『最新の研究でわかった! 自律する子の育て方』
(工藤勇一・青砥瑞人著 SB新書)
第3章 「メタ認知とは何か」青砥瑞人 より
味わいことばノート 143
-------------------------------
相田みつをさんの言葉で、私が好きな次の言葉があります。
他人の物差し
自分の物差し
それぞれ寸法が違うんだな
まさにその通りで、他人の物差しで自分を知ることは大切な情報ではあるものの
自分の物差しで自分を見ることもできるのが人間です。
外部評価に依存する形で自己が形成されていくと、
結果的に周囲の意見に流されたり、人から何を言われるのかを気にしすぎて、
積極的に行動が起こせない脳になってしまいます。
非常に不安定な状態であり、それをこじらせると、
「自分を見失う」ということにもなりかねません。
それを防ぐためにも、子どもたちと自分に向き合う機会を与えていく過程で、
その子を、好きになもの嫌いなものを大事にしていること、こだわり、
得手不得手、やりたいこと、喜びを感じることなど、
本人なりの物差しをつくっていけるように、
サポートしてあげることが大切です。
それは別に難しい話ではありません。
- 大人の物差しを子どもに押し付けない
- 子どもの物差しを否定しない
実は、これだけの話なのです。
---------------------------------
味わいことばノート 144
--------------------------------
自分のありたい姿や実現したい目標を言葉にできる人は、大勢います。
1年のはじまりに今年の目標を立てる、学校の作文で将来の夢を書く。
それくらいなら誰でもできます。
しかし、その発言の多くは、瞬間だけ前頭前皮質で考えて、
答えを出しているような反応的な発言にすぎません。
それを「反応」ではなく、一貫性のある「状態」に変えていくには、
ありたい姿、やりたいことを日々思い続けることが重要です。
私が感銘を受けた稲森和夫さんの言葉で、次のものがあります。
「同じ夢を見続けていると、その夢はどんどん鮮明で、
細かいところまでわかるようになり、ついにはカラーでみえるようになります。
それがビジョンです」
同じことを何度も考えて、思考を掘り下げたり、マクロでみたり、
ミクロでみたり、シミュレーションしてみたりしていれば、
最初は白黒でボヤッとしていた夢が、
まるで現実のように感じられる状態になります。
アスリートにしても経営者にしても、大きな夢を実現する人たちの共通点は、
思いを持ち続けることです。
スティーブ・ジョブズは毎日鏡に向かってセルフトークをしていましたし、
松下幸之助さんも毎日自分自身に叱咤激励をしていたそうです。
----------------------------------
味わいことばノートには、ほとんど注釈やコメントは入れてきていません。
でも、今回、特別に書くことにしました。
この言葉たちに接したときに、
これはドリームマップの考えそのものだなと思ったのです。
夢を描くとき、それは、他人の物差しであるはずもなく、
自分の物差しで描きます。
それは誰にも邪魔されるものではなく、ドリマ先生はそれをサポートします。
ただ、子どもたち一人一人の「いまそのとき」の状況で、
それがうまくできないこともあります。
それはそれで、オーケーなんです。
自分に向き合う時間をもつことができただけで、十分なんです。
2番目の言葉は、錚々たるメンバーだから言えることでしょう。
普通、多くの人は、そんなに強くもなく、頑張ることもできません。
それもまた、オーケーです。
特に児童・生徒の場合は、そこに至る前の前の段階です。
自分の物差しに気づくだけで十分です。
そして、成長の応じて、夢は変わり、進化していきます。
同じ夢をもち続けなくてもいいんです。
夢は変わっていいんです。
夢をもち続けようとすることで、そのうち本当の夢が現れてきます。
個人的な話をすれば、Sol自身の場合、本当の夢ができたのは、
ドリマに接した後、還暦を過ぎてからです。
それができたのは、還暦までの人生のおかげだと思っています。
夢は自分の物差しで描くもの。
自分の夢、いや自分を信じることで、夢は叶っていきます。
なにも、オリンピックで金メダルを取ったり、
世界に冠たる企業をつくらなくてもいいんです。
どんな小さな夢でもいいんです。
自分の夢を描き、信じ、それを人に伝えることができれば、
その夢は叶っていきます。
写真に意味はありませんが、
リンクしてシェアしたときに、写真があった方が見栄えがいいので、
手元にあった写真を適当に貼っています。