『人がガンになるたった二つの条件』(安保徹著)に
書かれていることを、引き続き、学びとしてまとめてみます。
体は、食べ物の栄養素や呼吸から得た酸素を細胞まで運び、
活動エネルギーに変えることで生き続けている。
そのエネルギーを作り出す仕組みには、
「解糖系」と「ミトコンドリア系」とがある。
解糖系: 嫌気性(無酸素運動)・瞬発力のエネルギー
- 食べ物から得られる栄養素をエネルギーに変換
- 原料は主にブドウ糖(糖質)
- 糖を分解するだけの単純なシステム
- すぐにエネルギーが取り出せる
- 即効性はあるが、一度に作り出せる量は多くない
ミトコンドリア系: 好気性(有酸素運動)・持続力のエネルギー
- 解糖系で分解された栄養素に加え、呼吸によって得られた酸素やほかの要素でエネルギーを作り出す
- ミトコンドリアで水素(H)を栄養素から取り出し、酸素(O)と結びつけ、水(H²O)を作り出す
- 解糖系とは比較にならない多量のエネルギーを生み出す
人間は赤筋(持続力=ミトコンドリア系)と白筋(瞬発力=解糖系)の
両方の筋肉をバランスよく兼ね備えている。
- ミトコンドリアの多い筋肉は赤い。
- 赤筋は深層筋(インナーマッスル)とも呼ばれ、細胞内に5,000ものミトコンドリアが働いている。(細胞内のミトコンドリア数 脳や神経:4,000 肝臓:2,000)
- 鉄はもともと白いが、酸素が呼吸酵素に含まれる鉄によって運ばれることで、
- 鉄が酸素と結びついて赤くなる。
- 赤筋を鍛えるだけでは筋肉柳流にはならない。
- 筋肉量を増やすためには、筋肉を構成する白筋(無酸素の状態で分裂)が必要。
- そのために解糖系のエネルギー製造が必要。
ガン細胞は、ミトコンドリアの数が非常に少なく、
解糖系(無酸素)で作られるエネルギーで分裂する。
低酸素・低体温は血流が悪く、酸素が末端まで送られにくくなるので、
この状態では、ミトコンドリア系と解糖系のバランスが崩れ、
解糖系が優位になり、無酸素の解糖系ばかりが働くようになる。
したがって、この環境を生き延びようとして、ガン細胞が分裂増殖する。
すなわち、ガンは、低酸素・低体温に対する体の適応現象と言える。
以上から、ガンを退縮させるには、ガンが適応しにくい環境、
すなわち、低酸素・低体温状態から脱却し、
ミトコンドリア系が働きやすい環境に変えればいいということになる。
体を温めることに加え、適度な運動で、上手に酸素補給を心がけること。
これが、解糖系に傾きがちなストレスの多い日常から脱却し、
英気を養う最善の方法である。
血液についても、上手に酸素が運ばれるサラサラの状態に対し、
その逆であるドロドロの状態があるが、
このドロドロもまた、体の知恵であるようだ。
それもしっかり理解しておく必要がある。