『村の社会学』(鳥越皓之著 ちくま新書)より
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鷲田清一(哲学者)は、「学力問題ってなんだ?)という文章で、
つぎのようにいっています。
学力を問うということは「まことに無礼だなあ」。
というのは、知っている人が知らない人に問うからです。
「普通質問というのは、
知らない者が知っているであろう者に懇願するようにして向けるものだ」。
だが、学力問題の場では、
「知っている者が知らない者に問うている」。
これは相手を試しているのであって、
「不信ということが前提としてある」
と鷲田は言います。
「こういうことをいうのは」として、鷲田は例をあげます。
たとえば、
「葉緑素以外に光合成に必要な要素を二つ問う設問がある。
この問いに答えることに何の意味があるのかは問うまい。
学ぶ意味など学んだ後にしかわからないからだ。
それよりも、この孤立した問いの無意味さに、
ああまたか、と疲れるだろうとおもう。
設問として孤立していること、いいかえれば、何のために考えるのか、
答えがわかったら次にどうするのかという、
生活につながる脈絡がこれらの設問にはない。
そのような孤絶した知識は生活の場面で使用されることがなく、
だから身につくことがない。
知ったところで意味のない設問につきあわされるのも、
それなりにしんどいことだろう」。
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光合成の設問に違和感を感じたので、調べてみました。
改めて学んでみると、ああそうだったんだなという気づきがあります。
光合成とはいったい何? 仕組みや必要なもの、呼吸との違いとは【親子でプチ科学】 | HugKum(はぐくむ) (sho.jp)
そもそも、光合成に必要な要素を二つ問うのでしょうか?
この設問自体がおかしいと思います。
まず、光は絶対に欠かせない、そしてあとは、二酸化炭素と水ですね。
このサイトにあるように、3要素なんですから、3つを問う必要があります。
どれが欠けても光合成は行われないからです。
この小学館のサイトはわかりやすいですが、
この中に、間違いと思われる個所があります。
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植物が光合成すると、主に「酸素」と「デンプン」が生成されます。
もう少し踏み込んでみると、
葉緑体の「光化学系」という場所で水が「水素」と「酸素」に分解されます。
酸素はここで外界へ放出されるのです。
残りの酸素と水素は、「カルビン・ベンソン回路」という場所へ運ばれます。
ここで最終的にデンプンなどの有機物が生成されて、植物の栄養となるのです。
光合成をできる植物がいなかった太古の地球には、
酸素がほとんどなかったと考えられています。
しかし次第に光合成生物が増えていき、
今では大気の約20%が酸素になったのです。
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「残りの酸素と水素」は、「残りの炭素と水素」の単純ミスでしょう。
これはミスだと思う前に、
酸素は、放出されるだけではなく、中に残っているのだろうか?と思ったり、
炭素はどこへ行ったのか書いてないなと思ったので、
他にも当たってみました。
【中学理科】3分でわかる!光合成の仕組みとは?〜図解で簡単に徹底解剖〜 | Qikeru:学びを楽しくわかりやすく
前者ではデンプン、後者では養分と書かれている
植物が必要としている有機物を作るためには炭素が必要なので、
ほぼ間違いなく書き間違いだと思うわけです。
学校で先生から教わるときには、そんな間違いはないでしょう。
でも、参考書等で勉強する場合、鵜呑みにしてしまう恐れもありますね。
覚えることが主眼の教育だと、そうなりがちです。
光合成とは、なにとなにで行われるのかを覚えようとするのではなく、
植物はなぜ光合成をするのか?を考えようとすると、
いろんなことにつながっていきます。
植物は、自分が成長し、生命を維持するために、
葉緑素というものを持ち、
光と水と二酸化炭素でそのための養分を作っているのです。
酸素は、いわばそのおまけのようなものです。
植物の養分とは何か、それがデンプンなのでしょうが、
そういった人間の食べる食物も含めた「養分」には、
炭素が必要だということも大事なポイントです。
酸素というおまけによって、大昔に地球環境は大きく変化し、
陸上であらゆる生命が生きるようになってきたのです。
酸素があるから生物は生きられるのですが、
太古に大きく変化した希求環境が、
ある一定のレベルで気の遠くなるような時間、維持され続けてきているのです。
本当に不思議です。
生物が生き続けるためには、大気に含まれる酸素濃度が大事です。
酸素濃度は20%、正確には21%(20.9%)のようですが、
どうしてそれが、太古から今まで維持されてきているのです。
なぜそうなのかは、今でも十分に解明されていないことのようです。
なぜ、地球環境は維持されているのか?
に着目することによって生まれたのが、ジェームズ・ラブロック博士の
地球自体が生命体であるという「ガイア理論」なのです。
教育とは、学び手に興味を抱かせるものと言えるかもしれません。
自分でその先を学んでみたいと思わせるように教えることです。
そこで思い出したのが、
先日Facebookの【味わいことばノート】82として書いたものです。
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『本気で言いたいことがある』(さだまさし著 新潮新書)より
勉強とは何でしょう?
点数を取るためのノウハウのことでしょうか?
僕は高校の教師に、
「学校というのは勉強しに来るところじゃないんだよ」
と言われて、もの凄くショックを受けた。
恩師は、
「お前たちは学校に勉強しに来ると思っているから、
学校が終わったら勉強が修了したと勘違いする」
と言い出しました。
そうしてこう続けるのです。
「学校という場所は、
勉強するための方法と手順を教わりに来るところなんだ。
本当の勉強は、
学校が終わってから一生をかけて自分のためにするものなんだぞ」
と。
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写真に意味はありませんが、
リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、
散歩中に撮った写真を適当に貼っています。