、子育ての根っこですね。
- 上記の3点を意識することも、障害のない子にもぴったり当てはまります。
- 何よりも、愛情をもって育てられることが大事なんです。
放課後子ども教室には、特別支援学級の子たちも来ます。
普通学級の子でも、障害がある、またはグレーゾーンだと思える子もいます。
その子たちを見ていると、とっても純粋なんです。
子どもらしい、いや人間らしいとも言えます。
だから、そういう子たちへの適切な接し方というのは、
障害のあるなしに関わらず、普遍的に大切なことだと思います。