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「親や先生は発達障害の子をどう育てるか」ではなく、
この本では、子どもが主役です。
幼児から思春期にさしかかる時期までの子どもに限定
「発達障害の子はどう育っていくのか」を解説します。
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この本は、この前置きからスタートしています。
そして内容は、子どもの感じ方中心に書かれていました。
具体的なケースを上げて、このような時にはどうするかが書かれています。
あとで見返す必要がある本だと思い、本屋で買ってきました。
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私は、発達障害も近視と同じように対応していくべきだと思っています。
子どもが「集団のなかで適応しにくい」「ほかの子と同じようにできない」
と感じていることに、親や先生が気づく。
子どもにどんな特性があるのかを理解していく。
子どもの年齢によっては、本人と一緒に理解を深めていく。
そして、その子の特性に合わせてやり方を変えたり、環境を調整したりする。
そうすれば、字どもは特性を隠したりしないで、
グレーなまま成長していけます。
私は発達障害のことを伝えるとき、伝え方を工夫しています。
「自閉症スペクトラム症」や「注意欠如・多動性」などの診断名よりも、
「この子にはこういう特徴があって、こんなふうに対応していくと、
成長しやすくなります」といった説明に力を入れています。
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また、著者は、発達障害を知るためには、
発達障害と二次障害を分けてか考える必要があるともいわれています。
二次障害とは、発達障害によって生じている困難から、
不登校やひきこもり、身体症状、うつ、不安などがおこること。
発達障害のなかには、二次障害のない人、
言うなれば、「純粋な発達障害」の人もいるとのことでした。
前回の『ひきこもりの真実』で、
地上の人と地下の人の感覚に違いに触れましたが、
発達障害も同じなんです。
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読み書きの苦手な子が、読み書きを前提としている環境で学習するのは、
全力ダッシュでマラソンするようなものです。
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「やらない」のと「できない」のは違うということを、
よくわきまえておく必要があります。
では、どう接するのがよいのでしょうか?
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「子どもの非社会的興味を豊かにすること」をゴールにすえて、
対応していくことも重要です。
「非社会的興味」というのは簡単にいえば、
「対人関係などの社会的なもの」以外への興味です。
例えば、「電車が好き」「昆虫が好き」「絵を描くのが好き」というような、
事物や活動そのものへの興味を指します。
そういう興味を豊かにするなかで、
社会的なものへの興味は後から発達してくるということです。
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これは、発達障害者だけにかぎったことではないと思います。
苦手を克服するより、好きなこと得意なことを伸ばしていくことが、
とても大事だと私はずっと思ってきました。
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勉強は、何歳になってもできます。
大人になって仕事についてから業務に興味をもち、
自主的に勉強する人もいます。
本当に学びたいと思うことがあれば、
学習する習慣を身につけることはいつでもできるのです。
勉強は身の回りのことをあとまわしにしてまで、
教えるようなことではありません。
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頭を使うより、体を動かし、
自分で生活ができる身の回りのことができるようにする。
これ大事ですよね。
基本的な身の回りのことができるようにして、
好きなこと得意なことを伸ばしていくことが、
発達障害あるなしに関わらず、必要なことなんだと思います。